結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30808(T2003−30808/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3172682商標(以下「本件商標」という。)は、「ST ANDREW」の文字を横書きしてなり、平成5年4月6日に登録出願、第25類 「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻類,和服,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,その他の被服,ガータ,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類 ,その他の履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年6月28日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中『ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、その登録日から既に3年以上経過しており、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しない。したがって、本件商標の指定商品中「ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」についての登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録の取消を免れないものである。
(1)被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証により、世界のゴルフ発祥地として有名な「ST.ANDREWS」の歴史及び著名性、「ST.ANDREWS」ゴルフコースの中で最も有名なゴルフコースである「OLD COURSE」及びそこで行われる「全英オープン」のそれぞれについて説明する。しかしながら、これらの説明は、日本国において本件商標が使用されていないことを理由に当該商標登録の取消を求めている本件審判においては、全く関係のない説明である。
(2)被請求人は、乙第4号証により、被請求人が「ST.ANDREWS」の地名を管理する公益団体「ST.ANDREWSLINKSTRUST」(セント・アンドリュースゴルフ場管理運営委員会)(以下「トラスト」という。)の日本国内代理人である旨主張するが、登録商標の使用・不使用は指定商品との具体的関係において判断すべきところ、日本国内における登録商標の使用事実を問題とすべき本件審判においては、かかる主張は、無意味である。
(3)被請求人は、乙第5号証ないし乙第8号証により、被請求人とサブライセンス契約を締結している多数のメーカーがゴルフ関連用品の製造販売を行っている旨主張するが、乙第5号証は、「祝1984全英オープン開催」という記載があることから、本件審判の請求登録前3年以内の使用事実を証明する証拠としては信憑性に欠けるものがある。また、乙第5号証に記載されている帽子に付された商標「ST.ANDREWS/LINKS」は、本件商標「ST ANDREW」とは外観・称呼において全く異なるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているとは到底認められない。また、乙第5号証の6頁以降の商品は、本件審判の請求対象となっている指定商品のいずれにも該当しない。「英国ブランドに回帰」という見出しの日本経済新聞の切り抜きや、「ST.ANDREWS」ブランドの紹介などが掲載されているが、登録商標の使用・不使用は指定商品との具体的関係において判断すべきであるところ、かかる具体的関係が明示されていないことからして、本件審判請求に対する認容審決を免れる証拠としては不適切である。
乙第6号証には、チノパンツ、ポロシャツ、時計、ゴルフクラブといったゴルフ関連商品の通信販売の広告資料が掲載されているが、これらのゴルフ関連商品は、本件審判の請求対象となっている指定商品のいずれにも該当しない。
乙第7号証には、ブルゾン、ポロシャツ、スラックス、皿、スプーン、ゴルフグラブ、ゴルフグローブ、キャディバッグ、靴といったゴルフ関連商品を取り扱う各社メーカーのカタログが掲載されているが、これらのゴルフ関連商品は、本件審判の請求対象となっている指定商品のいずれにも該当しない。
乙第8号証には、ゴルフバッグ、ヘッドカバーといったゴルフ関連商品を取り扱うメーカーのカタログが掲載されているが、これらのゴルフ関連商品は、本件審判の請求対象となっている指定商品のいずれにも該当しない。
(4)被請求人は、乙第9号証及び乙第10号証により、本審判の請求対象となっている本件商標は、自己が所有する他の登録商標と類似する旨を主張するが、日本国内における登録商標の使用事実の有無を問題とすべき本件審判において、被請求人のかかる主張は無意味であって失当である。
(5)乙第11号証によれば、被請求人は、眼鏡、傘、ゴルフウェアなど多数のゴルフ関連商品について、多数の企業とライセンス契約を締結していることが推認できるが、本審判の請求対象となっている指定商品についてライセンス契約を締結している企業は、乙第11号証の中に1つも確認することができない。
また、乙第12号証に記載された販売高報告書は、「ゴルフウェア全般、シャツ全般、サンダル、手袋全般、ナイテイー及び肌着」について、乙第13号証に記載された納品書は、「サンダル底、ストレッチコットンパンツ、半袖ポロ、ストレッチスラックス」ついて、乙第14号証(後記するように平成15年8月4日付け答弁書と同時に提出された「乙第1号証」)に記載された納品書は、ゴルフ手袋についての使用を立証しているものであるが、本件審判の請求対象となっている指定商品は、1つも含まれていない。
(6)以上述べたように、平成15年7月30日付答弁書及び平成15年8月4日付で追加された答弁書における被請求人の主張・答弁は、本審判の請求対象となっている指定商品「ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とは無関係な主張・答弁であるから、本審判請求に対する認容審決を免れる証拠としては不適切なものである。
したがって、本件商標登録のうち、第25類の指定商品「ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」についての登録は取り消されるべきものである。
請求人は、「本件商標は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(なお、平成15年8月4日付け「」審判事件答弁書(追加)」により提出された「乙第1号証」は、便宜上、「乙第14号証」とする。)を提出した。
ゴルフ場「ST.ANDREWS」は、現在スコットランド政府の管轄する特殊法人として、政府国会から選出した議員を中心に町の有力者や住民によって構成されるトラストによって管理・運営されている(乙第1号証)。
トラストは、「ST.ANDREWS」とそのゴルフコースに関連する名称、商標を所有することを唯一認められている。
以上のように、セントアンドリュースのトラストとは、町の長い歴史を受け継いだ権威のある公的な組織であり、スコットランドの公益団体として「ST.ANDREWS」のゴルフコースに関する商標を唯一所有する事を認められた、世界に対してセントアンドリュースの町そのものを代表する団体であるといえる。
よって「ST.ANDREWS」の地名はゴルフ発祥の地として日本国内でも大変有名であり、またその名前を上記トラストが管理していることも周知となっているため、例え、本件商標を取り消しても請求人は本件商標を登録することはできないと考える。
以上の理由により、速やかに答弁の趣旨通りの審決を希求する。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取消を免れない。
しかるところ、被請求人は、要旨、前記第3のとおりの答弁をし、本件審判の請求に係る「ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」への本件商標の使用について何ら主張していない。
さらに、被請求人提出の乙各号証についてみると、乙第1号証は、セント・アンドリュースに関する書籍であり、乙第2号証は、セント・アンドリュース オールドコースに関する書籍であり、乙第3号証は、全英オープンに関する書籍であるが、これらの証拠中には、本件商標及びそれを使用する商品についての記載はない。乙第4号証及び乙第5号証は、商標のライセンス契約に関するものであり、乙第6号証ないし乙第8号証は、通信販売の広告及びカタログであり、乙第11号証は、その表題を「ST.ANDREWS(セント・アンドリュース)契約企業一覧」とするものであり、乙第12号証は、いずれもブランド名を「ST.ANDREWS」としている月間販売高報告書であり、乙第13号証及び乙第14号証は、取引書類であるが、これらの証拠中には、いずれにおいても本件商標の記載はなく、また、乙第5号証において商品「帽子」が掲載されているが、これについての取引を証明する証拠はなく、他に本件審判の請求に係る商品に係るものではない。
なお付言するに、仮に被請求人が商標「ST.ANDREWS」を使用しているとしても、本件商標と該商標とは、外観、称呼及び観念に差異を有し、社会通念上同一の商標とは認められない。
以上のとおり、被請求人の提出した証拠は、本件商標の使用の事実を証明するものではないから、被請求人は、本件商標を使用していたことにつき証明したと認めることができない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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