結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35471(T2003−35471/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4377957号商標(以下「本件商標」という。)は、「ほぐし織り」の文字(標準文字)よりなり、平成11年1月13日に登録出願、第18類「傘」を指定商品として,平成12年4月21日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第22号証(枝番を含む。)を提出した。
1.請求の理由
(1)本件商標は、「ほぐし織り」の文字よりなるものであるが、「ほぐし織り」の語は織物の種類の一つを表わす普通名称である。
すなわち、以下の辞典には「ほぐし織り」について、次のような記述がある。
ア)岩波書店発行「広辞苑」(甲第2号証の1ないし甲第2号証の3):絣織物の一種。粗く緯糸を入れて仮織した経糸に抜染糊・捺染糊などを施して文様を染め、緯糸を抜き去って後に適当な緯糸で本織にしたもの。銘仙・セルなど若い女性向きの着尺地に用いる。ほぐしがすり。
イ)小学館発行「国語大辞典・言泉」(甲第3号証の1ないし甲第3号証の3):絹織物の一種。縦糸を整経して仮織りをし、染め加工を施したあと、無地染めの横糸を織りこんだもの。銘仙などに多く利用される。
ウ)淡交社発行「原色染色大辞典」(甲第4号証の1ないし甲第4号証の3):解し織 ほぐしともいう。絣の一。白又は無地染した経糸を織機にかけ、経糸の乱れを防ぐため、20〜30センチの間隔で仮の緯糸を数越ずつ織り込んで機からおろす。これに捺染・抜染などを行ない、蒸し・水洗・乾燥後再びワープビームに巻き、織機にかけ仮に織った緯糸をほぐし除去しながら本製織する。
(2)このような「ほぐし織り」の織物を傘に使用することは、わが国において、古くから知られている。
ア)昭和40年11月10日に山梨県繊維工業試験場創立60周年記念事業協賛会から発行された「郡内機業の歩み 山梨県繊維工業試験場創立60周年を記念して」(甲第5号証の1ないし甲第5号証の3)には洋傘地について、「終戦前後にかけては、紋織が全盛であったが、その後、一般嗜好の移り変りによってホグシ機(タテ糸捺染品)が脚光をあび、この外には、格子ポチ(ドピー機による小紋柄)、市松、タテ縞、色無地などが時流に沿い紋傘はその影を消した。」旨の記述がある。
イ)また、ほぐし織りが傘地に使用されている事実及びほぐし織りの専門的な説明については、昭和54年12月10日株式会社繊維研究社発行の「やさしい織物の解説」(甲第6号証の1ないし甲第6号証の3)のカサ地の章に織り方が図面と共に記載されている。
ウ)上記の他「ほぐし織り」が織物の一種を表わす普通名称であることは、甲第7号証の1及び甲第7号証の2(足利伝統工芸品振興協議会のホームページプリント)及び甲第8号証(御幸織物株式会社のホームページプリント)からも窺い知ることができる。
(3)このように「ほぐし織り」は織物の一種類を表わす語であり、この織物を用いた傘は、相当以前から出回っていたものである。本件商標の出願日は、平成11年1月13日であるが、次の各書証により、本件商標出願日前の「ほぐし織り」の生地を用いた傘についての業界の具体的な活動を知ることが出来る。
ア)業界紙「洋傘タイムス 1995年(平成7年)8月15日号」(第9号証)には、件外・ハヤシミチ株式会社が大阪市の御堂筋ビルや福岡市の大博多ビル等で開催した「95〜96秋冬コレクション」に、傘地としてほぐしジャカードの転写プリントを用いた傘が出品された旨の記事が掲載されている。
イ)同じく、同紙「1996年(平成8年)2月15日号」(甲第10号証の1及び甲第10号証の2)には、件外・株式会社前原光栄商店が、台東区三筋にある同社3階のショールームで内見会を開催し、ジャガード無地中心にほぐし生地を用い八脚の深張りから十二間・十六間の傘を打ち出した旨及び株式会社アイピスが、文京区小石川にある同社1階のショールームで新作巻物展示会を開催し、ほぐしの生地を用いた傘が展示された旨が、それぞれ掲載されている。
ウ)同じく、同紙「1996年(平成8年)8月15日号」(甲第11号証)には、「ほぐし織」傘の再評価の見出しで、件外・株式会社ダイト−が、千代田区神川佐久間町の都立食品技術センターホール1階で「96〜97年秋冬コレクション展示会」を開催し、この展示会では、日本製先染物の復活を願って「ほぐし織」を若い人向きのデザインでシリーズ的に打ち出した旨の記事が掲載されている。
