1 本願商標
本願商標は、「アルコットン」の標準文字を横書きしてなり、第5類「消毒用コットン,消毒用脱脂綿,拭布,ウエットティッシュ」を指定商品として平成13年5月18日登録出願、その後、同14年4月16日付け手続補正書により指定商品を「消毒用コットン」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2034937号商標(以下「引用商標」という。)は、「アルコット」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年3月19日登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同63年3月30日設定登録され、その後、平成10年4月28日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「アルコットン」の文字を書してなるものであるから、その文字部分に相応して「アルコットン」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、「アルコット」の文字を書してなるものであるから、これよりは、その文字部分に相応して、「アルコット」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「アルコットン」の称呼と引用商標より生ずる「アルコット」の称呼を比較すると、両称呼は、「アルコット」の音を共通にし、異なるところは、語尾における「ン」の音の有無にあるところ、「ン」の音は、響きの弱い鼻音であり、それ自体の音の響きが弱いために、前音の「ト」に吸収されやすく、しかも比較的聴取し難い語尾に位置することから、常に明瞭に聴取し得るものとはいえないものである。
そうすると、語尾における「ン」の有無の差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、両称呼は、彼此聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼上類似の商標と判断するのが相当である。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。