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Trademark Appeal Case

「円」の通貨表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−9890(T2002−9890/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「EN」「えん」「円」の文字を三段に書してなり、第30類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成12年8月18日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同13年10月15日付け手続補正書により、最終的に、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『EN』、『えん』及び『円』の文字を普通に用いられる方法で併記してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に日本の通貨単位『円』を漢字で表し、その上部にローマ字及び平仮名表音を冠したものと理解するに止まり、何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「EN」「えん」「円」の文字を三段に書してなるものであるところ、たとえ、その構成中の「円」の文字が、日本の貨幣単位を想起させるとしても、通常、日本の通貨単位「円」を英語で表す場合には「YEN」と表示されるものであって、本願商標の欧文字部分が「EN」とローマ字で表示されていることからすれば、原審説示の如き特定の意味合いを看取されるものではないというのが相当である。

加えて、「円」の文字は、「まるいもの。一平面上で、一定点(中心)から一等距離(半径)にある点の軌跡。円周。」等を意味する語(広辞苑第5版)でもある。

そうとすれば、本願商標は、かかる構成においては、むしろ「まるいもの。一平面上で一定点(中心)から一等距離(半径)にある点の軌跡。円周。」を意味するものとして看取されると見るのが相当であるから、日本の貨幣単位を表示したものということはできない。

また、当審において調査するも、「EN」「えん」「円」の三段併記からなる文字が本願指定商品を取り扱う業界において、商品の価格等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も見出すことができない。

してみると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとは認め得ず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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