エ)同じく、同紙「1997年(平成9年)12月15日号」(甲第12号証)には、請求人の一社である田中久株式会社が日本橋浜町の北ビルをはじめ、京都本社、札幌営業所等で「98春夏コレクション」を開催し、出品されたオリジナルのほぐし柄は本物指向ニーズに応えるクオリティ一商品である旨掲載されている。また、同紙「1998年(平成10年)12月15日号」(甲第13号証)には、同社が京都・札幌・東京で「春夏コレクション99」展示発表会を開催した旨及び「高級美術洋傘の下げ札を付けた『ほぐし織』は和調の花柄に奥床しい風趣が惨み出る。」と掲載されており、「ほぐし織」の生地を用いた商品が展示されていたことを知ることが出来る。
(4)このように、傘の製造業界では、本件商標登録出願の相当前から「ほぐし織り」の生地を用いた傘の製造販売がなされていたもので、業界では「ほぐし織り」の織物を傘の生地に使用することは、周知のものとなっていた。
(5)以上のように、「ほぐし織り」の語は織物の種類の一つを表わす語であって、商品「傘」との関係では「傘の生地」を表わす語ということができる。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号にいう「その商品の原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」ということができる。また、木件商標を「ほぐし織りではない生地を用いた傘」に使用した場合には、その商品が「ほぐし織り」の生地を使用している傘であると商品の品質について誤認を生じる虜れがある。したがって、商標法第4条第1項第16号にも該当する商標である。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、「ほぐし織り」が織物の名称であることを認めながらも、傘生地は幾つかの部品から成る傘の一部品にすぎないから、生地が「ほぐし織り」であるからといって、傘全体の品質・原材料等を表示するものとは言えないというが、独自の見解と言わざるを得ない。
(2)被請求人の指摘する2件の登録例が存在することは事実で、請求人も、この事実を争うものではない。登録例のうち、登録第457957号商標は、過誤登録の一例にすぎないものであり、登録第4503502号商標は、商品との関係において、品質ないしは製法表示とみなかったものと忖度され、妥当な登録と考える。
(3)被請求人は、本件商標採択の由来を述べているが、そこで述べられていることが仮に事実であるとしても、商標が本来具えていなければならない識別力とは無関係のことであって、その主張のような事実によって不登録事由が解消されるものでは無いことは、明らかなことである。そこで、指定商品そのものではなく、商品の品質や材料を表示する語について、識別力を具えないとされた2件の東京高裁の判決を挙げておく(東京高裁・昭和52年(行ケ)第82号添付参考資料A及び東京高裁・昭和59年(行ケ)第48号添付参考資料B)。
(4)被請求人は、本件商標が仮に識別力を具えないものであったとしても、永年使用の結果、識別力が生じていると主張する。しかしながら、元来、特別顕著でない(識別力を具えない)商標が、永年使用によって識別力を具えるに至るためには、それが、わが国の取引社会において相当期間にわたり、かつ、相当の範囲において、その営業に係る商品を表象するために使用された事実が必要と解すべきである(東京高裁・昭和32年(行ナ)第51号)。
わが国において「ほぐし織り」は、既に明治時代に存在していたし、それが傘生地に使用されるようになったのは、遅くとも昭和34年以前である。この事実は、昭和34年10月10日発行の「やさしい織物の解説」(甲第6号証の1ないし甲第6号証の3)の中に「カサ地」として「ホグシ(解)織」が使用されている旨、記載されており、また昭和40年11月10日発行の「郡内機業の歩み」(甲第5号証の1ないし甲第5号証の3)にも、洋傘地について「一般の嗜好の移り変りによってホグシ織(タテ糸捺染)が脚光をあび・・・」と記載されていることから明らかである。
このような傘業界の状況下で、被請求人が、如何に営業努力を重ね宣伝に努めたとしても、一般の取引者・需要者は、「ほぐし織り」を被請求人の商標と認識するというよりも「ほぐし織り」の生地を用いた傘と認識するとみるのが普通である。のみならず、被請求人が自認するように、この商品の宣伝・広告が広く行なわれていたという事実は無い。また、その販売量は、昭和35年から今日に至る45年間にわたり年間約2万本とのことであるが、この事実は提出されている乙各号証によっては知ることが出来ない。そして「ほぐし織り」の商標を付した商品の販売を始めたのは昭和35年からというのであるが、発売開始当初から、この数量が販売されてきたということはありえない。また、仮りにこの主張どおり、毎年2万本ずつ販売されてきたものであるとしても、昭和59年(1984年)から本件商標登録出願の2年前である平成9年(1997年)までのわが国の洋傘販売数量の推移は、甲第15号証ないし甲第22号証の1及び甲第22号証の2のとおりであるから、年間2万本というのは国内販売数量から見て、ごく僅かな数量に過ぎない。
