結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30373(T2003−30373/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4115711号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年4月22日に登録出願され、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,入浴施設の提供」を指定役務として、同10年2月20日に設定登録され、その後、商標登録の取消の審判(同15年8月13日予告登録)により、その指定役務中「宿泊施設の提供」について取り消すべき旨の審決がされ、その確定審決の登録が同16年2月2日にされているものである。
本件審判については、同15年4月23日に予告登録がされている。
請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出している。
本件商標は、商標権者である被請求人若しくは使用権者によって、その登録に係る指定役務について、少なくとも継続して過去3年以上にわたり使用されている事実を発見することができなかった。
また、添付した登録原簿によれば、使用権の設定登録もなされていない。 よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消を免れることができないものである。
被請求人は、「本件審判は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出している。
(1)被請求人は、「製薬瓶、化粧瓶並びにガラス食器類の加工販売」を目的として設立され、その後、「宅地建物取引業及び不動産管理業」を営みつつ、昭和54年1月10日現商号に変更し、平成9年に「旅行業、ホテル業、旅館業、その他」の目的を加え現在に至っている(乙第1号証)。
平成8年には、不動産業と宿泊業・観光産業を関連させたホームページ(乙第2号証)の運営を開始し、「CONTENTS」の一つの「バックパッカーズのための宿 DOMITORY B&B」をクリックすると、「日本の格安宿泊施設・訪日外国人御用達ホテル」(8軒)が映像面に表示される構成になっていた。
その他、トップページには、「BACKPACKERSは、有限会社グッパーの登録商標および商標です。」が映像面に表示されるプログラムになっていた。
被請求人は、ホームページを平成10年2月27日に、新しいアドレスに変更して更新を行った(乙第4号証)。その後、何回かの更新を行ったが、同13年8月28日に更新を行い現在に至っている(乙第5号証)。
(2)使用の実際について
(ア)ホームページ(乙第5号証)を開くと、トップページには、本件商標と社会通念上同一と認められる「BACKPACKERS」の標章及び「BACKPACKERS」が日本で登録された商標であることが映像面に表示され、さらに次ページ(乙第5−1号証)を開くと、前記と同様の商標と、「BACKPACKERS(R)は、GOOD−PAR CO.,LTD.の登録商標です。」との記述の間に「CONTENTS」が映像面に表示されるプログラムになっている。
なお、「CONTENTS」中の「BACKPAKERS BBS」は、電子掲示板で、現在も公開中であり、「BACKPAKERS BBS」と、「BACKPACKERSは当社の登録商標です。」との記述の間に、16件のメッセージが映像面に表示されるプログラムになっている(乙第5−2号証)。
電子掲示板のメッセージのうち、14番目(2002年3月2日)の書き込み「Re:東京にある安宿を知りませんか?」をクリックすると、本件商標「BACKPAKERS」と、「BACKPACKERSは当社の登録商標です。」との記述の間に、「小金井にアップルズハウスというのがあります。後有名なのはホテルニュー紅葉」という、アラジンさんの書き込みが映像面に表示され(乙第5−3号証)、本件商標が「宿泊施設の提供の取次ぎ」の役務の提供に使用されている。
(イ)同じく、電子掲示板のメッセージ15番目(2002年5月23日)の「Re:東京にある安宿を知りませんか?」をクリックすると、アラジンさんの書き込みに加えて、「アップルハウスはいくらですか?ニュー紅葉の近くは、安いホテルがいっぱいありますよ!!アップルハウスは、外国人泊まれます?」という第三者の書き込みが映像面に表示され(乙第5−4号証)、すなわち、(ア)と同様に、本件商標が「宿泊施設の提供の取次ぎ」の役務の提供に使用されている。
(ウ)乙第5号証のホームページに関する「wwwアクセス解析」(乙第8号証)によれば、2001年12月1日から2002年2月28日までの3か月の解析範囲において、被請求人のホームページに関するアクセスが詳細に解析されている。
(エ)被請求人は、「東京ドミトリーTORNADO」(墨田区石原4−25−5)から、「宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」の依頼を受けている。これは被請求人が不動産業のほか、ホームページを開設していることから依頼されたもので、「東京ドミトリーTORNADO」の経営者との間で、1か月間の宿泊の媒介又は取次ぎの場合に25000円の手数料を受ける契約になっている(乙第9号証)。もちろん、短期の宿泊の媒介又は取次ぎについても依頼を受けている。
(3)まとめ
以上のように、被請求人は、平成8年から本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、映像面を介した指定役務の提供に当たり、その映像面に表示して役務及び広告を提供しており、さらに、単なる情報サービスではなく、指定役務中の宿泊施設の提供、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎをビジネスとして立ち上げるべく、ホームページにおいて、登録商標であることを多々明記して使用しており、商標法第50条に該当するものではない。
