結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30034(T2002−30034/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2481195号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハツガマイ」の片仮名文字を書してなり、平成元年10月27日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として同4年11月30日に設定登録、同14年12月3日に存続期間の更新がされ、その後、同15年5月7日に第30類「穀物の加工品,うどんのめん,そばのめん,マカロニ,もち,オートミール,人造米,強化米,米飯の缶詰,乾燥飯,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,コーヒー豆」に指定商品の書換登録がされたものである。
請求人は、本件商標は、その指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を以下のように述べ、証拠資料として甲第1号証を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」について継続して3年以上日本国内において商標権者又は使用権者が使用した事実が存しないから、その登録は商標法50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)本件商標の登録原簿(甲第1号証)から明らかなように、本件商標の商標権者は、当初株式会社マルシンフーズであったが、平成13年8月6日に被請求人に権利移転の登録がされている。
被請求人の主張及び乙第4号証によれば、株式会社げんきくらぶの商標「はつがまい」の最終使用時期は平成13年5月7日であるが、この時点での本件商標の権利者は株式会社マルシンフーズである。株式会社げんきくらぶが株式会社マルシンフーズの使用権者であることを推定させる事実はない。そして、株式会社げんきくらぶが本件商標の移転後に本件商標を使用した事実は証明されていない。
したがって、被請求人が主張する使用は、通常使用権者の使用ではなく(もちろん商標権者、専用使用権者の使用でもない。)。
(3)被請求人は、商標「はつがまい」を「加熱用の発芽玄米」に使用した旨主張している。その根拠に関し、乙第4号証〜乙第6号証の包装シールに、調理法として、「湯で15分、または電子レンジで2分加熱するだけでおいしいできたての発芽玄米のごはんが、いつでも手軽に食べられる」旨表示され、かつ「加熱用の発芽玄米」は「加工穀物」ないしは「べんとう」であると主張している(答弁書第3頁(3)項)。
しかし、この記載からは、当該商品が加工食品か発芽玄米であるか判然としない。「熱湯15分レンジで2分!!加熱用」という表示は、「熱湯で15分処理した後レンジで2分処理する」というように解され、そうであれば、当該商品はむしろ加工を施さない発芽玄米のように思われる。また「中身をジャーの中にいれ2時間でおいしいごはんになります。」という表示からは、当該商品が発芽玄米であることを窺わせる。
さらに、当該シールには玄米をさらにに超えた!!それが発芽玄米です」、「国内産無農薬・有機栽培玄米」という表示もあり、むしろ加工を施さない発芽玄米を表しているように思える。
要するに、乙第4号証〜乙第6号証からは、当該商品が発芽玄米そのものであるか加工した発芽玄米であるかを判断することが出来ない。発芽玄米であれば、それは加工食料品ではない。
したがって、被請求人は、商標「はつがまい」を加工食料品に使用していることを証明していない。
以上のとおりであるから、被請求人は商標法第50条第2項の使用を証明しておらず、本件商標は取り消しを免れない。
なお、権利移転があった場合の商標法50条における不使用の期間は、移転前後を通して3年と解すべきことは、判例となっていることを付言する(例えば、東京高裁平成12年6月27日判決、平成12(行ケ)第44号)
よって、請求の趣旨の通りの審決を求める。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概要次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む)を提出している。
(1)被請求人の登記簿謄本(乙第1号証の1)によれば、件外三上治が、被請求人の創立以来その代表取締役社長の地位にあることが事実である。
