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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用主体・態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30247(T2003−30247/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3343551号商標(以下「本件商標」という。)は、「CRESCENT」の文字を横書きしてなり、平成7年5月17日に登録出願、第14類「身飾品」を指定商品として、平成9年9月5日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする」との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番を含む。)を提出している。

1 請求の理由

商標権者は、設定登録後、本件商標をその指定商品について3年以上継続して使用していない。また、専用使用権者及び登録された通常使用権者も存在せず、これらの使用権者が本件商標を上記指定商品について3年以上継続して使用した形跡もない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

2 被請求人の答弁に対する弁駁

(1)商標権者と株式会社ダイワコーポレーションとの関係について

(ア)「登録商標の使用説明書」(添付書類3)の「商標の使用者」の欄には、商標の使用者が「株式会社ダイワコーポレーション」(以下「ダイワ社」という。)であり、「商標権者との関係」の欄には、「商標権者の100%子会社・専用使用権者」と記載されている。

しかし、商標の使用者ダイワ社が専用使用権者であるならば、専用使用権は登録しなければ効力が発生しないから、登録されているはずである。しかし、商標原簿(甲第1号証の1及び2)をみても、ダイワ社が専用使用権者であることは登録されていない。したがって、仮にダイワ社が本件商標を使用していたとしても、使用権者の使用には当たらない。

(イ)さらに、ダイワ社が商標権者の100%子会社であったとしても、商標権者とダイワ社とは、法律上、全く別の法人格を有するのである。そして、上記のように、ダイワ社は商標権者の専用使用権者ではない。

したがって、ダイワ社が当該商標を使用していたとしても、商標権者の使用権者が当該商標を使用していたとはいえない。すなわち、商標法第50条の規定において、商標権者とは全く関係のない別法人のダイワ社が当該商標を使用していたとしても、商標権者の使用権者が当該商標を使用していたことにはならない。

(2)登録商標の使用について

仮にダイワ社が商標権者の使用権者であったと仮定しても、ダイワ社が標章「CRESCENT」を指定商品「身飾品」に使用していたとはいえない。

(ア)指定商品との関係について

(a)商標権者は、「ダイワ社は、使用者として当該商標を使用し、クレセントペンダントなる商品を・・・継続して販売している」と記載している。

また、商標権者は、「登録商標の使用説明書」(添付書類3)を提出し、商標の使用に係る商品名が「クレセントペンダント」であると述べている。

しかし、商品「ペンダント」は存在していても「クレセントペンダント」という商品は存在しない。しかも、商標権者が提出する「使用料契約書」(添付書類2)には、どのような商標について使用権を与えたのか記載されていない。

(b)商標権者が提出する証拠(添付1b)には、複数の表示「クレセント」、「クレセントペンダント」、「クレセント・ペンダント」、「<クレセント>ペンダント」又は「“クレセント”ペンダント」が混在している。

(c)証拠(添付2)には「クレセント『愛の実験』係」、「クレセント」と表示されているが、商品との関係は記載されていない。

(d)証拠(添付3)においても、二段書きの「クレセントペンダント希望」、一段書きの「クレセントペンダント希望」と記載されているものの、標章「CRESCENT」と使用商品との関係については記載されていない。

(e)証拠(添付4)においても、三段書きで「CRESCENT PENDANT DAIWACORPORATION」と表示されているが、標章「CRESCENT」と商品との関係については記載されていない。

このように、商標権者が提出する証拠からは、標章名と商品名とが混在して使用されており、標章と商品との関係が明確でなく、特定できない標章を商品名「クレセントペンダント」に使用していたものと判断される。

したがって、ダイワ社が指定商品「身飾品」に標章「CRESCENT」を使用していたとは認められない。

(イ)商標の使用について

使用料契約書(添付書類2)の締結日は、昭和61年8月1日である。

一方、本件商標は、該締結日から約9年後に登録出願されている。したがって、本件商標と前記使用料契約書で締結された標章との関係が不明であり、本件商標について使用許諾したのか、他の標章について使用許諾したのか不明である。

