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Trademark Appeal Case

不使用取消審判における使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30087(T2003−30087/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1011302号商標(以下「本件商標」という。)は、「JOOLA」と「ジョーラ」の各文字を二段併記してなり、昭和45年10月28日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和48年5月1日に商標権の設定登録がされ、そして、当該商標権は、昭和58年6月28日、平成5年9月29日及び平成15年4月22日の3回にわたり存続期間の更新登録がされているものである。

本件審判請求の登録は、平成15年2月19日にされている。

なお、指定商品については、平成15年8月20日に現行分類の第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類ないし第22類、第24類及び第25類に属する当該商標登録原簿に記載の商品へ書換登録がされている。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1.請求の理由

請求人の調査では、被請求人は、いずれの指定商品についても、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を使用していないことが判明した。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2.弁駁の理由

(1) 被請求人は、乙第4号証ないし乙第18号証によって、被請求人のグループ会社であるイベリス株式会社(以下「イベリス社」という。)が本件商標の使用をしている事実を立証する旨主張しているが、これらの証拠によっては、本件商標の使用は立証されていない。

以下に、乙第4号証ないし乙第18号証の各証拠について検討する。

(ア) 乙第4号証について

乙第4号証は、6種のブルゾン(品番057749X21、057748X21、057747X21、057745X21、057746X21、057752X21)に関する、イベリス社からサムス株式会社への発注確認書である。この発注確認書の「ブランド」欄に「JOOLA2 SR05」の記載があり、被請求人はこの部分に矢印を書いているので、この記載をもって本件商標の使用と主張しているようであるが、これは単なる発注確認書の一つの欄に記載されたものにすぎず、これが商標として上記発注確認書に使用されているとは認められず、また、このような記載のみでは、実際に当該商品に「JOOLA2 SR05」が商標として使用されたか否かは全く不明である。

したがって、被請求人が主張するように、「本件商標を付す商品を現に発注」したということは、第4号証によっては立証されていない。

(イ) 乙第5号証について

乙第5号証にある広告は、「サンラリーグループ」を紹介する広告であり、このグループ会社の中に「ホワイトジョーラ株式会社」及び「イベリス社」があり、両会社の紹介部分の「ブランド」欄に「ホワイトジョーラ」及び「ジョーラ」という文字が小さく記載されており、被請求人はこの部分に赤線と矢印を書き、また、中央やや右にある「WHITE JOOLA」の記載部分にも矢印を書いている。

しかし、単にサンラリーグループ及びこれに属する各社の概要を紹介するだけの広告にすぎず、商品との関係が具体的に認識できるものではない。特に、ホワイトジョーラ株式会社のブランド欄にある「ホワイトジョーラ」の記載、イベリス社のブランド欄にある「ジョーラ」の記載については、会社の概要と共にブランドとされる名称が列記されているだけであって、自他商品識別標識である商標としての機能を果たすような態様での使用とは到底認められない。

(ウ) 乙第6号証について

乙第6号証は、「ポストカード」と説明されているが、答弁書副本に添付されているのはコピーと思われるものであって、このようなポストカードが存在したこと、印刷数、印刷年月日、配布数、配布対象者、配布年月日などの詳細について一切説明されておらず、また、このコピーに記載された展示会が開催された事実、その展示会において本件商標が使用された事実などについて、一切の説明がされてない以上、乙第6号証によって、本件商標の使用が立証されているとは考えられない。

(エ) 乙第7号証について

乙第7号証は、サンラリーグループの会社案内であって、雇用制度などの説明がされているが、商品についての説明は一切なく、また、本件商標は最終ページのイベリス社の概要説明をする小さな欄に、「商標」として記載されているだけであって、同社の所有する商標を紹介していると認識されるだけで、自他商品識別機能という商標の機能を発揮させるような態様の使用とは認められないので、本件商標の使用には該当しない。

