Trademark Appeal Case
品質表示と記号の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−5570(T2002−5570/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Crystal−G」と「クリスタルジー」の文字を上下二段に横書きしてなり、願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成13年3月9日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同14年7月1日付け手続補正書をもって、第14類「時計(時計のガラスぶたを除く)」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『Crystal―G』『クリスタルジー』の文字よりなるが、このうち『Crystal』『クリスタル』は、その指定商品との関連からみて、『水晶』を英文字とカタカナ文字で表したものと容易に看取させるものであり、『G』『ジー』の文字は、アルファベットの1字『G』とこれの読みをカタカナ文字で表したものと把握されるものであるが、『Crystal』『クリスタル』は、涼しげな風合いを有することから、ネックレス,指輪,ブローチ等の装飾品にも用いられていることから、この種業界においては商品が『クリスタル』あるいは『クリスタル製』であることを表したものと容易に看取させるものであり、また、『G』の文字は、各種商品を取り扱う業界においては、自己の生産または販売する商品が多種多様であることから、アルファベットの1字あるいは2字を商品の品番、型式、製造年、製造者等を表示するための記号、符号の類型の一つとして、ふつうに採択使用しているというのが実状である。してみれば、本願商標を構成する文字全体として、他に格別の意味合いをも想起できないことから、このような文字より構成される本願商標をその指定商品中、例えば『水晶』『時計のガラスぶた』等に使用しても、需要者は、単に上記意味合いにおける該商品の品質、種類等を示したものであると理解するにとどまり、何人かの業務にかかる商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標の欧文字部分は、前記のとおり、「Crystal」の文字と「G」の文字とをハイフンを介して結合してなることから、両文字部分が視覚上分離して看取されるばかりでなく、両文字部分が常に一体不可分にのみ認識されるべき格別の理由も見出し難く、その下段に書した「クリスタルジー」文字は、上段の「Crystal―G」の通常の呼び方を片仮名で表示したものと理解するにすぎない。
そして、本願商標の前半の「Crystal」「クリスタル」の文字部分は、特に本願指定商品「時計」との関係では、「クリスタルガラス」を指称するもので、その指定商品の関係からすると、例えば「クリスタルガラスをガラスぶたに用いた時計」の如く、商品の品質、材質を表示するものである。
また、「crystal」「クリスタル」の文字が、本願指定商品「時計」を取り扱う業界において、「クリスタルガラス」を指称するものとして取引上普通に使用されている実情としては、例えば、以下のものがある。
(1)「クリスタル【crystal】」の見出しのもと、「クリスタル−ガラスの略。」と記載している(広辞苑第5版 岩波書店発行)。
(2)「Crystal 結晶」の見出しのもと、「業界にてはビーズその他の水晶加工品,カットグラス製品及び時計ガラスを共にクリスタルと呼ぶ。」と記載している(新宝石事典 株式会社風間書房発行)。
(3)「クリストル(crystal)」の見出しのもと、「結晶のこと。ダイアモンドや水晶。ガラスのこともクリスタルと称すことがある。」と記載している(時計事典 精密工業新聞社発行)。
他方、本願商標の後半の「G」の文字部分は、機械産業をはじめ各種産業分野に携わる事業者それぞれが、自己の製造、販売に係る同種製品について、アルファベットの1文字ないし2文字を商品の規格あるいは型式などを表すための記号、符号として取引上普通に使用しているのが実情であるから、本願商標がその指定商品について使用された場合、取引者、需要者は、当該文字部分を商品の記号、符号の類型の一つとして認識するに止まるものというのが相当である。
以上よりすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単にその商品が「クリスタルガラス製の時計ガラスを用いた時計」であると認識し、商品の品質、原材料を表示したものと理解されるに止まるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものといわなければならない。
また、本願商標を前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
なお、請求人は、前記1のとおり本願指定商品から「時計のガラスぶた」を除いているが、「時計のガラスぶた」は、「時計」の部品附属品に属するものであって、商品「時計」には、前記のように「クリスタルガラス製の時計ガラス」が普通に使用されている実情があるから、前記認定を覆すことはできない。
さらに、請求人は、「『G』の文字部分は、請求人の時計のシリーズを表すものである」旨主張しているが、確かに請求人に係る商標「G−SHOCK」及び「BABY−G」がある程度周知であることは認め得るとしても、「G」の文字部分のみをもって、これに接する取引者、需要者が、請求人に係るシリーズ商標として認識されているものとは認め得ず、また、その証左も見出せない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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