すなわち、本件商標の出願日は昭和11年(1999年)1月13日であるが、その2年前の平成9年(1997年)を例にとってみてみると、全体の洋傘販売数は国内生産数量が815万本、輸入数量が8,502万本、合計9,317万本であるから、2万本というのは全販売数量の僅か0、02%にすぎず、この程度の販売数量を以ては、到底,周知ということは出来ない。なお、上記甲第15号証の1ないし甲第20号証の2には、洋傘メーカー各社の年間売上高・利益高が高位順に掲載されているが、被請求人の名称は、そこに一度も掲載されたことは無く、「ほぐし織り」の商標を付した商品のみならず、全体の製造数量も僅少であることが判る。
のみならず、「ほぐし織り」の商標を昭和35年から使用してきたと主張するに拘わらず、具体的な商標の構成態様がどのようなものであったかの主張が全く無い。僅かに、書証として提出されている乙第1号証の2(平成3年2月4日付納品書)と共に提出されている乙第2号証の1の下げ札に「高級美術織物」の文字を上段に、この文字よりやや大きい「ほぐし織り」の文字を下段に、上下二段に表示した一例を見ることができるのみである。この表示は何ら特殊な書体ではなく一般に多用されている明朝体の漢字からなるものであること及び文字の持つ意味から、これを目にした者は当然のことながら「傘地に高級美術織物であるほぐし織りを使用している傘」と認識するにとどまり、自他商品識別機能を果たすことは出来ない。換言すれば、商標と認識することは無い。
更に、使用による顕著性(識別力)が認められるためには、その商標が永年にわたり継続して一定の商品に使用されてきた場合でなければならず、また、使用により識別力が認められる商標は、現実に使用されてきた商標自体であって、それに類似する商標には及ばない(東京高裁・平成4年(行ケ)第61号)。したがって、使用により識別力が生じた商標が草書体の文字によるものである場合には、階書体・平仮名・ローマ字から成るもの、縦書きを横書きに直したもの等には及ばず、登録を受けることは出来ない。尤も、現在のようにテレビ・ラジオ等による宣伝広告効果が顕著である場合には、例外的に称呼によって識別力を収得する場合も無いわけではないであろうが、原則として、従来使用してきた態様がそのまま表現されたものでなければならない。ところが、被請求人の使用による識別力の取得の主張はあるものの、被請求人が永年にわたって使用してきたという商標がどのような構成態様のものであるかの開示は全く無く、識別力取得の主張は、既に、その前提において要件を欠いている。
被請求人は、永年使用による識別力取得を証明する資料として、乙第10号証の「報告書」と題する書面を19通提出している。これらの書面には、いずれも作成年月日の記載が無い。そして、その書面の1枚を除き全く同一文言、かつ、予め空白部を設けて作成された印刷物に回答者が文言を書き込んで完成させる形式のもので、空白部には、証明者により該当事項が書き込まれたものである。これらの書面にも、どのような商標が使用されて来たかという、商標の具体的構成は示されていない。そして、取引の相手方に依頼されて好意的に作成されたこの種の書面が、審判あるいは訴訟において書証として提出されることが多いが、過去の多くの知財関係の訴訟で、この種の、書証の信憑性が否定されてきた(東京高裁・昭和36年(行ナ)第55号、添付参考資料C)。
仮に、被請求人と取引のある者の中に、真実「ほぐし織り」が被請求人の商標であると認識している者がいたとしても、商標法第3条第2項における「需要者」とは、商品の取引業者のみならず一般需要者、殊に最終消費者の間において、その認識のあることが必要である(東京高裁・昭和54年(行ケ)第16号、添付参考資料D)。しかしながら、「ほぐし織り」は織物の種類を表わす普通名称であり、この事実は各種の文献にも表われているところであるから、「ほぐし織り」が最終消費者の間において被請求人の商標であると認識されているということは到底考えられない。
被請求人は、本件審判の請求は、成り立たない、審判費用は、請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証ないし乙第16号証(枝番を含む。)を提出した。
1.商標法第3条第1項第3号の該当性について
(1)「ほぐし織り」なる織物の名称が、傘の品質・原材料等を表示するものではない。なぜなら、傘は幾つかの部品から成るものであり、単に一部品にすぎない傘生地をもって傘全体の品質・原材料等を表示するものとは言えないからである。
