Trademark Appeal Case
「リング」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−9944(T2000−9944/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),時計,キーホルダー」、第21類「携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」及び第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」を指定商品として、平成11年6月25日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成12年7月3日付けの手続補正書をもって、第14類「指輪,その他のリング形状の身飾品(「カフスボタンを除く。」),リング形状のキーホルダー」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「リング」、「the Ring」の各文字を二段に書してなるところ、第14類の指定商品中「身飾品(「カフスボタン」を除く。)との関係において、「リング」、「Ring」の各文字は、「指輪」を指称する用語でもあり、また、「キーホルダー」との関係において、「リング状のキーホルダー」にみられるように、商品の品質(形状)を表すものであることから、これをその指定商品中前記文字に照応する商品について使用しても、単に商品の品質を表したにすぎず、自他商品を区別する標識としての識別力を具有しないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、「リング」の文字を横書きし、その下に「the Ring」の文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中の「リング」の文字部分は、「Ring」の文字部分の上に掛かるように、該「Ring」とほぼ同一の幅で横書きされているものである。
上記構成よりなる本願商標にあって、その構成中、片仮名で書された「リング」とその下に書された欧文字の「Ring」は、看者に与える印象という点からみれば、欧文字の小文字で書された「the」の文字部分に比べて大きいということができる。
そして、「the」は、定冠詞として、中学校で修得する基本的英単語であり、強いて訳さない場合が多い語である。
一方、「ring」(リング)は、「輪型の飾り(指輪、耳輪、腕輪)、輪、輪状のもの、輪の形、円」(平成12年10月23日提出に係る参考資料1ないし5)など種々の意味を有する英単語であり、我が国においても、上記を意味する語として、広く知られ、日常的に使用されているものである。
また、装身具等を取り扱う業界において、「指輪」を「リング」と称していることは、例えば、1994年3月4日付け日刊工業新聞(13頁)の「中外鉱業、ピアスの抗菌めっき技術を開発。」の見出しのもとに、「中外鉱業ではこの抗菌加工を行ったピアスやチェーン、リングなどを、全国展開のジュエリーショップから発売。」との記載があり、そのほか、1999年4月21日付け繊研新聞(3頁)の「〈売れています〉ボディーフィットワイヤー」の見出しのもとに、「ボディーフィットワイヤーのネックレスやブレス、リングが売れている。」との記載が、2000年1月7日付け毎日新聞(東京夕刊、6頁)の「[デジタリ庵]宝飾品メーカーでネット販売のホームページを作成」の見出しのもとに、「レザージュエリー(レザーと18金を組み合わせたリングやピアスなど)が今いちばん売れています。」との記載が、2000年10月24日付け日刊工業新聞(39頁)の「サントリー、本社1階にジュエリーショップオープン」の見出しのもとに、「アクアマリン、サファイアなど約20種のストーンとリングなどを組み合わせて自分だけのジュエリーが作れる。」との記載があり、また、2004年5月10日付け朝日新聞(東京夕刊、1頁)に掲載された三菱マテリアル株式会社の「三菱の特選ジュエリー」の広告には、「リング/18金」との記載があることからも、首肯し得るところである。
(2)前記(1)で認定した本願商標の構成、「the」及び「ring」(リング)の意味並びに装身具等を取り扱う業界における「リング」の使用例を総合すると、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、本願商標中の「リング」、「Ring」の文字部分を単に商品の普通名称を表したと理解するか、商品の形状そのものを表したと理解するにとどまるものであって、たとえ、「Ring」の文字部分の前に「the」の語が付加されているとしても、該「the」は、我が国において、次に来る名詞を単に強調するにすぎない語であって、特別の意味を有する語ではないと理解されているところから、「the」の文字部分に格別の注意を払うことはないというのが相当である。
そうすると、本願商標は、これを全体として観察した場合においても、その指定商品との関係からみれば、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
(3)請求人の主張について
(a)請求人は、「the ring」は、「健闘、健闘場、健闘家、ボクシング」等を意味する語であって、「環、指輪」等を意味する語として理解されるのではないから、本願商標は自他商品の識別機能を有する旨主張する。
しかしながら、前記のとおり、我が国において、「リング」(ring)が「輪。環。指輪。ボクシングやプロ-レスの試合を行う方形の台。」などを意味する語として広く知られているとしても、「the ring」が「健闘、健闘場、健闘家、ボクシング」等を意味するものとして広く知られているものであるとは認めることはできないのみならず、本願商標は、「指輪,その他のリング形状の身飾品(「カフスボタンを除く。」),リング形状のキーホルダー」について使用されるものであることからすれば、その需要者が直ちに「健闘、健闘場、健闘家、ボクシング」等の意味を理解するものとは到底考えられないところである。
(b)請求人は、「リング」及び該文字を含む登録例を挙げ、これらの登録例の指定商品との関係からみれば、本願商標は自他商品の識別機能を有するものである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げた登録例における登録商標の指定商品は、本願商標の指定商品と異なるものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断基準は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的になされるべきものであって、本願商標は、その指定商品との関係からみれば、前記認定のとおり判断するのが相当であるから、上記登録例の存在をもって、前記認定が左右されるものではない。
(c)したがって、上記請求人の主張はいずれも理由がない。
(4)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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