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Trademark Appeal Case

著名商標と複合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第13303号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MICHEL RENOMA」の文字を横書きしてなり、商品の区分及び指定商品を第14類「貴金属製食器類,盆及び楊枝入れ,貴金属製の花瓶,宝石箱,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念楯,キーホルダー」、第18類「皮革,鞄類,袋物,携帯用化粧道具入,傘」、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く),ガラス製又は陶磁器製の包装容器,食器類(貴金属製のものを除く),化粧用具」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,布巾,布製ラベル」及び第25類「被服,履物」として平成10年6月9日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、フランス国 パリ在の『ソシエテ テクステイール デ アルテイクル レノマ エス テー アー エール』が『衣料品、バッグ』等に使用して著名な商標『RENOMA』の文字を含むから、これを出願人(請求人)が本願指定商品に使用するとき、これに接する需要者等は、上記会社若しくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定・判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「MICHEL RENOMA」の文字を横書きしてなるところ、これはフランス国のデザイナー「Morris Renoma」のデザインに係る商品に付されるブランドとして我が国においても、よく知られている「RENOMA」の文字をその構成中に含むものである。

そして、当該「RENOMA」(あるいは「Renoma」若しくは「renoma」又は「レノマ」)の文字(以下「RENOMA標章」という。)は、本願商標の登録出願日(平成10年6月9日)前に我が国において、いずれも前記デザイナー「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)のデザインに係る商品のブランド又は「フランス国パリ アブニュー ビクトール ユゴー 113」に所在する同人の経営に係る会社「ソシエテ テクステイール デ アルテイクル レノマ エス テー アー エール」(以下「レノマ・スター社」という。)の取扱いに係る商品のブランドを表すものとして、我が国のバッグ類・衣料品・眼鏡枠・香水・時計等のファッション関連商品分野の取引者、需要者の間において広く認識されていたことは、下記(2)及び(3)の記載から裏付けられる。

(2)雑誌記事

(ア)株式会社研究社発行「英和商品名辞典」(1991年第3刷)における361頁の「[Renoma レノマ]フランスのデザイナー『Morris Renoma(1939〜)』のデザインしたファッション商品のブランド及びそのブティック。バッグ類・衣料品・眼鏡枠・自動車用品などを手がけている。同氏の父親は、ポーランドのWarsawの洋服屋だったが、1942年にParisに移住し、注文紳士服店を開業。1962年にMorris Renomaは、店名をWhitehouse Renoma Boutique(社名は「Renoma Star S.A.」)として、兄のMichelとともに経営者になった。1968年に婦人服に進出し、さらに、衣料品にとどまらず、ファッション商品全般を手がけるようになった。革製バッグ・トランクなどはイタリアで製造。デザイナーが旅行途上の列車の中で網棚を見てデザインに取り入れたという逸話のある網をあしらったカジュアルバッグNetlineが1980年頃世界中で流行した。」との記載、

(イ)サンケイマーケティング発行「’86〜’87ザ・ブランド」(海外ブランド・ライブラリー)(1986[昭和61]年10月30日初版第1刷発行)における33頁の「[RENOMA レノマ(フランス)]種類:デザイナー・ブランド 分類:ファッション製品 製造場所:日本 資料提供:(株)味岡」という記載のほかに、「renoma/PARIS マークの由来:社名のアルファベット“renoma”のロゴタイプがマークとして使用されている。また、頭文字の“r”もマークとして使用されている。・・・カジュアルバッグのトップブランドとしての地位を確立している。製品の種類:[ライセンス]カバン、バッグ、財布、小物、キーホルダー、メンズ・レディスアパレル、その他20種類」との記載、

(ウ)株式会社集英社発行「imidas’99別冊付録最新英語雑学辞典」(1999年1月1日発行)における166頁の「レノマ(Renoma)」の項の「フランスのファッションメーカー、レノマ・スター社の衣料品、バッグ類などのブランド名。ファッション物以外に眼鏡枠、自動車用品なども製造している。1942年にパリに移住したポーランド人のMorris Renomaが父親の洋服店を継いで62年に経営者となり、68年に婦人服に進出した。」との記載、

(3)新聞記事

(ア)1998年5月7日付共同通信「『スポーツ新商品』レインジャケット」の見出しのもと「日本ダンロップは梅雨時でも楽しく快適にゴルフができるように、機能性とファッション性を両立させた『レノマブランド』のレインジャケットとパンツを五月十五日から発売する。・・・価格はジャケットが二万円、パンツが一万二千円。」との記載、

