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Trademark Appeal Case

品質表示の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−13803(T2001−13803/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Grand Concert」の欧文字を標準文字により表してなり、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品として、平成12年5月15日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、平成16年5月26日付け手続補正書により、第15類「調律機,楽器(「ピアノ・ハープ」を除く。),演奏補助品,音さ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『演奏会用の大型のグランドピアノ』の意味合を有する『concert grand』の文字を前後入れ替えた『Grand Concert』の文字を書してなるところ、これをその指定商品中『ピアノ』に使用するときは、『演奏会用の大型のグランドピアノ』を認識させるにすぎず、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人への審尋

当審において、平成16年3月31日付審尋書をもって通知した審尋の理由は、次のとおりである。

本願商標は、原審における認定を覆すことが出来ないとの心証にあるところ、請求人(出願人)は、審判請求書の請求理由において「本願商標が、その商品の取引業界において普通に使用されている事実も発見されない。」旨述べているが、この審判事件について、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実を発見した。

(1) インターネットのホームページ:URL:http://jubal.jp/「JUBAL Ltd.」と題するサイト中「The Grand Concert Organ at CUBE, Shiroishi, Japan」との記述がある。

(2) インターネットのホームページ:URL:http://www. nagae-g.co.jp/harp1.html「VenusHarps」と題するサイト中 「Aria(グランドコンサートモデル)登場!!」との記述がある。

(3) インターネットのホームページ:URL:http://www. musical.jp/harp/HARP/h1.htm「H1グランドハープ ペダルハープ」と題するサイト中「現代でも残ったオーケストラのメンバーで活躍できる唯一のハープが、このグランドハープです。コンサートで使われることからコンサートハープ、グランドコンサートハープなどの呼び方もあります。」との記述がある。

(4) インターネットのホームページ:URL:http://www.kokusaigakkisha.com/global_pages/piano.html「国際楽器社は創業以来これまでに数千台のピアノを納品。関西の有名ホールや学校他にも数多くの納入実績があります。」と題するサイト中「トップメーカー の青山ハープはグランドコンサートモデルから入門用のノンペダルタイプまであり、アフターも安心。」との記述がある。

(5) インターネットのホームページ:URL:http://www.tanapi.co.jp/shopping/kangakki/reeds/kre-01.htm「Ricoクラリネットリード」と題するサイト中「注文番号03928品名Grand Concert Select B♭クラリネットリードTraditional 2*注文番号03929品名Grand Concert Select B ♭クラリネットリードTraditional 2.1/2 *注文番号03930 品名Grand Concert Select B♭クラリネットリードTraditional 3」との記述がある。

(6)インターネットのホームページ:URL http://www3.osk.3web.ne.jp/~ymonet/gyume.html「これらの弦楽器について」と題するサイト中「0 KAWAI Crystal Grand Concert Piano」との記述がある。

4 請求人の回答(要旨)

上記3の審尋に対して、請求人は、次のように回答を述べている。

(1)本願商標は商標法第4条第1項第16号はもとより、第3条第1項第3号にも該当するものではないと確信するものであるが、本願指定商品中「ピアノ,ハープ」について、本書と同日付で提出した手続補正書にて削除した。この補正によって、本願商標は拒絶審決されるべき理由がない。

(2)原審拒絶理由通知では、「本願商標をその指定商品中『ピアノ』に使用するときは、『演奏会用の大型のグランドピアノ』を認識させるにすぎず、単に商品の品質、用途を表示するにすぎない。」とされていることから、審尋で挙げられた(1)〜(6)の各ホームページが原審認定の証拠というからには、「演奏会用の大型のグランドピアノ」の意味合いで、「Grand Concert」「グランドコンサート」の表示が使用されていてしかるべきである。

(3)本願商標である「Grand Concert」の語は、「壮大なコンサート、雄大なコンサート」との抽象的な観念を有するのみで、ある商品の品質・用途などを説明的・記述的に表示する語ではないし、この用語がある楽器の品質・用途を説明的・記述的に説明した用語であると認識できるような用いられ方はされていない。