(2)例えば、指定商品を防火被服とする商標(登録第4503502号)である「綾織」や、同じく、指定商品を衣服及び手巾類とする商標(登録第457957号)である「江戸染」等が存在する。これらの商標は、いずれも当該指定商品の一部を構成する織物、染物の名称である「綾織」や「江戸染」と呼称を同一とする商標であり、しかも「綾織」「江戸染」は国語辞典にも紹介されている(乙第1号証)。そして、いずれも、かかる呼称が、当該商品自体の品質・原材料等を表示したものではなく、さらに、当該商品の構成部分の品質・原材料等を表示させるものでもないことが明らかである。
(3)したがって、「織物」を観念させる呼称をもって、直ちに、本件指定商品の品質・原材料等を表示することにはならない。
(4)また、本件商標は、以下の経緯から、登録された商標である。
ア)被請求人の創立者である山口政広は、昭和35年ころより、オリジナル高級洋傘の製造・販売を開始した。当時、傘には殆ど利用されていなかった生地(ほぐし織り)を、同人が裏表(両面)のほぐし織りとして改良し、同人製造の傘の生地としてそれを用いることで、同商品名を「ほぐし織り」と命名し(乙第2号証)、現在に至るまで、専ら同生地を用いた高級洋傘を製造・販売し続けていた者であり(乙第3号証ないし乙第9号証)、被請求人は山口政広からその製造・販売を引き継いだものである(乙第10号証)。
終戦後、消費者の間にあっては、一般洋傘は、テトロン・ナイロンを原材料とするプリント生地を用いた主にブランドネームのものが重宝されており、被請求人製造のほぐし織り高級洋傘は、一部消費者からの支持を受けていたにすぎなかった。
反面、被請求人製造の商品である傘を取り扱う業界においては、「ホグシ」若しくは「ホグシオリ」との呼称から観念される商品が、被請求人製造の商品を表すまでに周知されるようになっていた(乙第10号証)。
イ)ところが、平成7年ころより、消費者の志向変化等に伴い、被請求人が取り扱う高級洋傘に対する需要が高まり、同業他社も、「ほぐし織り」なる生地を用いた洋傘の製造・販売を開始し、恰も、「ホグシオリ」が、傘の品質を表す呼称の如く宣伝・説明し始めたのである。このことは、請求人の提出した各業界紙が平成7年以降のもの(甲第9号証ないし甲第13号証)しかないことからも明らかである。
そこで、被請求人は、平成11年、同人が製造・販売する傘について、同商品を表す商標として、「ホグシオリ」と呼称し、同人の製造・販売する傘を観念させる標章として、本件商標を登録出願したのである。
ウ)したがって、以上の経緯からも、本件商標は、織物の種類の一つを表わすとしても、「ホグシオリ」との呼称から、本件商標指定商品である「傘」の品質・原材料等を表示するものではなく、単に傘の一部である生地部分を表示する意味が観念されるにとどまり、本件指定商品の品質・原材料等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標には該当しないこと明らかである。
2.商標法第3条第2項の該当性について
仮に、本件商標は、本件指定商品の品質・原材料等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するとしても、以下の理由から、本件商標は、商標法第3条第2項に該当するものである。
(1)被請求人は、本件商標について、昭和35年ころより、被請求人が製造・販売する商品である「傘」を観念する標章として、長期間にわたり使用し続けており、本件指定商品において、「ホグシオリ」から観念される商品は、被請求人取扱商品を表示するものと広く認識されるに至っており、本件商標は、被請求人の取扱商品を識別することが可能となっている(乙第10号証)。
(2)具体的には、被請求人は、昭和35年から今日に至るまでの約45年間に渡り、主に東京・大阪という地域において、年間約2万本の販売量により、洋傘取扱商社や販売店に対し、本件商標により表示される商品の販売に努力し続けている(乙第5号証ないし乙第9号証)。
また、今日でも、もともと「ほぐし織り」の生地を生産する生地屋において、同織物の織物機が希少なことから、同生地を生産する業者間にあっても、同生地の出荷先は、主に被請求人に尽きる等、生地生産者業界においても、「ホグシオリ」が、被請求人取扱商品を表示させることが周知となっている(乙第10号証)。
もっとも、被請求人は、同人取扱商品が大量販売に馴染まないことから、その宣伝・広告を広く行っていたものではない(乙第11号証及び乙第12号証)。
(3)また、「ほぐし織り」なる生地は、その製造業者が稀有であることからも、その生地を利用した被請求人取扱商品である傘の供給量も限定されており、特に、以下の理由から、被請求人取扱商品は、業界はもとより広く需要者の間にあって、当該生地を用いた傘の製造者(被請求人)を表わすことが周知となっている(乙第10号証)。