(オ) 乙第8号証ないし乙第13号証について

乙第8号証は「岐阜婦人子供服工業組合の証明書」、乙第9号証は「株式会社伊勢丹立川店の証明書」、乙第10号証は「株式会社サミット・コルモの証明書」、乙第11号証は「株式会社長崎屋の証明書」、乙第12号証は「株式会社東武ストアの証明書」及び乙第13号証は「株式会社ユーストアの証明書」である。

これらの証明書を見ると、定型的な文章により、イベリス社が取引先に捺印を貰い証明してもらう形式になっており、また、いずれの証明書においても商標の使用開始年月日若しくは商品納入日が「平成13年11月25日」となっているが、このようにすべての取引が同日に行われたとするのは不自然であることから、上記各証明書は、各取引先が証明書の内容にある事実関係を確認した上で主体的に証明したものとは認められない。

(カ) 乙第14号証ないし乙第16号証の3について

まず、乙第14号証及び乙第15号証にある写真について、撮影年月日及び撮影場所についての説明がされていないので、証拠として成立し得ない。

乙第14号証及び乙第15号証には、女性用のハーフコートのような商品、下げ札などを撮影した写真があるが、ここに撮影された商品と下げ札の関係が不明である。そうすると、この商品と乙第16号証の1ないし乙第16号証の3の納品書に記載された商品が同一のものであるとはいえない。

したがって、乙第14号証ないし乙第16号証の3によって、本件商標の使用が立証されたとはいえない。

(キ) 乙第17号証及び乙第18号証について

まず、乙第17号証にある写真について、撮影年月日及び撮影場所についての説明がされていないので、証拠として成立し得ない。

乙第17号証には、女性用のジャケットのような商品、下げ札などを撮影した写真があるが、ここに撮影された商品と下げ札の関係が不明である。したがって、この商品と乙第18号証の納品書に記載された商品が同一のものであるとはいえない。

(2) 以上のように、被請求人の提出する証拠によっては、いずれの指定商品についても、本件商標の使用を立証できていない。したがって、本件登録は取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第18号証(枝番を含む。)を提出した。

1.答弁の理由

(1) 被請求人は、平成15年3月17日に譲渡による商標権移転登録申請書を提出し、本件商標の権利者となったものである(乙第1号証)。

(2) 被請求人は、本件商標の譲渡を受ける以前から、伊藤忠商事株式会社(以下「前権利者」という。)から通常使用権の設定を受けていたものであり、被請求人のグループ会社であるイベリス社についても再許諾を受けていた(乙第2号証の1及び2、乙第3号証)。

(3) イベリス社は、乙第4号証に示すように、本件商標を付す商品を現に発注し、乙第5号証ないし乙第7号証に示すように、新聞広告、展示会のポストカードの発送、会社案内への表示を行っている。

このように、イベリス社が本件商標を使用していることは、岐阜婦人子供服工業組合の証明書(乙第8号証)、株式会社伊勢丹立川店の証明書(乙第9号証)、株式会社サミット・コルモの証明書(乙第10号証)、株式会社長崎屋の証明書(乙第11号証)、株式会社東武ストアの証明書(乙第12号証)及び株式会社ユーストアの証明書(乙第13号証)の各証明書によっても明らかである。

(4) 実際に商品に使用している証拠として、商品の写真(品番05−7812−000)(乙第14号証)、商品の写真(品番05−7813−000)(乙第15号証)及び納品書(乙第16号証の1ないし3)の証拠を提出する。

乙第14号証及び乙第15号証は、被請求人の代理人が撮影したものであり、写真の品番が納品書では、それぞれ「57812−T、57813−T」となっているが、これは品番05−7812−000、05−7813−000を省略して表示したものである。

(5) 以上のように、本件商標は、被請求人のグループ会社で通常使用権者であるイベリス社が、通常使用権者の段階から使用しているものである。

第4 当審の判断

本件審判請求は、商標法第50条第1項の規定により、商標の構成を二段併記した「JOOLA」の欧文字と「ジョーラ」の片仮名文字とする本件商標の登録について、その取り消しを求めるものであって、その請求登録時(平成15年2月19日)の指定商品は「被服、布製身回品、寝具類」とするものであること上記のとおりである。