特に、使用料契約書には、対称商品の欄に「クレセントペンダントシリーズ」と記載されているが、標章が特定されていない。したがって、どのような標章が対称商品「クレセントペンダントシリーズ」に何時から何時まで使用されたのか立証されていない。

このように、商標権者が提出する証拠を検討しても、ダイワ社が指定商品について標章「CRESCENT」を使用したとはいえない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として添付書類1ないし同3を提出している。

商標権者は、その100%子会社であるダイワ社(添付書類1のとおり)に当該商標「クレセント」の使用権を与え、ダイワ社は、使用者として当該商標を使用し、クレセントペンダントなる商品を商標設定登録後、現在に至るまで、継続して販売している(添付書類2のとおり)。したがって、請求人の申し立ては失当である。

第4 当審の判断

被請求人の提出に係る証拠によれば、被請求人は、被請求人の100%子会社であるダイワ社(添付書類1)と、昭和61年8月1日に、「クレセントペンダントシリーズ」などの商品に対して使用料を支払うことを取り決めた「使用料契約書」を締結した(添付資料2)。

そして、本件商標の使用者をダイワ社とする「登録商標の使用説明書」(添付書類3)には、商標権者との関係欄に「商標権者の100%子会社・専用使用権者」と、商標の使用に係る商品(役務)名欄に「クレセントペンダント」と、商標の使用時期欄に「現在使用中」とそれぞれ記載されて、添付1a及びb、添付2ないし4の書類が添付されている。

該添付書類の「添付1a」は、平成14年9月1日株式会社実業之日本社発行の月刊雑誌「MyBirthday」の表紙であり、添付bは、同雑誌の21頁であると認められるところ、該21頁には、「純銀製 クレセントペンダント」、「41cmスターリングシルバーチェーン付」と記載されたペンダントと認められる写真と共に、「純銀の“クレセント”ペンダント、日本で独占新発売」、「奇跡を起こしたクレセントが」、「愛のペンダント「クレセント」とは・・・」、「奇跡のペンダント『クレセント』が上陸」、「純銀製<クレセント>ペンダントをつけてもらった」とそれぞれ記載されるとともに、該ページの左下部にはダイワ社の住所及び名称が記載されていることが認められる。

以上からすると、商標権者の100%子会社であるダイワ社は、本件商標の専用使用権者と認識して、平成14年9月1日株式会社実業之日本社発行の月刊雑誌「MyBirthday」に、「クレセントペンダント」と記載されたペンダントの写真入りの広告を掲載した。そして、該広告には、「クレセント」の文字が商標と認識し得る態様で表示されていたものと認められる。

請求人は、本件商標の商標登録原簿をみても、ダイワ社が専用使用権者であることは登録されていない、したがって、ダイワ社が本件商標を使用したとしても、使用権者の使用にあたらない旨主張する。

確かに、商標登録原簿の記録によれば、本件商標の商標権に専用使用権は設定されていないから、ダイワ社は、本件商標について専用使用権者であったということはできない。しかしながら、ダイワ社は、商標権者と「クレセントペンダントシリーズ」商品について使用契約を締結していたこと上述のとおりであるから、少なくとも、「クレセントペンダントシリーズ」商品に関連する商標について通常使用権者の地位にあったものというべきである。そして、該広告に掲載されているクレセントペンダントは、正に「クレセントペンダントシリーズ」商品に符合するものと推認することができる。

そうとすれば、被請求人の提出に係る添付書類1ないし同3によれば、ダイワ社は、通常使用権者として、本件審判の請求の登録(平成15年4月2日)前3年以内である同14年9月1日発行の月刊雑誌に、「クレセント」の文字からなる商標を使用して商品「ペンダント」の広告を掲載したものと判断するのが相当である。

そして、「クレセント」の文字からなる商標は、「CRESCENT」の文字から生ずる「クレセント」の称呼及び「三日月」の観念を同一にするものといえるから、上記広告に表された「クレセント」の文字からなる商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる。

してみれば、本件商標は、請求の登録前3年以内に、日本国内においてその指定商品に属する「ペンダント」について、通常使用権者により使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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