すなわち、被請求人は、本件商標を用いる商品について、その生地として使用する「ほぐし織り」なる生地のデザイン(模様)に関し、自らのデザインを考案し、これを生地屋に製造させるという独特のデザインを用いているからである。
これは、生地屋は、まず、生地が完成した図柄となるように、染色の段階で用いる型紙を作成しなければならない。そして、この型紙を用いて染めた生糸等を織ることで、生地を完成させるのであるが、この型紙の製作において、被請求人がデザインし、この型紙を利用し、完成した「ほぐし織り」なる生地の図柄は、被請求人がデザインしたオリジナルの図柄となるのである。
(4)したがって、「ほぐし織り」なる生地を用いた洋傘は、ほぐし織りを製作する生地屋が希少なことから、専ら被請求人取扱の商品のみとなり、「ホグシオリ」なる呼称が被請求人取扱商品を識別する識別力を有するのである。
3.商標法第4条第1項第16号の該当性について
本件商標は、商品の品質の誤認を生じるおそれもない。
即ち、「ほぐし織り」にいう「〇〇織り」なる表現は、現実に、織物以外の商品の商標にも使用されているからである(乙第13号証)。
4.弁駁書に対する答弁(2)
(1)請求人は、本件商標が、「本件商標を商品『傘』に使用したときには、その傘の生地が『ほぐし織り』という織物によって作られていることを表わすことから、『材料.表示となる』あるいは『ほぐし織り』による生地を使用したものであると誤って認識する」ことを理由に、傘の品質を表示するものと主張する。
しかし、傘全体の構成物・組成物に鑑みると、傘のかさ生地部分のみの物・品質・性状等を捉えて、「傘の品質」ということはできない。
確かに、ビニール傘あるいは折り畳み傘ないしはジャンプ傘等、傘の品質や態様・機能を意味内容とする言語を用いて、当該傘の品質・性状を特定して他の「傘」と識別・分別する呼称は一般的に見受けられる。しかし、「ほぐし織り」は、織物であるとしても、特殊な織り方・技法からなる織物であって、その原料となる生地・原材料は、シルクを始めとしてポリエステルやナイロン等様々な糸・材質から成る生地を用いた織物の全てを示す名称であって、もともと「ほぐし織り」なる語から、傘のかさ生地部分に用いる生地が、シルクであるかナイロンであるか等の区別の判然としない語なのである。
つまり、「ほぐし織り」は、絣のように、その模様に特徴が出る織物であることから、被請求人は、傘のかさ生地部分の柄(がら)に、独自のデザインを施した図柄を用いて、自らが販売する商品(傘)にその特徴、個性を持たせ、これを高級洋傘として販売していたのであって、その図柄には、バラ、ブドウ、自転車等と数種類にも及び独特のデザイン・特徴・個性を備えている。
したがって、被請求人が、「ほぐし織り」という名称を用いて自らの商品の標章とした経緯は、「ほぐし織り」が当該各図柄を作り出す織り方・技法であることから、これを各種商品の特徴を表す標章として用いたのであって、「ほぐし織り」なる生地・織物を用いた材料を表示することを意図したものではない。
そして、取引者・需要者も、傘のかさ生地部分である図柄に着目することはあるとしても、当該傘のかさ生地部分のみの品質・材料に着目するものではなく、加えて、当該傘の図柄部分やその他の部分の形状・品質・材料にも特徴を有する商品も存在し、これらにも着目するのが一般であるから、本件商標を「傘」に使用したときに、当該傘のかさ生地部分のみを捉えて、この部分において「ほぐし織り」を使用したものと誤って認識するものではないことは明らかである。
(2)また、請求人は、被請求人指摘の登録例(「江戸染」及び「綾織」)について、「前者は『過誤登録』、後者は『防火被服』との関係においては、品質ないしは製法表示と見なかったもの」と指摘する。被請求人の製造・販売する本件指定商品である「傘」の「かさ生地」は、本来の「ほぐし織り」なる織物自体に、その一工程として撥水ないし防水加工を施して(これを「整理」工程といわれている。)、かさ生地用に仕立て上げるのであるから、後者の例と同様、織物を表す「ほぐし織り」なる商標は、本件指定商品である「傘」との関係においては、「品質ないしは製法表示」に該当しないことになる。また、本件指定商品である「傘」のかさ生地は、本来の「ほぐし織り」なる織物自体に「整理」工程を介在させて特殊のかさ用の生地に仕立て上げるのであるから、加工を施さない「江戸染」の例とは異なり、請求人の指摘する過誤登録にも当てはまらない。