そして、前権利者(伊藤忠商事株式会社)からサンラリー株式会社に本件商標の当該商標権が譲渡され、その商標権移転登録申請(甲第1号証)の登録が平成15年4月1日にされて、現在の商標権者は「サンラリー株式会社」(以下「サンラリー社」という。)であって、被請求人の立場にある。

そこで、被請求人が本件商標をその指定商品について所定の時期において通常使用権者が使用していた事実を証明するものとして提出した証拠(乙第2号証ないし乙第18号証)を検討する。

1.通常使用権者について

乙第2号証の1及び2として提出された商標使用許諾契約書は、前権利者とサンラリー社との本件商標にかかる使用許諾を内容とするものであって、乙第3号証は、その通常使用権についてサンラリー社がイベリス社に対しその使用を再許諾すること承諾した前権利者の作成にかかる平成13(2001)年11月20日付商標使用許諾契約書とするものである。

そうすると、イベリス社は、少なくとも本件審判請求登録日(平成15(2003)年2月19日)前3年以内の平成13(2001)年11月20日から、通常使用権者であったことが認められる。

2.使用の事実について

(1) 被請求人が使用の事実を証明するものとして提出した、発注書、新聞広告、ポストカード及び会社案内(乙第4号証ないし乙第7号証)からは、次の事実が認められる。

(ア) 乙第4号証として提出された発注確認書は、イベリス社からサムス株式会社との6種のブルゾン(品番057749X21、057748X21、057747X21、057745X21、057746X21、057752X21)に関する取引書類といえるものであって、各発注確認書NO.2 附属明細(作成日 2001(平成13)年12月12日、2002(平成14)年1月24日)のブランド欄に「JOOLA2 SR05」の記載のあること。

(イ) 乙第5号証として提出された2001(平成13)年11月30日付日本繊維新聞(4頁【全面広告】)は、サンラリー社とその関連企業(以下「サンラリーグループ」という。)を紹介する広告であり、その広告掲載内容からして、サンラリーグループはアパレル関連メーカーと認められ、その中に通常使用権者である「イベリス社」が紹介されており、その設立は平成13(2001)年11月6日とし、アイテム欄に「ミセス、ハイミセスのブラウス ジャケット」及びブランド欄に「イベリス、モアイベリス、ジョーラ」の記載、また、前出のサムス株式会社もサンラリーグループ会社であり、「・・・貿易部門、工場部門、物流部門に社業は渡り・・・」の記載があること。

(ウ) 乙第6号証として提出された展示会のポストカードは、2002(平成14)年9月4日及び5日に東京で、また、同年9月11日ないし13日に岐阜においての展示会開催の案内であり、「イベリス社」の記載とともにその上段にブランド名と理解される「JOOLA」ほか、「IBERIS(イベリス)、Moreiberis(モアイベリス)」等の記載があること。

(エ) 乙第7号証として提出されたサンラリーグループの会社案内は、グループの仕事・目標などを主として説明されてはいるが、前出(イ)と同様に、サンラリーグループはアパレル関連メーカーであること、及び各グループ会社の概要説明ほか、最終ページのイベリス社の概要説明をする箇所に「商標」として「イベリス・モアイベリス・ジョーラ」の記載があること。

以上の(ア)ないし(エ)の記載事実よりして、通常使用権者である「イベリス社」は、平成13(2001)年11月6日に設立されサンラリーグループ内の企業として、発注確認書の各日付、サンラリーグループを紹介する新聞広告の掲載日、及び展示会開催日からして、本件審判請求登録日(平成15(2003)年2月19日)前3年以内において、その取り扱う商品(婦人用ジャケット等)に本件商標と社会通念上同一と認められる「JOOLA(ジョーラ)」商標の使用を意図していた状況、及び使用していた蓋然性が高いというべきである。