被請求人は、平成8年に不動産業と宿泊業・観光産業を関連させたホームページ(乙第2号証)の運営を開始し、同10年2月27日に新しいアドレスに変更してホームページを更新し(乙第4号証)、その後何回かの更新を行い現在のホームページ(乙第5号証)に至っている旨述べ、次いで、本件商標は「宿泊施設の提供の取次ぎ」の役務に使用されている(乙第5−2号
証ないし同第5−4号証)、また、「東京ドミトリーTORNADO」(墨田区石原4−25−5)から、「宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」の依頼を受け、該施設の経営者との間で、1か月間の宿泊の媒介又は取次ぎの場合に25000円の手数料を受ける契約になっている(乙第9号証)、短期の宿泊の媒介又は取次ぎについても依頼を受けている旨主張する。
被請求人の述べるところによれば、乙第2号証のホームページは、本件審判の予告登録(平成15年4月23日)前3年前に、同第4号証のホームページに更新されていて、本件審判請求の登録前3年以内に該ホームページへのアクセスは不可能であったものと考えられるが、乙第2号証からは該期間内におけるアクセスが不可能であったか否か明らかでないので、開設時のホームページ(乙第2号証)及び現在のホームページ(乙第5号証(枝番を含む。以下同じ。))の内容について、併せて検討する。
乙第2号証及び同第5号証のホームページには、「ここでは、世界中のバックパッカー達の情報交換の場を提供していきます。」と記載されており、該ホームページがバックパッカーと称される旅行者に情報交換の場を提供することを目的として開設されているものと解することができる。
そして、被請求人のホームページの「CONTENTS」の「BACKPACKERS BBS」の欄には「旅先からのアクセスや情報交換にご活用ください。」と記載されていて(乙第5−1号証)、「BACKPACKERS BBS」は、該ホームページの「電子掲示板」にあたるものということができる。「BACKPACKERS BBS」(乙第5−2号証ないし同第5−4号証)をみると、「旅の情報掲示板インデックス」には16件のメッセージが登録されており(乙第5−2号証)、その中の14番目の「Re:東京にある安宿を知りませんか?」に、「小金井にアップルズハウスというのがあります。後有名なのはホテルニュー紅葉」と書き込みがされ(乙第5−3号証)、また15番目の「Re:東京にある安宿を知りませんか?」には、14番の書き込みに加えて「アップルハウスはいくらですか?ニュー紅葉の近くは、安いホテルがいっぱいありますよ!!アップルハウスは、外国人泊まれます?」という書き込みがされている(乙第5−4号証)。これらの書き込みの内容から明らかなように、「BACKPACKERS BBS」の掲載内容は、電子掲示板において宿泊に関する情報交換がされているというに止まるものである。
そうとすれば、乙第2号証及び同第5号証のホームページに本件商標と社会通念上同一と認められる「BACKPACKERS」の文字が表示されているとしても、「BACKPACKERS BBS」(乙第5−3号証及び同第5−4号証)は、被請求人が宿泊施設の提供の取次ぎの役務を行っている事実を証明するものではなく、他に、乙第2号証及び同第5号証には、被請求人が取消請求に係る指定役務の業務を行っている事実を示すものはない。
また、乙第9号証は、「賃貸仲介の皆様」と題された書類であり、「ドミトリー(外国式寮)のご案内」などと記載された内容と併せ考えると、これは、賃貸仲介業者にあてた部屋の賃貸に関する案内状あるいはちらしの類と認められるが、これには、本件商標と同一と認め得る商標や日付が記載されていないばかりでなく、被請求人の述べる該施設の経営者と被請求人間の契約内容なども明らかでない。
したがって、同号証は本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人が本件商標を「宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」の役務について使用していた事実を認めるに足りるものではない。
加えて、上記以外の乙各号証については、乙第1号証は、被請求人の「登記簿謄本」の「目的」欄に本件指定役務に関連する「旅行業、ホテル業、旅館業」が記載されていることを、乙第3号証は、「BACKPACKERS事業計画概要」が作成されたことを、乙第6号証は、被請求人のドメイン「BACKPACKERS.CO.JP」が登録されていることを、乙第7号証は、財団法人日本ユースホステル協会の担当者から「YH経営をお考えの方へ」と題する資料がファックスにより送信されたことを、乙第8号証は、被請求人のホームページ「WWW.BACKPACKERS.CO.JP」へのアクセス回数等が解説されていることをそれぞれ示しているに止まるものであるから、これら乙各号証は、本件商標が本件取消請求に係る指定役務について使用されている事実を示すものではない。
被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、映像面を介した指定役務の提供に当たり、その映像面に表示して役務及び広告を提供している旨も主張するが、被請求人のホームページには、本件取消請求に係る指定役務は何ら明示されていないこと上述のとおりであるから、被請求人のホームページに「BACCKPACKERS」が被請求人の登録商標である旨が記載されても、使用にかかる役務が具体的に認識し得ない以上、「BACCKPACKERS」商標が本件取消請求に係る指定役務について広告宣伝機能を果たすものではない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定役務について使用されていなかったものといわざるを得ない。
また、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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