(3)さらに、請求人は、商品の品質や材料を表示する例として識別力を具えないと判断された事例(「EARL GREYS」及び「スピルリナ」)を挙げる。しかし、本件の場合、本来の「ほぐし織り」なる織物自体に、「整理」工程を施し、本来のほぐし織りとは別物の生地を作出しそれをかさ生地として使用するのである。逆に言えば、本来の「ほぐし織り」なる織物を何らの加工も施さずにかさ生地に用いたときは全く傘の用を為さないのである。この意味においても、上記の2例は、本件指定商品である「傘」との関係においては、全くケースを異にするものである。
(4)請求人は、使用による識別力について、相当期間、相当の範囲の各点において認められないと主張する。
しかし、その期間、範囲の認定においては、いずれも本件指定商品を取り扱う取引社会との関係で判断されなければならない。
そして、本件指定商品である「傘」に関しては、かかる商品群において、和傘ないし洋傘の区別は戦前より存在していたとしても、「高級洋傘」なる商品群が他の種類の「傘」と区別して位置付けられるようになったのは、戦後からのことである。
すると、戦後から本件商標の出願時である平成11年までの約50年間のうち、被請求人は、昭和34年から上記出願時までの期間において、本件商標を使用し続けていたのであるから、その期間は、約40年間にも及び「相当期間」に亘って使用していた事実が認められるのである。
また、被請求人は、高級洋傘を取り扱うも、主に、これを製造する製造業との関係で取引を行っており、これを小売りすることを業とするものではなかったため、本件商標を用いた商品を販売する相手方は、主に小売店を中心としており、一般消費者向けの営業・広告を行わなかった。
さらに、請求人は、傘の販売量に着目して、周知性を否定する。しかし、被請求人の製造・販売する高級洋傘は純国内生産であるから純国内生産のものと比較すると、純国内生産の数量(平成9年度生産数量約815万本)の殆どが一般大衆用の傘であるから、現在小売価格12000円前後の高級洋傘のうち、被請求人の製造・販売するほぐし織り傘が占める比率はかなりの割合に昇り、僅かではない。
したがって、本件商標による標章は、乙第10号証の各報告書のとおり、高級洋傘を取り扱う「需要者」の間にあっては、相当の範囲において、その識別力が認められ、認識されているのである。
さらに、請求人は、本件商標の構成態様について指摘するが、本件商標は、それが示すとおり、常用文字を用いて「ほぐし」と「織り」の平仮名と漢字を組み合わせた横書きの構成により本件指定商品を表した標章を用いて、商品の伝票に記載され、且つ、取引において「ホグシオリ」という称呼をもって、被請求人取扱商品を識別していたものである。
また、請求人は、被請求人提出の各報告書(乙第10号証)についても、その信憑性を否定する。しかし、各報告書は平成16年1月初旬から中旬にかけて作成され、しかも、各作成者は各報告者自身であるから、その内容が他の報告書と共通する文言を用いているとしても、そのことから内容の真実性が否定されるものではない。そして、請求人は、各報告書に商標の具体的構成が示されていないことを指摘する。しかし、各報告書には「『ほぐし織り』と名付けた傘」として、本件商標が、常用文字を用いて「ほぐし」と「織り」の平仮名と漢字を組み合わせた横書きの構成によりなることを示している。
加えて、被請求人は、裁判例(東京高裁・昭和54年(行ケ)第16号)を挙げて、「需要者」(商標法第3条第2項)は、商品の取引業者のみならず一般需要者、殊に最終消費者を含むことを主張する。しかし、当該裁判例は、その指定商品との関係において、一般需要者、殊に最終消費者が「その指定商品の産地及び品質を表示するもの」として認識することに依拠して、自他商品の識別機能を否定したものであるところ、正に「洋がさ地」の様な生地等の織物を指定商品としたケースであって、本件商標の指定商品である「傘」とケースを異にするものである。しかも、仮に百歩譲って、「需要者」の意味を最終消費者を含めるとしても、本件商標は、本件指定商品の場合には、充分に自他商品の識別力が認められる。つまり、被請求人の製造・販売する高級洋傘は、かさ生地部分の柄(がら)に、独自のデザインを施した図柄を用いて、自らが販売する商品(傘)にその特徴、個性を持たせ、図柄と一体化させた特徴、個性をもつ高級洋傘として販売していたのであって、だからこそ最終消費者の需要を利用すべく、現実に被請求人の製造する商品と全く同じデザイン・形態・「ほぐし織り」なる名称を模倣した疑似商品までもが流通している。実際、請求人自身が、被請求人の製造・販売する商品及び下札を模倣した疑似商品を販売している(乙第15号証及び乙第16号証)。これは取りも直さず、最終消費者にも「ほぐし織り」といえば、被請求人の製造・販売した洋傘を指すものと広く認識されていることの証左である。
