Trademark Appeal Case
茶香炉の普通名称性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−15829(T2002−15829/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「茶香炉」の文字を書してなり、第21類「陶磁器製の香炉,その他の香炉」を指定商品とし、平成13年3月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『お茶の葉を焙じながら香りを楽しむ香炉』の意味を認識させる『茶香炉』の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないから、これを本願指定商品に使用するときは、該商品が上記意味合いを表すものであるから、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「茶香炉」の文字を書してなるところ、その構成前半の「茶」の文字部分は、「飲料であるお茶、お茶の葉」を想起させ、また、後半の「香炉」の文字部分は、「香をたくのに用いる器」を意味し、本願商標の指定商品であり、商品の普通名称と認められるものである。
そして、これらの語を結合した「茶香炉」の語が、本願指定商品を取り扱う業界において、「茶葉を用いる香炉」を指称するものとして使用されている実情としては、例えば、以下のような記載が書籍、新聞等に認められる。
(1)「やきものの事典」(成美堂出版 2004年3月20日 成美堂出版 発行)の「全国やきものめぐり13 越前焼き」の項に、「人気の茶香炉」との見出のもと、「アロマテラピーグッズとして今、若い人にも受けている
茶香炉
。上のお皿にお茶を置いて下から蝋燭などの熱であぶり、お茶の香りを楽しむ。お茶さえあれば手軽に出来るのがミソ。また明かりとしても楽しめる。」(132頁)との記述がある。
(2)「アリタインターナショナル、海外で陶磁器拡販−比と仏に新販路」の見出しのもと、「【佐賀】アリタインターナショナルはフィリピンとフランスに陶磁器の新たな販路を築いた。フィリピンへは佐賀県有田地区の約20の窯元の製品を輸出する。フィリピンでの販売は初めて。フランスからは
茶香炉
(写真)を1000セット受注した。両国とも11月には商品が店頭に並ぶ見込み。(中略)
茶香炉
は茶葉をろうそくの火で温めて香りを楽しむ商品。佐賀県の特産品の嬉野茶とセットで販売する。
茶香炉
は01年10月にパリ市で行われたお茶に関する展示会に出品していた。」との記載がある(2002年10月22日 日刊工業新聞 23頁)。
(3)「『
茶香炉
』懐かしさかおる 葉あぶり“和のアロマテラピー” 女性中心に人気」の見出しのもと、「お茶の葉の香りを楽しむ『
茶香炉
』の人気が高まっている。陶製の香炉で茶葉を焚(た)く仕組みで、どこか懐かしいお茶屋さんの店先の香りがする。花や香草から抽出した香りを楽しむ西洋風のアロマテラピー(芳香療法)の流行も続いているが、香りの領域でも“和への回帰”があるのかもしれない。横浜高島屋・和食器売り場の『たち吉』コーナーでは、昨年夏から
茶香炉
を店頭に並べているが、これまで二千個を超える売り上げで、生産が追いつかないという。」との記載がある(2001年9月20日 読売新聞 東京朝刊 27頁)。
(4)「[洛楽]春です、お部屋の模様替えしませんか その1 洋間に和風合わせる /京都」の見出しのもと、「大丸京都店でも和テイストの商品が好調。上記のアイテムのほか、昨年秋からは陶芸作品を思わせる器に、ユキワリソウやレンギョウなどを植えた和風の観葉植物セットを発売、引っ越し祝いなどに好評だ。また、器に入れたお茶を熱し、お茶の香りをかもし出す『
茶香炉
』も、アロマテラピーの流行に乗って人気商品となっている。」との記載がある(2001年3月17日 毎日新聞 地方版/京都 24頁)。
(5)「[くらし発見]精油(その2止) グッズ人気、医療でも効果」の見出しのもと、「精油の香りになじめない人には、『
茶香炉
』がお勧めだ。小さな香炉の受け皿部分にほうじ茶や緑茶の葉を載せ、下に置いた小さなロウソクで温めると、お茶屋さんの店先のような香りが漂う。魚や肉を焼いた後の部屋の消臭にも役立つ。」との記載がある(2002年5月29日 毎日新聞 東京朝刊 12頁)。
(6)「古いお茶の活用法(ちょっとヒント!)【西部】」の見出しのもと、「最近は、お茶の葉を香のようにたいて楽しむ専用の道具、『
茶香炉
』も市販されている。嬉野町の温泉街では、お茶を布袋に詰めて目にあてる『アイピロー』が土産品として売られている。香りがよく、リラックスの効果があるそうだ。」との記載がある(2002年5月24日 朝日新聞 西部朝刊 23頁)。
(7)「心安らぐ香でひと夏すごす(声) 【大阪】」の見出しのもと、「夫の教え子で、京都・山城でお茶屋さんを営む方から
茶香炉
を送っていただいた。香をたく容器は一見御影石のようなものでできており、受け皿と茶の葉をのせるくぼみがある丸い炉で、おわんを伏せたような形をしている。私たちにとっては初めて見る珍しい贈り物だ。お茶の葉がいぶされてくると、何とも言えない香ばしい香りが漂い、身も心もしんからいやされる思いだ。以前、娘からハーブの室内香をもらったが、これはまた、可愛い猫が香をくわえる形で、いかにも西洋的で優しい香であった。
茶香炉
は日本的で、いろいろなハーブのものとは違って親しみがある。今夏は、雨が少なく、蒸し暑い日が多く、体も神経もぐったりとまいりそうだったが、
茶香炉
の香りがそんな疲れを取り除き、リフレッシュしたさわやかな気分に誘ってくれて大助かりだった。生活の中に心安らぐ香りがあるということはいいものである。」との記載がある(2000年9月13日 朝日新聞 大阪朝刊 32頁)。
(8)「[いらっしゃい]日本茶販売・春木屋オリオン店 /山梨】」の見出しのもと、「古くなったせん茶をアロマテラピーに利用する
茶香炉
(2200円)が人気。2月ごろから扱い始め、口コミで広まって品薄気味になり、3カ月待ちということもあった。武藤さんは『香りを楽しんだ後は、ほどよく焦げたほうじ茶も楽しめて一石二鳥』とPR。」との記載がある(1999年8月13日 毎日新聞 地方版/山梨)。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「茶葉を用いる香炉」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、「本願商標は、請求人が選定した商標であり、請求人自らが創作した商品に対して命名したものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものでない。」旨主張し、証拠書類として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。これらよりは、「茶葉を用いる香炉」に関して請求人が考案し各種表彰等を受賞していること、また、請求人により「茶香炉」の商品名による商品についてある程度の販売がなされていることが認められる。しかしながら、本願商標は、前記のとおり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、また、その判断基準時は、審決時であるから、本願商標の表示が請求人の創作、または、先使用であることをもって同号に該当しないということはできない。
また、相当数に上る事業者が「茶香炉」の文字よりなる標章を当該「茶葉を用いる香炉」に使用している状況は、本願商標について商標法第3条第2項適用を妨げる直接要因というべきであるから、その主張についても妥当でなく、採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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