結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30060(T2004−30060/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第679002号商標(以下「本件商標」という。)は、「小結」の文字を縦書きしてなり、昭和39年2月24日登録出願、第32類「海苔、干しのり、焼のり、味付けのり、のりのつくだ煮、その他本類に属する商品」を指定商品として、同40年6月23日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中の「おにぎり、これに類似する商品」について、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても、日本国内において継続して3年以上使用されていない。
(1)被請求人は、「類似商品・役務審査基準」によれば、「味付けのり」(32F02)と「おにぎり、これに類似する商品」(32F06)とは、類似関係にはないが、「のり」と「米飯」とが分離した状態で個別に包装され、これを一体的に包装する販売形態が一般的になっていること等を勘案すると、「味付けのり」と「おにぎり、これに類似する商品」とは、類似しないものとはいえないから、「おにぎり、これに類似する商品」について本件商標を使用している旨主張する。
しかしながら、上記のような販売形態の「おにぎり」があるからといってその商品は「おにぎり」であることに変わりはない。
商品が類似するか否かの判断基準は、両商品の生産部門や販売部門が一致するかどうか、原材料や用途が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうかなどを総合的に判断して、両商品の出所に混同を生じさせることがあるかどうかによるのであって、上記のような包装による販売形態があるからといって、「味付けのり」が「おにぎり、これに類似する商品」に含まれるということはできない。
また、請求人が、請求に係る「おにぎり、これに類似する商品」に「味付けのり」が含まれることを主張するものでもない。
(2)したがって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者である被請求人が、取消請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」について本件商標を使用している、との被請求人の主張は当を得たものではない。
被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書(資料1:カタログ、資料2:生販価格表、資料3:仕入伝票を添付)を提出した。
商標権者(被請求人)は、本件商標を、少なくとも本件商標の指定商品のうちの「味付けのり」について、本件商標の登録当初から現在まで継続して使用してきた。
(1)登録商標の使用説明書
登録商標の使用説明書に添付した証拠は、指定商品「味付けのり」についての本件商標の使用を十分立証するものである。
(2)使用に係る商品と、請求に係る指定商品との関係について
請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」は、「べんとう」等(32F06)に類似する商品であると認められる。
「類似商品・役務審査基準」にれば、被請求人が本件商標を使用している商品「味付けのり」(32F02)と、請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」(32F06)とは、類似する関係にはない。
しかしながら、一方で、商標法における商品の類否の判断は、根本的には商取引の実情、経済界の現状に即応すべきものとされており、請求に係る指定商品の「おにぎり」は、近年、コンビニエンスストア等において、「のり」と「米飯」とが分離した状態で一旦個別に包装され、これを一体的に包装する販売形態が一般的になっていること等を勘案すると、被請求人が本件商標を使用している商品「味付けのり」と、請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」とは、類似しないものとはいえない関係にあるものと思量する。
そして、これに従えば、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者である被請求人が、請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」について本件商標を使用していることになる。
(3)請求に係る指定商品について
請求に係る指定商品「おにぎり、これに類似する商品」は、「類似商品・役務審査基準」には、具体的な記載がないため、請求に係る指定商品の範囲が明確ではない。
(1)平成3年政令299号による改正前の商標法施行規則別表第32類は、主として生鮮食料品とこれを加工した食料品をまとめた類であって、そのうちの「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実」は、それぞれ生鮮食料品を原材料、生産・流通系統を中心として概念分けされている。
また、「加工食料品(他の類に属するものを除く。)」には、生鮮食料品を加工した商品群である「肉製品」、「加工水産物」、「加工穀物」、「加工野菜および加工果実」とそれ以外の種々雑多な加工食料品が含まれる「その他の加工食料品」とが掲げられているところ、「その他の加工食料品」についても、これに属するすべての商品が類似する商品ではなく、商品の原材料、用途、生産者、取引系統等取引の実情を勘案して商品の類否を考察すべきである。
なお、上記施行規則別表をもとに作成された類似商品審査基準〔改訂版〕(昭和61年3月28日 改訂第6版)においても、「加工食料品(他の類に属するものを除く。)」は、商品の原材料、用途、生産者、取引系統等を共通にする場合が多い商品をまとめ、いわゆる短冊で括られた商品群を類似の商品と推定しているところである。
(2)本件請求に係る指定商品は、「おにぎり、これに類似する商品」であり、使用商品は、「味付けのり」であるところ、請求に係る指定商品中の「おにぎり」は、飯を丸や三角に握った携帯食で、飯の表面に塩を付けただけのものから、飯の中に梅干しや塩鮭などを入れたり、表面に海苔やごま、シソの葉などを付けたりするものまで、多種多様でその種類はきわめて豊富である。そして、「おにぎり」は、上記のとおり、飯を握った携帯食であり、すぐに食することができる調理済みの食品であって、日持ちのしない比較的いたみやすい食品であるから、その製造は、弁当のように専門の業者により製造される場合が多く、また、その販売場所も、すぐに食することができる調理済みの食品群である、たとえば、すし、弁当、サンドイッチの類と同種の商品として販売される場合が多い。
そうすると、請求に係る指定商品中の「これに類似する商品」の範囲も、上記取引の実情からすると、すし、弁当、サンドイッチのように、いわゆる携帯食であって、すぐに食することができる調理済みの食品の範囲ということができる。
一方、使用商品である「味付けのり」は、干しのりに醤油、みりんなどを混ぜた調味料を塗り、乾燥させた海苔であり、いわゆる乾物といわれる加工水産物であって、一般的には、水産物加工業者により生産される商品である。
以上によれば、使用商品は、本件請求に係る指定商品とは、原材料、生産者、取引系統を著しく異にする商品であるから、「おにぎり、これに類似する商品」の範疇に属する商品とは認めることはできない。
(3)前記に関し、被請求人は、「おにぎり」は「のり」と「米飯」とが分離した状態で個別に包装され、一つの商品として販売される形態が一般的であるから、使用商品と請求に係る商品とは、類似しない商品とはいえない旨主張する。
しかし、おにぎりの販売形態が、海苔と別々に包装され、一個の商品として販売されていることは事実であるとしても、該海苔は、おにぎりの商品価値を高めるため、おにぎりに付随的に付加されているにすぎす、独立して取り引きされる商品とは認められないから、おにぎりについて上記のような販売形態がとられているとしても、これをもって、使用商品が「おにぎり、これに類似する商品」の範疇に属する商品とは到底認めることはできない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「おにぎり、これに類似する商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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