被請求人の登記簿謄本(乙第1号証の2)によれば、同三上治が株式会社げんきくらぶの創立以来その代表取締役社長をも務めていることが事実である。
それらの事実により、被請求人と株式会社げんきくらぶとにおいて同じ人物が代表取締役社長を務めており、それら被請求人と株式会社げんきくらぶとの間に密接な人的関係が存在することが認められる。
株式会社げんきくらぶの株主名簿(乙第2号証)によれば、被請求人が株式会社げんきくらぶの株式の2分の1を保有し、かつ、被請求人の代表取締役社長が株式会社げんきくらぶの株式の5分の1を保有していることが事実である。
この事実により、被請求人およびその代表取締役社長が株式会社げんきくらぶの株式の過半数を保有していることが認められ、よって、事実上、株式会社げんきくらぶは被請求人の子会社であることが認められる。
したがって、被請求人と株式会社げんきくらぶとの間に密接な資本的関係も存在するすることが認められる。
さらに、また、株式会社インステムグループの会社案内(乙第3号証)によれば、株式会社インステムを中心とするグループに株式会社げんきくらぶが帰属することが事実である。
以上の事実を総合すれば、被請求人が株式会社げんきくらぶに対し、本件商標権について本件商標審判の取消請求に係る指定商品の範囲内において使用許諾をする地位にあることが容易に認められる。
(2)使用にかかる商標は、「はつがまい」の文字を横書きにしたものであり、本件商標と、平仮名と片仮名の相互間の使用であって、社会通念上同一と認められる。
(3)月刊「時局」2001年5月号、株式会社時局社発行(乙第4号証)、広告用ちらし(乙第5号証)および商品写真(乙第6号証)の商品の包装シールには、商品「加熱用の発芽玄米」の調理方法につき、「湯で15分、または電子レンジで2分加熱するだけでおいしいできたての発芽玄米のごはんが、いつでも手軽に食べられる」旨表示されている。
この表示より、本件使用商品「加熱用の発芽玄米」が、第32類の「加工食料品」中の「四 加工穀物」ないしは「五 その他の加工食料品」中の「べんとう」に該当することが認められる。
さらに、それらの「加工穀物」および「べんとう」は、第32類「加工食料品(他の類に属するものを除く)」の範疇に包含される。
(4)月刊「時局」2001年5月号、株式会社時局社発行(乙第4号証)の奥付けには、「平成13年5月7日発行」と記載されている。この記載により、商標「はつがまい」最終使用時期が平成13年5月7日であり、商標法第50条第2項の「審判請求の登録前3年以内に・・・使用をしている」という要件を満たす。
しかも、本件商標審判の請求前3月より過去の時期である。
したがって、同法同条第3項にいう駆け込み使用に該当しない。
(5)商標の使用場所
株式会社げんきくらぶの所在地:愛知県名古屋市中区錦2−3−11
(6)商標の使用の事実を示す書類
イ 月刊「時局」の商品広告の写し(乙第4号証)
月刊「時局」の商品広告の記載により、平成13年5月7日に株式会社げんきくらぶが商品「加熱用発芽玄米」に商標「はつがまい」を付して販売していたことが明確に把握できる。
さらに、この商品広告の写真は、商品「加熱用発芽玄米」の包装状態で撮影されており、包装パックシールには商標「はつがまい」を横書きして成る商標が表示されている。
さらに、加熱調理したごはんが縦縞の白い茶碗に盛られた状態が撮影されている。
月刊「時局」の発刊の概要は、次のとおりである。
発行部数 55,000部
販売方法 大手取次店日本出版販売、トーハン、中央社、大阪屋)、キオスク、私鉄売店、書店、定期購読にて販売
販売エリア 東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡)、北陸地方、東京、大阪
この定期刊行物は、購読者が多く、しかも、知名度が高いものであるため、それに掲載された本件商標は、広告媒体本来の機能を十分果たしている。
ロ 広告用ちらし(乙第5号証)
この広告の中央には、本件商品の写真が表示され、下縁には、発売元である「株式会社げんきくらぶ」の商号が記載されている。
ハ 商標が付された商品を撮影した商品写真(乙第6号証)
この商品写真には、株式会社げんきくらぶが発売する商品「加熱用発芽玄米」が、パックで包装された状態で撮影されている。
ニ 取引書類の写し(乙第7号証)
この取引書類の写しは、「株式会社げんきくらぶ」が、件外某有限会社(神奈川県横浜市在)に宛てた平成13年2月28日付け請求書の写しである。