そのうえ、「ほぐし織り」なる生地が稀有であることから、その生地をかさ地に利用した商品の供給量も限定されており、また、被請求人は、かさ生地のデザイン(模様)についても、自らがデザインを考案し、これを生地屋に製造させるという製造工程を経て、今日の高級洋傘ブームが巻き起こるまで、日夜営業努力を重ねていたことからしても、業界はもとより広く需要者の間にあって、被請求人取扱商品を表示することが著名となっている。
1.本件商標は、「ほぐし織り」の文字よりなるところ、請求人の提出した甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)岩波書店発行「広辞苑」(甲第2号証の1ないし甲第2号証の3)の「ほぐしおり(解し織)」の項には、「絣織物の一種。粗く緯糸を入れて仮織した経糸に抜染糊・捺染糊などを施して文様を染め、緯糸を抜き去って後に適当な緯糸で本織にしたもの。銘仙・セルなど若い女性向きの着尺地に用いる。ほぐしがすり。」と記載されていること。
また、小学館発行「国語大辞典・言泉」(甲第3号証の1ないし甲第3号証の3)の「ほぐしおり(解し織り)」の項及び淡交社発行「原色染織大辞典」(甲第4号証の1ないし甲第4号証の3)の「ほぐしおり 解し織」の項)にも、同様の意味(内容)をもって記載されていること。
(2)昭和40年11月10日に山梨県繊維工業試験場創立60周年記念事業協賛会から発行された、「郡内機業の歩み 繊維工業試験場創立60周年を記念して」(甲第5号証の1ない甲第5号証の3)の「洋傘地」の項には、「終戦前後にかけては、紋織が全盛であったが、その後、一般嗜好の移り変りによってホグシ機(タテ糸捺染品)が脚光をあび、この外には、格子ポチ(ドピー機による小紋柄)、市松、タテ線、色無地などが時流に沿い紋傘はその影を消した。」旨記載されていること。
(3)昭和54年12月10日に株式会社繊維研究社から発行された、「やさしい織物の解説」(甲第6号証の1ないし甲第6号証の3)の「カサ地」の章には、「ホグシ(解)織」が傘地に使用されている事実がほぐし織りの説明と共に記載されていること。
(4)足利伝統工芸品振興協議会のホームページ(甲第7号証の1及び甲第7号証の2)及び御幸織物株式会社のホームページ(甲第8号証)の検索において、「解し織/ほぐし織り」が織物の一種として紹介、記載されていること。
(5)業界紙「洋傘タイムス 1995年(平成7年)8月15日号」(第9号証)には、ハヤシミチ株式会社が大阪市の御堂筋ビルや福岡市の大博多ビル等で開催した「95〜96秋冬コレクション」に、傘地としてほぐしジャカードの転写プリントを用いた傘が出品された旨の記事が掲載されていること。同じく、「同紙 1996年(平成8年)2月15日号」(甲第10号証の1及び甲第10号証の2)には、株式会社前原光栄商店が、台東区三筋にある同社3階のショールームで内見会を開催し、ジャガード無地中心にほぐし生地を用い八脚の深張りから十二間・十六間の傘を打ち出した旨及び株式会社アイビスが、文京区小石川にある同社1階のショールームで新作巻物展示会を開催し、ほぐしの生地を用いた傘が展示された旨が掲載されていること。同じく、「同紙 1996年(平成8年)8月15日号」(甲第11号証)には、「ほぐし織」傘の再評価の見出しで、株式会社ダイトーが、千代田区神川佐久間町の都立食品技術センターホール1階で「96〜97年秋冬コレクション展示会」を開催し、この展示会では,日本製先染物の復活を願って「ほぐし織」を若い人向きのデザインでシリーズ的に打ち出した旨の記事が掲載されていること。同じく、「同紙 1997年(平成9年)12月15日号」(甲第12号証)には、請求人の一社である田中久株式会社が日本橋浜町の北ビルをはじめ、京都本社、札幌営業所等で「98春夏コレクション」を開催し、出品されたオリジナルのほぐし柄は本物指向ニーズに応えるクオリティ一商品である旨掲載されている。同じく、「同紙 1998年(平成10年)12月15日号」(甲第13号証)には、同社が京都・札幌・東京で「春夏コレクション99」展示発表会を開催した旨及び「高級美術洋傘の下げ札を付けた『ほぐし織』は和調の花柄に奥床しい風趣が惨み出る。」と掲載されていることが認められる。
2.上記1.の事実よりすれば、「ほぐし織り」は、織物の一種類を表わす語であり、その生地を用いた傘は、本件商標の登録出願時以前から登録査定時においても製造、販売されていたものということができる。
してみれば、本件商標「ほぐし織り」の文字は、織物の種類の一つを表わす語であって、商品「傘」に使用するときは、「ほぐし織りの生地を用いた傘」を認識、理解するに止まるものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、該商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
