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Trademark Appeal Case

翻訳サーバの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−16739(T2002−16739/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「The翻訳サーバ」の文字を標準文字により書してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。),ダウンロード可能な電子計算機用プログラムその他の電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成13年6月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、英語の定冠詞であり、特定の事物、事象を意味する語ではなく、後に続く語を誇称するものとして用いられることも多い「THE」の文字と、「ある言語で表現された文章の内容を他の言語になおすこと」を指す「翻訳」の文字と、「ネットワーク上で、ほかのコンピュータに対して各種のサービスを提供するコンピュータやソフトウエアのこと」を指す「サーバ」の文字を「THE翻訳サーバ」と普通に用いられる方法で書してなるところ、現在広く普及、使用されているインターネットに関連する情報機器の業界では、世界規模のコンピュータネットワークであるインターネットの英文、その他の言語によるウェブページ等の情報を日本語に翻訳することを目的とするコンピュータ用ソフトが一般に製造・販売されていることから、これより「翻訳サーバ」等の意味合いを理解させるにとどまり、これを本願指定商品中、例えば「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。),ダウンロード可能な電子計算機用プログラム」に使用しても単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「The」、「翻訳」及び「サーバ」の各文字を結合したものと認められるところ、その構成中の「The」の文字は、英語の定冠詞であり、特定の事物、事象を意味する語ではなく、後に続く語を誇称するものとして用いられることが多いものである。

また、「翻訳」の文字は、「ある言語で表現された文章の内容を他の言語になおすこと。」の意味を有する語(広辞苑、岩波書店発行)として一般に親しまれているものといい得るものであり、「サーバ」の文字は、「ネットワーク上で他のコンピュータにサービスを提供するコンピュータまたはソフトウェア」を意味する語(和英コンピュータ用語大辞典、第3版、日外アソシエーツ株式会社発行)として本願商標を取り扱う業界においては、普通に使用されているものであるから、本願商標は、その構成全体から「ネットワーク上で、他のコンピュータに対して翻訳機能を提供するコンピュータまたはコンピュータソフトウェア」を意味するものとして容易に認識、把握され得るものとするのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品中、「コンピュータ、コンピュータソフトウェア」に使用するときは、その取引者、需要者は、全体として「インターネット等の外国語によるウェブページ等の情報を翻訳するための機能を提供するコンピュータまたはコンピュータソフトウェア」であることを表示したものとして認識し、把握するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。

(2)そして、前記の認定、判断は、例えば、次の(a)ないし(e)の新聞やインターネットの記事に、「翻訳サーバ」の文字が普通に使用されていることからみても妥当なものとして是認できる。

(a)2002年8月2日付け日刊工業新聞の6頁には「富士通、英日自動翻訳サーバ事業を関連会社に移管」の見出しの下に「富士通は、英日自動翻訳サーバ事業を、関連ベンチャーのアクセラテクノロジ(東京都渋谷区、進藤達也社長、03・5459・0793)に移管し、アクセラテクノロジが開発したビジネス向け英日・日英翻訳サーバ「eアクセラ・ビズリンゴ1・0版」を両社で販売する。価格は350万円。今後1年間で100本の販売を見込む。同サーバは英日267万語、日英273万語と業界最大級の辞書を持ち、英日・日英双方向の高品質な翻訳をイントラネット上で実現するクライアントサーバ方式の翻訳ソフト。」の記載がある。

(b)インターネットの「http://linux.ascii24.com/linux/news/today/2000/02/25/394432-000.html」のホームページには、「オムロンソフトウェア(株)が、同社製品ユーザーのための「クライアントの広場」ページを開設」の見出しの下に「オムロンソフトウェア(株)は、同社Webサイト上に「クライアントの広場」ページを開設した。同社は、早くからPC−UNIX対応製品を積極的にリリースしており、特に「Wnn」の開発で知られている。また、かな漢字変換サーバ「Wnn6」、英和和英辞書サーバ「eWnn」、日英英日翻訳サーバ「翻訳魂」の「クライアント作成用ソースコード」を、オープンソースライセンスの1つであるGPL(GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)の下に公開しており、自由にソースの改変や領布ができるようになっている。・・・」の記載がある。

(c)インターネットの「http://www.blue.co.jp/press/20000608.htm.」のホームページには、「機械翻訳サービス会社ノヴァ・アジアへ出資」の見出しの下に、「ノヴァ・アジアは、秋にも、日英・英日を基本パッケージとした「翻訳サーバ」を企業のイントラネット網向けに、SI会社を通じて販売を開始いたします。企業内の利用者は、英語のホームページを日本語に翻訳して閲覧することができるようになります。・・・」の記載がある。

(d)インターネットの「http://www.sw.nec.co.jp/soft/crossroad-enterprise/V2_kousei.html」のホームページには、「CROSSROAD for EnterpriseV2」のシステム構成」の見出しの下に、システム構成を表す商品写真と共に「『CROSSROAD for Enterprise_V2』は以下のように、サーバ2台の構成を基本とするイントラネット向けサーバシステムです。・・・翻訳サーバ、翻訳エンジン・・・」の記載がある。

(e)インターネットの「http://bizns.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/search/wcs-bun.cgi?ID=232342&FORM=biztechnews」のホームページには、「IBM、旅行者向けのオンライン翻訳システムを公開」の見出しの下に、「米IBMは「DEMO 2003」で、オンライン翻訳システム「InfoScope」を公開した。InfoScopeの仕組みは、まずパソコンや携帯型情報機器(PDA)などのカメラで撮影した画像を遠隔地の翻訳サーバに送信する。画像を受け取ったサーバはその画像を認識してテキスト変換し、さらに翻訳して、パソコンやPDAなどに返信する仕組みである。」の記載がある。

(3)そうとすれば、本願商標は、その指定商品中、「コンピュータ、コンピュータソフトウェア」に使用するときは、その取引者、需要者をして、その商品の品質を表示するものと認識させるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(4)なお、請求人は、本願商標のように「漢字仮名混じり語」に「英文字」を結合させて一連に表示すること自体、普通に用いられる表現方法でないため、看者の注意を惹き、自他商品識別機能を発揮すると主張している。

しかしながら、「The」の文字は、特定の事物、事象を意味しない英語の定冠詞であり、後に続く「翻訳サーバ」の文字を誇称するものとして用いられたにすぎないものとするのが相当であるから、このような語と漢字及び片仮名文字からなる語を組み合わせたからといって、かならずしも自他商品の識別標識としての機能を発揮することができるものということはできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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