(イ)1998年5月1日付繊研新聞4面「中堅パンストメーカー“脱定番”の動き活発、高級・健康で個性」の見出しのもと「・・・高砂は年商十八億円でパンストは約六億円。靴下部門を含め、ここ数年で商品の入れ替えを終了、百貨店ルートだけにほぼ絞り込んだ。パンストは『レノマ』『コムサデモード』のブランド品と、足のむくみなどに効果のある「ジェンティルドンナ」の三つ。」との記載、

(ウ)1998年4月16日付繊研新聞4面「クラウン製靴『レノマ』紳士靴リニューアル、25歳前後を対象」の見出しのもと「曲線美が特徴 紳士革靴製造卸のクラウン製靴(本社東京)は九八年秋冬から『レノマ』ブランドのメンズシューズをリニューアルし、二十五歳前後を対象としたマーチャンダイジングに変更する。マッケイ製法を主体とし、価格も二万五千円を中心にする。新生レノマは、同じサイズでもこれまでのものより甲の部分が長いロングノーズタイプが増えた。・・・販路は百貨店と丸井及びシューズ専門店。」との記載、

(エ)1998年3月26日付繊研新聞7面「[ネクタイ有力卸5社の業界活性化重点戦略]魅力ある商品提案が課題に」の見出しのもと「・・・田中栄光堂 企画力強化を重点に、売り場へきめ細かく提案 田中栄光堂(本社東京、田中稔社長)は『レノマ』『ポロ・ラルフローレン』など新ブランドの投入と、主力の『アイム・プロダクト』の既存店ベースでの伸びが貢献して、九七年七月期売上高は五十四億五千三百万円、前期比一一・三%増となった。」との記載、

(オ)1998年2月9日付繊研新聞4面「ハヤシミチ 115グラムの軽量傘を発売」の見出しのもと「レイングッズのハヤシミチ・・・は九八年春夏から、重さ百十五グラムの軽量のミニ傘を発売する。・・・ブランドは『オリバー』と『レノマ』で、・・・レノマは無地が六色、柄が二柄。両ブランドとも四千〜五千円。・・・今回の百十五グラムの商品投入は、バリエーションの拡大がねらい。」との記載、

(カ)1997年10月15日付繊研新聞18面「4Hクラブ ネクタイの専門店を開店」の見出しのもと「インポート雑貨を並行輸入し、販売する4Hクラブ(本社東京)は、このほどネクタイ専門店『ノットクラブ』の一号店を東京・恵比寿のアトレに開店した。『レノマ』・・・など二十以上の海外有力ブランドのネクタイをそろえる。一万〜千九百円と低価格で出す。ドレスシャツ、サングラス、バッグ、小物なども扱う。」との記載、

(キ)1997年10月7日付繊研新聞7面「[無店舗販売・カタログ拝見]『Nissen97秋号』ニッセン」の見出しのもと「一流品を直接買い付け スペシャルカタログをやめて、商品からサービスまですべてを、このゼネラルカタログに集約した。バイヤーがヨーロッパで直接買い付けた一流ブランド品の『バーバリー』『レノマ』・・・などのダッフルコートやシャツジャケット、セーター、カーディガンを掲載している。」との記載、

(ク)1997年9月5日付繊研新聞9面「[海外特集]東京でモード・フランス展 パリからドレスいかが」の見出しのもと「37ブランドが商談 フランスの中堅婦人服ブランド三十七を集めた「モード・フランス」展がこのほど開かれた。会場の東京・帝国ホテルは、商談場が客室だったためか出足は今一つだった。・・・『レノマ』といった知名度の高いブランドもあったが、多くは実力派の中堅アパレルメーカー。」との記載、

(ケ)1997年7月19日付毎日新聞 東京夕刊9頁「続発する眼鏡フレーム盗、「爆窃団」か・・・都内でブランド品を狙う」の見出しのもと「有名ブランドの眼鏡フレームが大量に盗まれる事件が、先月から今月初めにかけて東京都内で多発、被害総額は約1億1000万円に上っている・・・調べでは、先月14日夜、多摩市と府中市の眼鏡店2店で、『グッチ』や『レノマ』など有名ブランドの眼鏡フレーム計約3500点(時価5250万円相当)・・・の被害があった。眼鏡業界関係者によると、有名ブランドの眼鏡フレームは1本3万〜7万円で人気が高く、海外でも高額で販売されているという。」との記載、

(コ)1997年7月2日付共同通信「『スポーツ新商品』紫外線をカット」の見出しのもと「日本ダンロップは、夏を快適にプレーするため肌に有害な紫外線をカットする(UVカット)機能を備えた傘と涼感素材の帽子など『レノマ』シリーズのゴルフグッズを充実し、発売した。強い日差しをはね返すパラソル、ストローハット、天然硫黄を練り込んだ水虫対策のソックスなど、夏対策用品がラインアップされている。価格はパラソルの女性用が一万五千円、ストローハットが五千三百円。」との記載、

