Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−1166(T2002−1166/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「スピードシャフト」の片仮名文字及び「SPEEDSHAFT」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第28類「運動用具」を指定商品として、平成12年11月22日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成13年11月7日付け手続補正書により、第28類「ゴルフクラブ,ゴルフクラブ用シャフト」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その指定商品『ゴルフ用具』との関係では『(ヘッドスピードの)速いシャフト』の意を指称する英語『スピードシャフト』及び『SPEEDSHAFT』の文字を併記して普通に用いられる方法で書してなるところ、インターネットによる宣伝・広告には、シャフト構造を改良しシャフトのたわみを速く元に戻すことにより、ヘッドスピードが速くなりロングドライブを可能にしたとの記載が多数見受けられるから、これをその指定商品中上記意に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
5 当審の判断
本願商標は、前記に示すとおり、「スピードシャフト」の片仮名文字及び「SPEEDSHAFT」の欧文字を書してなるところ、これを構成する前半の「SPEED」及びその表音を表す「スピード」の文字部分は、「速度を増す」(株式会社岩波書店 小学館発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」)を意味し、また、後半の「シャフト」の文字部分は、その指定商品との関係からすると「ゴルフのクラブの柄の部分」等を意味するものとして親しまれている外来語であるから、これらの文字を結合させた本願商標の全体からは「速度を増すシャフト」の如き意味合いを容易に看取し得るものと認められる。
そして、「スピード」の文字が「ゴルフクラブのヘッドスピードを高めるためにシャフトのしなりを用いて高められた構造」を表す語として取引上普通に使用されている実情としては、例えば、以下のような新聞記事がある。
(1)「シャフトがしなってヘッドスピードが加速するといい、ヘッドスピードが落ちた中高年に最適という。」(新素材ドライバー競演 2001.4.5 日本経済新聞朝刊 29頁)。
(2)「ミズノの『300s2380』は、ヘッドスピードを加速する独自のカーボン(炭素繊維)製シャフトを採用したのが特徴だ。」(「生活型録」ゴルフのドライバー 工夫重ね「より遠く」 航空・宇宙の素材活用 2003.1.21 読売新聞大阪夕刊 8頁)
(3)「振りやすさを追求したカーボンシャフトを装着し、シャフト中央部を重くした設計で、ヘッドスピードを加速させる。」(「ゴルフランド」でました!新製品 新開発シャフトのドライバー 2002.9.4 毎日新聞大阪夕刊 2頁)
(4)「弾力性のあるシャフトを装着してヘッドスピードが秒速40メートル以下の人でもスピードが加速され、飛距離が驚くほど伸びるという。」(「スポーツ新商品」インターネット販売クラブ 2000.11.30 共同通信)。
また、ゴルフクラブを取り扱う業界においては、そのシャフトに様々な素材、構造を用いて飛距離等を向上させることは普通におこなわれている実情にある。
以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、前記実情からしても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ヘッドスピードを増すシャフト,ヘッドスピードを増すシャフトを用いたゴルフクラブ」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質を表示し、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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