5 当審の判断

本願商標は、前記したとおり、「Grand Concert」の欧文字を、標準文字により表してなるものであるところ、指定商品との関係からして、「Grand」及び「Concert」の各文字を結合したものと容易に理解されるところ、構成前半の「Grand」の文字は「規模の大きい,大合奏用の」の意味を表わす語として、また、「Concert」の文字は「音楽会,演奏会,コンサート」の意味を表す語として、一般に知られた平易な語と認められるものであるところ、かかる用語及び指定商品を考慮するときは、本願商標は「規模の大きいコンサート,壮大なコンサート」の意味合いの語として容易に理解するというのを相当とする。(「小学館ランダムハウス英和大辞典」1156頁及び568頁、1999年1月10日株式会社小学館発行に掲載)。

そして、「Grand Concert」「グランドコンサート」の語は、例えば上記3の審尋で挙げた(1)ないし(6)及び下記(ア)ないし(エ)のインターネット情報及び雑誌においてその使用の実情が是認できる。

(ア)インターネットのホームページ:URL:http://www.http://www.gakki.com/shopping/martin.html 「CF Martin Guitars」と題するサイト中「グランドコンサート/マホガニーボディ」との記述がある。

(イ)インターネットのホームページ:URL:http://www.http://acoustic-jp.com/www/lakewood/grandconcert.html「 LakewoodM -Seri es“グランド・コンサート”」と題するサイト中「グランド・コンサートあるいは"オーケストラ"スタイルのギターはドレッドノート・モデルよりもわずかに小さめのボディーと細い胴くびれを持っている。そのため、弾き心地は抜群に良く、外見はとても優美である。」との記述がある。

(ウ)「音楽の友」1991年12月1日231頁 (株)音楽之友社 発行 「門下生のチェリストたちが、師を偲ぶ」と題する見出しの下

「『齋藤秀雄先生を偲ぶチェロ・グランドコンサート』に集合した面々」との記述がある。

(エ)「with」1999年3月28日161頁 (株)講談社 発行

「MUSIC EVENT」と題する見出しの下

「東芝グランドコンサート‘99」との記述がある。 そうすると、音楽分野において、本願商標の表示がそれぞれ使用されている取引の実情に照らし、本願商標をその指定商品に使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、「規模の大きい(壮大な)コンサートに用いる商品,規模の大きい(壮大な)コンサートに適した商品」の意味合いの語として,商品の品質、用途を表示したと認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは理解しないものというべきである。かつ、これを上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって拒絶すべきものである。

なお、請求人は、本願指定商品中「ピアノ,ハープ」について、手続補正書にて削除したから、本願商標は拒絶審決されるべき理由がない旨述べているが、本願商標は、上記のとおり、その補正後の指定商品「調律機,楽器(「ピアノ,ハープ」を除く。),演奏補助品,音さ」との関係においても、商品の品質、用途を表示するものとみるのが相当である。

また、審尋で挙げた(1)〜(6)の各ホームページが原審認定の証拠というからには、「演奏会用の大型のグランドピアノ」の意味合いで、「Grand Concert」「グランドコンサート」の表示が使用されていてしかるべきである旨述べているが、原査定においては、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶したものであるが、上記のとおり、自他商品識別力の機能を果たさない商標であり、この認定において原査定と相違するものではない。

さらに、本願商標である「Grand Concert」の語は、「壮大なコンサート、雄大なコンサート」との抽象的な観念を有するのみで、ある商品の品質・用途などを説明的・記述的に表示する語ではないし、この用語がある楽器の品質・用途を説明的・記述的に説明した用語であると認識できるような用いられ方はされていない旨述べているが、商標の識別力についての判断は、商品に関する流通の実態等の取引の実情に基づき、当該商標が指定商品等に使用された場合、自他商品の識別標識としての機能を果たすか否かを認定、判断すべきものであるところ、本願商標については、前記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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