(サ)1992年2月5日付毎日新聞 東京朝刊8頁「[ビジネス情報]レノマの置き時計・・・シチズン商事」の見出しのもと「シチズン商事・・・は、若者に人気のある『renoma(レノマ)』ブランドの置き時計・・・を25日発売する。角形、丸形の2タイプがあり、価格はいずれも1万2000円。本体に革を張り付け、前面にステッチをあしらったモダンな小型クロック。両タイプとも色は茶と黒の二種類で、文字盤の12時位置に『renoma』のロゴが入っている。」との記載、

(シ)1997年5月30日付繊研新聞9面「[メンズリポート・ミニニュース]6月にレノマ展開催」の見出しのもと「レノマ・ストーリー展実行委員会、レノマジャパンは六月二十五〜七月三日まで、東京港区のスパイラルガーデンで『レノマ・ストーリー展』を開く。六〇〜七〇年代の『レノマ』のビンテージ・コレクションを紹介するほか、ディレクターのモーリス・レノマ氏も来日し、写真作品を公開する。」との記載、

(ス)1997年2月26日付繊研新聞21面「[スペースファッションビジネス]タオル業界 自家需要の開拓に重点」の見出しのもと「ブランド品を充実・・・各社が発売したブランドも含め主力としているのは、・・・天野吉商事は『マリ・クレール』『エレガンス』『レノマ』・・・などである。」との記載、

(セ)1997年6月25日付繊研新聞2面「伊藤忠 レノマジャパンを設立、『レノマ』に総勢67社参画」の見出しのもと「初年度売上高250億円へ 伊藤忠商事は、このほどパリのレノマ・スター社と共同で『レノマ』のライセンスブランドを統括・運営する新会社レノマジャパン(資本金一千万円)を伊藤忠商事大阪本社内に設立、同ブランドの総合展開に乗り出すことになった。新会社の会長にレノマ・スター社のモーリス・レノマ社長、社長に伊藤忠の岡藤正広アパレル第三部長が就任する。・・・総勢六十七社のサブライセンシーが参画、業界屈指のブランドプロジェクトが再スタートすることになる。・・・初年度売上高二百五十億円(卸売りベース)、三年後に最低でも三百億円を見込んでいる。・・・レノマのファーストラインは七六年以来、アルファキュービックと味岡が日本市場で有力ブランドに育てる一方、伊藤忠は九四年からセカンドラインの「ユー・ピー・レノマ」を手掛けてきた。しかし、アルファキュービックの経営問題が表面化したため、この間、同社と伊藤忠、レノマ・スター社が今後の展開について協議を重ねた結果、伊藤忠とレノマ・スター社が新会社を設立し、日本におけるブランド事業のすべてを一元管理していくことになった。」との記載、

(ソ)1997年7月29日付日刊工業新聞社 流通サービス新聞7頁「ブランド物語/レノマ(23)磨けば光る」の見出しのもと「パリにおけるレディースコレクションから『レノマ』はブランドコントロールを徹底化するため、パリのレノマ・スター社、伊藤忠商事の共同出資により新会社レノマジャパン(岡藤正広社長)を設立したばかりだ。・・・ 『レノマ』は世界五十カ国以上で売られ、取引先は八百社にも及ぶ。ライセンス商品を展開しているのは日本、韓国、イタリアの三国で、売り上げ面を見ると全体の二分の一程度を日本が占める。『アジアと相性がいいのだ』とデザイナー、モーリス・レノマ氏はブランドを語る。・・・七六年からレディースのファーストライン『レノマ・パリス』を育ててきたアルファキュービックが、今年二百五十億円の負債を抱えて倒産したこともあり、現在宙に浮いているレディースを、今後どう消費者にアプローチしていくかが今、課題として残されている。・・・総勢六十七社に及ぶサブライセンシーのブランドコントロール・・・は、ジャパン社が越えなければならない試練である。」との記載。

(4)以上の事実を総合すれば、「RENOMA」標章は、「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)氏のデザインに係る商品のブランド又は同人の経営に係るレノマ・スター社の業務に係る商品に付されるブランドとして、我が国のバッグ類・衣料品・眼鏡枠・香水・時計等のファッション関連商品分野の取引者、需要者の間において、少なくとも本願商標の登録出願日(平成10年6月9日)前までに広く認識されていたものと認められる。

しかして、その話題性、指定商品及び需要者層の共通性等よりして、「RENOMA」標章の著名性は、本願商標の指定商品である第14類「貴金属製食器類,盆及び楊枝入れ,貴金属製の花瓶,宝石箱,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念楯,キーホルダー」、第18類「皮革,鞄類,袋物,携帯用化粧道具入,傘」、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く),ガラス製又は陶磁器製の包装容器,食器類(貴金属製のものを除く),化粧用具」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,布巾,布製ラベル」及び第25類「被服,履物」の各分野にも及んでいるものと認めることができる。

