Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−3132(T2002−3132/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「上海ドラゴン」の文字(標準文字)を書してなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成12年8月31日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3118661号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ドラゴン」の文字を書してなり、平成4年8月17日に登録出願、第42類「ステーキ料理の提供」を指定役務として、平成8年1月31日に設定登録されたものである。
同じく、登録第3130038号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「中華料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成8年3月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「上海ドラゴン」の文字よりなるものであるところ、前半の「上海」の文字と後半の「ドラゴン」の文字とは外観上一体的に構成されているとはいえ、その構成文字全体をもって特定の意味合いを有する一連の語句として一般に親しまれているとみるべき格別の事情は見出せない。
そして、構成前半の「上海」の文字部分は、中国華東地区北部の中央直轄都市を表す都市名として、また、同後半の「ドラゴン」の文字部分は「翼と爪を持ち火を吐くという伝説の龍」を表すものとしてそれぞれ容易に認識される語であるところ、都市名は一般に役務の提供の場所を表すものとして随時採択使用されているものであって、自他役務の識別力が無いか又は極めて弱いことに加えて、本願指定役務との関係でみると、例えば中華料理の分野においては、上海固有の食材や味付けを主とした「上海料理」と称される中華料理があり、また、それらの飲食物を提供する飲食店等が「上海料理店」として我が国において親しまれている実情があることを考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「上海」の文字部分を単に役務の質・特性を表したものと認識して、それに続く「ドラゴン」の文字に自他役務の識別標識としての機能を見出し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないと認められる。
そうとすると、本願商標からは、その構成文字の全体に相応した「シャンハイドラゴン」の一連の称呼を生ずるほか、「ドラゴン」の文字部分に相応して「ドラゴン」の称呼をも生じ、仮想動物の「ドラゴン」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用商標1は、「ドラゴン」の文字を書してなるものであるから、該構成文字に相応して「ドラゴン」の称呼を生じ、仮想動物の「ドラゴン」の観念を生ずるものである。
また、引用商標2は、別掲のとおり、中国料理,昇龍庁,及びドラゴンの各文字をそれぞれ異なる大きさの文字で三段に書してなるものを、濃淡の差を有する二重の実線で描かれた多角形の輪郭の中に配してなるところ、これらは図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情を認め得ないこと、及び図形部分は特段の語義を有するとも理解し難い幾何図形であることから、文字部分がそれ自体独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
しかして、該文字部分において、上段の「中国料理」の文字は、本願指定役務との関係では役務の質を表示する語というべきであるから、引用商標2に接する取引者、需要者は、構成中の「昇龍庁」及び「ドラゴン」の文字部分に自他役務の識別標識としての機能を見いだすものと認められるところ、両者は漢字と片仮名文字という文字の種類及び大きさを異にして書されていることから、視覚上分離して把握されるのみならず、語議上も常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の事情も見いだせないものであるから、それぞれの文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。そして、「ドラゴン」の文字は構成全体からみればその占める割合は大きいとはいえないが、全体に占める割合が小さいからといってこれが看過されることはなく、むしろ中央に書された「昇龍庁」の文字とも相俟って、看者に「龍」の観念を強く印象づけることから、引用商標2に接する取引者、需要者は親しみやすく覚えやすい「ドラゴン」の文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものと認められる。
そうとすると、引用商標2もまた、構成中の「ドラゴン」の文字に相応して、「ドラゴン」の称呼及び仮想動物の「ドラゴン」の観念を生ずるものというべきである。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、外観上相違する点を考慮してもなお、「ドラゴン」の称呼及び観念を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定役務は、引用各商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、結局、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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