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第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「造語の識別力と称呼類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2002−21729(T2002−21729/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2002−21729(T2002−21729/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「トロリー」
争点(論点)
造語の識別力と称呼類似性
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2002−21729(T2002−21729/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「トロリー」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「造語の識別力と称呼類似性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、標準文字により「とろーり」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として平成13年8月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

本願商標は、『液体が濃く粘り気のあるさま。』の如き意味合いを表すものと容易に看取される『とろーり』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品中、該文字に照応する液状の商品、『濃く粘り気のある液状の薬剤』等に使用しても、単に商品の品質、形状を表示するにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

(2)商標法第4条第1項第11号に該当する。

本願商標は、以下にあげる登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。

(a)登録第2621265号商標(以下「引用商標1」という)は、「トロリー」の片仮名文字を横書きしてなり、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器及び手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として平成4年3月23日登録出願、同6年2月28日に設定登録され、その後商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(b)登録第4550694号商標(以下「引用商標2」という)は、「都路里」の漢字を横書きしてなり、第24類「織物」及び第25類「被服」を指定商品として、平成13年5月18日登録出願、同14年3月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

原査定は上記(1)、(2)の旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて

本願商標は、「とろーり」の文字を書してなるところ、該文字は、直ちに、原審説示の意味合いを認識させるものということはできないばかりでなく、当審において調査してみても、本願指定商品を取り扱う業界において、その商品の品質表示として普通に使用されている事実も見出せない。

そうすると、本願商標は、特定の意味を有さない一種の造語として、取引者、需要者に認識されると判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをそのいずれの指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものではなく、自他商品の識別機能を有するものであり、かつ、品質の誤認を生じさせるおそれがないものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて

本願商標は、前記のとおり「とろーり」の文字を書してなるから、該文字に相応して「トローリ」の称呼を生じるものである。

一方、引用商標1は、前記のとおり「トロリー」の文字を書してなるから、該文字に相応して「トロリー」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標2は、前記のとおり「都路里」の文字を書してなるから、該文字に相応して「トロリ」の称呼を生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「トローリ」と、引用商標1より生ずる「トロリー」及び引用商標2より生ずる「トロリ」とを比較すると、いずれも、「ト」、「ロ」、「リ」の各音を共通にしてはいるが、長音をともなう本願商標と引用商標1においては、それぞれ長音の前に位置する「ロ」と「リ」にそれぞれアクセントが置かれているものであり、また、引用商標2は、長音を有しないことから、各音が平坦に発音されるところに差異を有するものである。

そして、各称呼が4音以内という短い音構成であることよりすれば、前記差異が各称呼に及ぼす影響は決して小さいものとはいえないから、本願商標と各引用商標をそれぞれ一連に称呼するときは、各称呼は、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないと判断するのが相当である。

さらに、本願商標と各引用商標とは、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであり、また、本願商標と各引用商標は、格別の意味合いを看取し得ないから、観念上比較することはできない。

してみれば、本願商標と各引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれからしても類似しない商標と認められる。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

(3) 以上のように、原査定の示した前記2の本願の拒絶の理由は妥当なものとはいえず、その理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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