(5)結び

そうすると、本願商標は、他人の業務に係る商品を表示する商標として広く認識されている「RENOMA」の文字を含むものであるから、請求人が、これをその指定商品について使用するときには、これに接する取引者、需要者は、「RENOMA」標章を容易に連想・想起し、当該商品が恰も上記「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)氏のデザインに係る商品又は同人の経営に係るレノマ・スター社の業務に係る商品に付されるブランド、あるいは同人若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信し、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

(6)請求人の主張について

(ア)請求人は、本願商標中の「MICHEL」と「RENOMA」とは同書、同大、同間隔にまとまりよく一体的に構成されており、これより生ずる称呼も冗長でないこと、また、本願商標は、その全体をもって欧米人のフルネーム(氏名)を表示したものと容易に理解されるから、本願商標を「MICHEL」と「RENOMA」とに分離しなければならない合理的な理由はない旨主張する。

しかしながら、上記のとおり、該ブランド「RENOMA」標章は、本願商標の登録出願日前から、前記「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)氏のデザインに係る商品又は同人の経営に係るレノマ・スター社の業務に係る商品に付される著名なブランドとして、我が国のバッグ類・衣料品・眼鏡枠・香水・時計等のファッション関連商品分野の取引者、需要者によって広く認識されているものと認めることができる。

しかも、本願商標の指定商品は、第14類「貴金属製食器類,盆及び楊枝入れ,貴金属製の花瓶,宝石箱,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念楯,キーホルダー」、第18類「皮革,鞄類,袋物,携帯用化粧道具入,傘」、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く),ガラス製又は陶磁器製の包装容器,食器類(貴金属製のものを除く),化粧用具」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,布巾,布製ラベル」及び第25類「被服,履物」であるのに対し、前記「RENOMA」標章は、バッグ類・衣料品・眼鏡枠・香水・時計等のファッション関連商品に使用されてきたものである。

このことよりすれば、本願商標と該ブランド「RENOMA」標章とが使用される商品は、極めて密接な関連性を有しており、両商品の取引者、需要者の相当部分が共通するものと認められる。

そして、本願商標は、「MICHEL RENOMA」の欧文字を横書きしてなるものであって、その構成上明らかに「MICHEL」と「RENOMA」とに二分されており、これに接する者が「RENOMA」の部分を可分なものとして認識することはごく自然なことであって、しかも、後半の「RENOMA」の文字部分は、前記「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)氏のデザインに係る商品又は同人の経営に係るレノマ・スター社の業務に係る商品に付されるブランドと全く同一の構成である。

そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者が、そのうちの「RENOMA」の文字部分に着目することは充分にあり得ることといわなければならない。

(イ)次に、請求人は、フランスでは「RENOMA」なる人物が多数存在しているので、単なる「RENOMA」では誰かを特定できず、一連に称呼して初めて特定人と理解される旨主張する。

しかしながら、「RENOMA」がフランスに多い氏姓であるからといって、そのことが必ずしも我が国において知られているものでもなく、また、一連に称呼して初めて特定人と理解される場合があるからといって、我が国における取引者、需要者の間で「RENOMA」が著名なブランド「RENOMA」標章であるとの認識が成立し得ないというわけではないから、請求人の主張は採用することができない。

(ウ)請求人は、本願商標がフランスに居住し現在も活躍している有名なデザイナーの氏名であり、デザイナーの氏名からなる商標にあっては、氏と名前のいずれか一方を省略することなく一体のものとして把握され、一連に称呼されなければならない旨主張する。

しかしながら、当該デザイナーの氏名及びその取扱いに係る商品に付される本願商標「MICHEL RENOMA」が、その出願前より我が国のファッション関連商品分野の取引者、需要者の間において、周知であったことを認めるに足りる証拠はなく、したがって、それが前記「Morris Renoma」(モーリス・レノマ)氏のデザインに係る商品又は同人の経営に係るレノマ・スター社の業務に係る商品に付される著名なブランドの「RENOMA」標章と同程度若しくはそれを凌ぐ程の周知・著名性を獲得していたとは到底認められず、両商標の間における出所の混同のおそれが否定されるものではないから、その主張は採用することができない。

(エ)請求人は、幾つかの審決例を挙げ、本願商標についても登録されるべきである旨述べる。

しかしながら、それらは、いずれも本願商標とは構成態様を異にするものと認められるばかりでなく、本願商標については、上記のように認定するのが妥当というべきであるから、この主張も採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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