Trademark Appeal Case
記号と品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−2607(T2002−2607/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「I−Cu」の文字を横書きしてなり、第9類「半導体メッキに使用される銅陽極,電極,電解槽」を指定商品として、平成12年6月12日に登録出願されたものものである。
2 原査定の拒絶の理由
原審は、「本願商標は、取引上商品の記号・符合として一般に採択・使用されているローマ文字1字『I』と指定商品との関係から『銅』の意味合いを認識させるに止まる『Cu』の文字とを『−』で結合し、普通に用いられる方法で表示してなるものものであるから、これを指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることが認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」と認定、判断し本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記に示したとおり欧文字の「I」と「Cu」の文字とをハイフン(−)を介し前後に「I−Cu」と普通の態様で表してなるものであるところ、自己の製造、販売に係る各種製品について、その製品管理上又は取引上の便宜性から欧文字の1文字ないし2文字が商品の品番、規格等を表すための記号又は符号として商取引上類型的に使用されていることを考慮すれば、構成中の「I」は、商品の品番、規格等を表わした記号、符号の一類型というべきものである。
また、構成中の「Cu」は、「銅」の元素記号の他に「cubic(立方体の)」、「cumulative(累積的な)」等の略語でもあるが、これを本願の指定商品との関係からみるときは、「銅」を表すものとして容易に認識されるというべきものである。
そのうえ、インターネットのホームページ情報によれば、「Cu」の文字が、指定商品を取り扱う業界において、「銅」を表すものとして使用されている状況が、例えば以下のホームページ情報で窺える。
(1)「積層セラミックコンデンサの小型大容量化に挑む村田製作所高い信頼性と大容量の両立によって用途が広がる」のタイトルのもと、『内部電極の卑金属化を推進』の項目で、「村田製作所は1970年代半ばからNi(ニッケル)やCu(銅)などの卑金属の電極を開発し,置き換えを進めてきた。」の表示がある。(http://www.murata.co.jp/adinfor/support/sup3_ne.html )
(2)「製品案内」のタイトルのもと、『溶接分野とタングステン(W)/モリブデン(Mo)系電極の奨励材質』の表に、他の化学記号とともに「Cu」の記載が多数表示されている。(http://www.nittan.co.jp/goods/midasi/shousai/g_prd0401.htm )
(3)「電気化学セルの構成」のタイトルのもと「作用電極自身の電気化学特性を調べる目的として、例えば、腐食特性を調べるステンレス電極、電池用負極としての亜鉛電極などです。弊社の電極としては鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などがあります。」の表示がある。(http://www.basj.com/electrode/cell_const.htm )
してみれば、本願商標は、商品の品番、規格等を表示するための記号、符号として類型的に使用されている欧文字の1字と理解される「I」の文字と、指定商品との関係から商品の品質を表す「Cu」の文字とをハイフン(−)をもって、一連に「I−Cu」と書してなるものであり、これをその指定商品について使用した場合、これに接する需要者、取引者は、その構成全体より、これを一連の造語としてとらえるというよりは、むしろ、商品の品番、規格等を表示する記号・符号と品質を表示した文字を結合してなるものと認識するに止まるというべきものであり、何人かの業務に係る商品であるかを認識し得ないものというを相当とする。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は取り消すことはできない。
なお、請求人は欧文字とハイフン(−)からなる審決例をいくつかあげているが、それらの事例は商標の具体的構成及び指定商品において本願商標とは事案を異にするものであって、それら事例をもつて本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではないから、請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は、本願商標は、米国、欧州共同体で登録されていると主張しているが、本願商標は、我が国商標法のもとでその登録の可否が判断されるのであって、諸外国における登録例をもって、本願商標に関する自他商品識別性の判断結果に影響を与えるとはいえないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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