また、本件商標を「ほぐし織りの生地を用いた傘」以外の「傘」に使用した場合には、その商品が「ほぐし織りの生地を用いた傘」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるものといわざるを得ない。
この点において、被請求人は、既登録例(登録第457957号商標及び登録第4503502号商標)を挙げて、本件商標はその指定商品の品質、原材料等を表示することにはならない旨述べているが、いずれも、本件とは事案を異にするものであり、この既登録例に本件前記の判断が拘束されるとすべき理由はない。さらに、被請求人は、本件商標採択の経緯を述べているが、この採択の理由によっても、前記判断が妨げられるものではない。
3.本件商標が、被請求人の使用により、本件商標の登録査定時において、識別力を有するに至っていたか否かについて
(1)被請求人が本件商標を永年使用した結果、識別力が生じていると主張して提出した乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア)乙第2号証の1(下げ札)によれば、被請求人は、傘の下げ札に「高級美術洋傘」の文字と該文字よりやや大きい「ほぐし織り」の文字を上下二段に表示すると共に、山脈と思しき図形と「Mont Blanc」の文字を組み合わせた商標を使用し、さらに、品質表示による表示カードの右横に「ほぐし織り」の説明をしていること。そして、乙第2号証の2(納品書)によれば、平成3年2月4日付でこの下げ札が株式会社ニックより、被請求人に納品されたこと。
イ)乙第15号証の1(下げ札)によれば、被請求人は、傘の下げ札に「HOGUSHIORI」の文字と共に「高級美術洋傘」の文字と「登録商標」及び該文字よりやや大きい「ほぐし織り」の文字を三段に併記して表示すると共に、山脈と思しき図形と「Mont Blanc」の文字を組み合わせた商標を使用し、さらに、品質表示による表示カードの右横に「ほぐし織り」の説明をしていること。
ウ)乙第11号証の1ないし乙第11号証の18(通販広告)によれば、被請求人は、通信販売により、傘の販売をしていることが認められる。
(2)被請求人が傘の下げ札に使用している使用態様は、上記したとおりであって、「ほぐし織り」の文字のみをもって使用している事実はなく、いずれも、山脈と思しき図形と「Mont Blanc」の文字を組み合わせた商標と共に使用していること、さらに、下げ札中の品質表示による表示カードの右横に「ほぐし織り」の説明をしていることよりすれば、これに接する取引者、需要者は、「ほぐし織り」の文字部分からは「傘地にほぐし織りを用いた傘」であることを表示したものと認識するにとどまり、むしろ、山脈と思しき図形と「Mont Blanc」の文字を組み合わせた商標をもって、商取引に資されているものというのが相当である。
さらに、被請求人が通信販売により、傘の販売をしている使用態様をみると、乙第11号証の15及び乙第11号証の18(通販広告)に、乙第15号証の1(下げ札)と同様に「高級美術洋傘」の文字と「登録商標」及び該文字よりやや大きい「ほぐし織り」の文字を三段に併記して表示すると共に、山脈と思しき図形と「Mont Blanc」の文字を組み合わせた商標を表示していることは認めるとしても、その他は、傘を紹介する中で、記述的に「ほぐし織り」の文字を使用しているものであって、商標と認識、理解される使用の表示はない。
そうとすれば、被請求人が述べるように、その傘の販売数が年間2万本であったとしても、前記の「ほぐし織り」の使用の実情よりすれば、被請求人の「ほぐし織り」の使用は、本件商標の登録査定時において、識別力を有するまでに至っていたものと認めることはできない。
また、使用による識別力取得を証明する報告書(乙第10号証)は、いずれも作成年月日の記載もなく、予め空白部を設けて作成された印刷物に回答者が文言を書き込んだ「報告書」にすぎないものであって、これをもって、被請求人の「ほぐし織り」の使用が本件商標の登録査定時において、識別力を有するに至っていたものと断定することはできない。
(3)そうしてみると、上記「ほぐし織り」の文字の使用の実情、被請求人の主張等を総合勘案しても、本件商標は、本件商標の登録査定時において、使用により識別力を有するに至っていたものと認めることはできない。
4.したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号違反して登録されてものであるから、商標法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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