(2) 被請求人が実際に使用している事実を証明するものとして提出した、商品の写真及び納品書(乙第14号証ないし乙第16号証の3)からは、次の事実が認められる。

(ア) 乙第14号証及び乙第15号証として提出された写真及び下げ札は、それぞれ4葉の写真と下げ札の現物であって、写真1葉目は婦人用ジャケットと推認し得る全体を、同じく2葉目はそのジャケット襟部に縫いつけた「joola 2」と「collection」の文字を表示した織りネーム部を、同じく3葉目はそのジャケット袖部に吊り下げた「joola 2」と「collection」の文字を表示した下げ札を、及び同じく4葉目は、乙第14号証が「品番 05-7812-000」、乙第15号証が「品番 05-7813-000」の品番表示ほか、「サイズ バスト 79〜87/身長 154〜162」等の表示がある下げ札の裏面をそれぞれ写したものと認められるものである。

そして、乙第14号証及び乙第15号証の3頁目には、上記写真3葉目と同じく4葉目に写された下げ札の現物であり、これには上記表示のほか「イベリス社」の記載も認められる。

(イ) 乙第16号証の1ないし3として提出された納品書(控)は、品名・規格の欄に「57812-T」又は「57813-T」、社名の欄に「ユニーKK.」、取引先名の欄に「サンラリーG イベリスK.K」、発注日の欄に「02 11 19 」及び納品日の欄に「02 11 21」の各記載が認められる。

以上の(ア)及び(イ)の記載事実よりして、写真に写された婦人用ジャケット及び下げ札に使用された商標は、「joola 2」の文字を表示してなるが、「2」の部分は、商品の品番又は符合と理解され、その要部は「joola」の文字部分にあるというのが相当であるから、商標の構成を二段併記した「JOOLA」の欧文字と「ジョーラ」の片仮名文字とする本件商標とは、称呼、欧文字部分の大小文字の差があるとはいえ綴りを同じくし、かつ、「JOOLA(ジョーラ)」及び「joola」の各文字は一般に親しまれた意味合いを想起できるものでなく観念上の相違も認められないから、本件商標と社会通念上同一の商標というべきである。

そして、写真の商品(婦人用ジャケット)は、その品番を「05-7812-000」又は「05-7813-000」とし、納品書(控)の品名・規格の欄には「57812-T」又は「57813-T」と記載してなるが、被請求人が述べる「写真の品番が納品書では、それぞれ『57812-T、57813-T』となっているが、これは品番『05-7812-000、5-7813-000』を省略して表示したものである。」との主張は、それぞれに記載の「57812」又は「57813」の5桁の数字において整合性があり、これより両者の商品は同一であるとみて差し支えなく、これを否定する程の商取引上の不自然さがあるといえないから、その主張は採用できる。

さらに、取引先名の欄の「サンラリーG イベリスK.K」は、通常使用権者である「イベリス社」を、社名の欄の「ユニーKK.」は、前出サンラリーグループの会社案内(乙第7号証)の14頁にある主要販売先「ユニー株式会社」を表示したものと認められ、両者の間で本件審判請求登録日(平成15(2003)年2月19日)前3年以内である2002(平成13)年11月19日を発注日、及び同年11月21日を納品日とした商品(婦人用ジャケット)の取引が行われたものといえる。

3.結語

以上の1.及び2.を総合して判断すれば、通常使用権者である「イベリス社」が本件商標と社会通念上同一と認められる商標をその指定商品中の「婦人用ジャケット」に使用していること、また、この使用時期が本件審判請求の登録前3年以内であって、かつ、日本国内においての使用と認め得るものである。

してみると、「岐阜婦人子供服工業組合の証明書」、「株式会社伊勢丹立川店の証明書」、「株式会社サミット・コルモの証明書」、「株式会社長崎屋の証明書」、「株式会社東武ストアの証明書」及び「株式会社ユーストアの証明書」(乙第8号証ないし乙第13号証)の各証明書について、被請求人に求釈明を、また、参考として提出された商品の写真及び納品書(乙第17号証、乙第18号証)について判断するまでもなく、被請求人において、本件審判の取消請求に係る指定商品に登録商標を使用していたことを立証し得たものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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