Trademark Appeal Case
著名商標の要部類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−9993(T2000−9993/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第26類「かつら用基布,かつらベース,増毛用毛髪,その他の頭飾品,編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,テープ,リボン,房類,ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,腕止め,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具,造花(「造花の花輪」を除く。),造花の花輪,漁網製作用杼,メリヤス機械用編針」を指定商品として、平成11年6月2日に登録出願され、その後、指定商品については、同12年10月23日付け手続補正書により、「かつら用基布,かつらベース,増毛用毛髪,その他の頭飾品」に補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、本願商標は、その構成中に、「雑誌」等に使用して本願商標出願前から著名となっている「ELLE」と酷似する「Elle」の文字を有してなるものであるから、出願人がこれをその指定商品について使用する場合は、恰もその商品が上記者の取り扱いに係るものであるかのごとく商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとして、商標法第4条第1項第15号に該当する旨認定、判断したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、片仮名文字部分「エル・レイ」は欧文字部分「Elle Lei」の発音「エルレイ」と一致するものであるから同欧文字部分の読みを併記したものと認識されること、欧文字部分における「Elle」の文字と「Lei」の文字との間には半文字程度の間隔を有すること、片仮名文字部分における「エル」の片仮名文字と「レイ」の片仮名文字との間には中点が配されていることの各事実が認められる。他方、「Elle Lei」及び「エル・レイ」の各文字について、我が国における指定商品を取り扱う分野において、いずれも特定の意味合いを有する熟語として広く知られているとか広く使用されている等の事実はなく、これらを常に一体不可分のものと認識するに足りる証拠はない。
原審が挙げる雑誌「ELLE」に関しては、例えば、1998年1月20日文化出版局発行第1版第18刷「服飾辞典」には「フランスを代表する女性向け週刊誌。・・・この雑誌は服の選び方、着こなしなどに独特のセンスをもっており、洋服のカラーは<エル・カラー>として日本の読者の間においてもその評価は高い。」と記載されるとともに、「フランスの女性雑誌『ELLE』によって生み出されたファッションということ。」として「エル・ファッション」の項が設けられていること、また、1998年5月3日株式会社同文書院発行第1版新訂第1刷「新・田中千代服飾事典」には「フランスの婦人雑誌で、実用的な婦人服、子供服のデザインのほかに、編物、手芸、家事、その他一般記事も載っている週間雑誌である。英語版、ドイツ語版、イタリア語版、スペイン語版が月刊で発行されている。また日本では隔週で発行されている。」と記載されていること、さらには、株式会社研究社発行1991年初版第3刷「英和商品名辞典」には、「フランスの代表的な女性月刊誌。・・・ファッションが中心だが、女性の生き方の問題など幅広い記事が掲載されている質の高い雑誌。1945年11月創刊」と記載されていること等が認められる。これらの認定事実によれば、「ELLE」は、フランスで発行されている女性ファッション雑誌の題号として長期間継続して使用され、世界的に著名なものとなっており、我が国においても遅くとも本件商標の登録出願の時には既にファッション雑誌に使用されている商標として、「エル」の表示とともに、取引者、需要者の間において広く認識されており、これらの高い著名性はその後も継続しているものと認められる。
そして、本願指定商品は、「かつら用基布,かつらベース,増毛用毛髪,その他の頭飾品」であるから、ファッション関連商品といって差し支えないものである。そうすると、ファッション雑誌と本願指定商品とは、いずれも取引に際して高度の専門知識を必要とするものではなく、その需要者については、ファッションに関心を有する者において共通にする場合が少なくないというべきである。
したがって、本願商標は、構成中に他人が雑誌に使用し著名な「ELLE」に酷似する「Elle」の文字及びその発音表記である「エル」の文字を有するものであるから、指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者をして、その商品が前記の著名な商標「ELLE」を使用する者と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。
なお、請求人は、雑誌の「ELLE JAPON」より発行部数の多い「with」(第2位)、「MORE」(第3位)、「anan」(第6位)等に関連した登録商標が存在していること及び構成中に「ELLE」の文字を含む登録商標が存在していることを挙げ、公平の観点より本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標登録の当否は登録異議の申立て又は無効審判等における審理を通じて証拠に基づき個別に判断されるべきであり、本願商標が他人の業務に係る商品と商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものであることは上述したとおりであるから、これらの請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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