(7)被請求人は、平成13年(2000年)3月21日から、前権利者である「株式会社マルシンフーズ」との本件商標権についての譲渡交渉開始し、遅くとも平成13年(2000年)3月27日の時点で、「株式会社マルシンフーズ」と被請求人との間で、本件商標権についての通常使用権許諾契約が成立した(乙第10号証)。
一方、「株式会社げんきくらぶ」は、事実上、被請求人の子会社であり、(乙第1号証の1、同号証の2及び同2号証)、被請求人は本件商標の使用を「株式会社げんきくらぶ」に許諾している。
そして、前記のとおり平成13年5月7日に被請求人の子会社である「株式会社げんきくらぶ」が商品「加熱用発芽玄米」に商標「はつがまい」を付して販売していたことが明らかである。
したがって、本件審判の予告登録前3年以内である平成13年5月7日に通常使用権者が本件商標を使用していることが証明された。
よって、本件審判請求は成り立たない。
(1)請求人は、「商標「はつがまい」の最終使用時期は平成13年5月7日であるが、この時点での本件商標の権利者は株式会社マルシンフーズである。株式会社げんきくらぶが株式会社マルシンフーズの使用権者であることを推定させる事実はなく、株式会社げんきくらぶが本件商標の移転後に本件商標を使用した事実は証明されていない。したがって、被請求人が主張する使用は、通常使用権者の使用ではない(もちろん商標権者、専用使用権者の使用でもない。)こと及び乙第4号証〜乙第6号証からは、当該商品が発芽玄米そのものであるか加工した発芽玄米であるかを判断することが出来ない。したがって、被請求人は、商標「はつがまい」を加工食料品に使用していることを証明していないことを理由とし、被請求人は商標法第50条第2項の使用を証明しておらず、本件商標は取り消しを免れない。」旨主張している。
(2)被請求人が提出した被請求人の答弁、回答書及び乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 被請求人は、平成13年(2001年)3月21日から、前権利者である「株式会社マルシンフーズ」との間で、本件商標権についての譲渡交渉開始し(乙第8号証の1)、同年3月27日の時点で、本件商標権についての通常使用権の許諾をされていた(乙第10号証)。
イ 「株式会社インステムの登記簿謄本の写し」(乙第1号証の1)、「株式会社げんきくらぶの登記簿謄本の写し」(乙第1号証の2)及び「株式会社インステムグループ 会社概要」(乙第3号証)によれば、「株式会社げんきくらぶ」は、被請求人のグループ会社であり、事実上、被請求人の子会社である。
ウ 月刊「時局」2001年5月号、株式会社時局社 2001年5月7日発行(乙第4号証)、82頁には、「げんきくらぶの「はつがシリーズ」新商品登場」のタイトルのもと、「げんきくらぶ(名古屋市中区)では、「はつがシリーズ」の新商品「はつがまい」加熱用、炊飯用の二タイプの発売を開始した。」の記載が「はつがまい」の表示がある商品写真と共に掲載されている。
エ 広告用ちらし(乙第5号証)および商品写真(乙第6号証)の商品の包装シールには、太文字で表された「はつがまい」の文字及び「加熱用」、「発芽玄米」の文字が表示され、その調理方法につき、「湯で15分、または電子レンジで2分加熱するだけでおいしいできたての発芽玄米のごはんが、いつでも手軽に食べられる」旨の記載が見られる。
(3)以上より、平成13年3月21日より本件商標の通常使用権者である被請求人の子会社「株式会社げんきくらぶ」は、本件商標と社会通念上同一と認められる「はつがまい」商標を、湯又は電子レンジで加熱することにより直ぐに食することができるまでに加工された状態の「加熱用の発芽玄米」について使用していたものであり、該「加熱用の発芽玄米」は、本件取消に係る「加工食料品」に含まれるものと認められる。
そうとすると、本件商標は、本件審判請求登録日前3年以内に、通常使用権者により、日本国内において、本件請求に係る指定商品中「加工食料品」に含まれる「加熱用の発芽玄米」について使用されていたものと認められる。
したがって、本件商標の指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」についての登録は、商標法第50条1項の規定によって取り消すことができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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