結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31171(T2002−31171/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件審判請求に係る登録第632121号商標(以下「本件商標」という。)は、「バランス」の片仮名文字と「BALANCE」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和37年7月28日に登録出願、第4類「化粧品、香料及薫料」を指定商品として、平成38年12月16日に設定登録されたものである。その後、この商標権は、4回にわたり存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、昭和58年6月27日及び平成11年10月1日に「株式会社コーセー」(東京都中央区日本橋3丁目6番2号)に専用使用権の設定登録がされている。
請求人は、本件商標の指定商品中第4類「化粧品」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のとおり述べている。
(1)被請求人が提出した書証は甲第2号証の1ないし3に係るカタログと甲第3号証の1ないし3に係る商品の現物と写真のみである。
(2)本件商標は「化粧品」を指定商品として「バランス」と「BALANCE」を上下ニ段に並記した構成を有する。甲第2,3号証に記載された商品は化粧品であることは認められるものの、同号証には、本件商標の使用の事実が示されていない。
(3)甲第2号証の1、2には、「ホワイトバランス」及び「モイスチュアバランス」の名称を付した2つの商品が記載され、甲第3号証の1ないし3には商品に「MOISTURE」と「BALANCE」を上下に併記した商標並びに「WHITE」と「BALANCE」を上下に併記した商標が示されている。
しかし、上記両商標は、いずれも本件商標と同一でないことが明らかなところ、「MOISTURE」及び「WHITE」はいずれも商品の普通名称、慣用名称でもない。したがって、「MOISTURE BALANCE」及び「WHITE BALANCE」の各商標が識別力を有する態様で使用され、それらは本件商標の「バランス」又は「BALANCE」と実質的に同一とも認めることができない。
甲第2号証に係るカタログには、2つの商品を上記の両商品を付してそれぞれの製品名としていることから、両商標に付された商品名は両者を区別するものとして表示されていること明かである。
(4)したがって、甲第2、3号証は、本件商標又は本件商標と社会通念上実質的同一と認められる商標の使用事実を立証するものではなく、他に本件商標の使用を立証するものはないので、本件商標は取消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、その証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出している。
なお、被請求人提出の平成14年12月13日付け答弁書には、乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)が添付されて提出されているが、答弁書の「答弁の理由」に記載されている甲号証の番号と添付されている甲号証の番号が整合していない個所があるので、その整合していない個所については答弁書に添付されている甲号証の番号に整合するように訂正し、以下、その訂正後の甲号証の番号による。
(1)専用使用権者及び通常使用権者について
本件商標権には、その指定商品中「化粧品」について、平成11年9月1日から平成15年12月16日まで、専用使用権者を「株式会社コーセー」(東京都中央区日本橋3丁目6番2号)とする専用使用権が設定されている(甲第1号証の2)。そして、「株式会社コーセー」の子会社たる「コーセーコスメポート株式会社」(東京都中央区八丁堀1−9−9)は、当該専用使用権についての通常使用権者である。
(2)本件商標の使用の事実および使用時期について
2001年商品カタログ(甲第2号証の1)は、本件審判請求の登録前3年以内の2001年に使用していた「コーセーコスメポート株式会社」の総合カタログであって、該当部分を抜粋し、コピーしたものである。
本件審判請求の登録前3年以内の2002年1月から使用しているコーセーコスメポート(株)の総合カタログ(甲第2号証の2)では、該当部分を抜粋し、コピーしたものである。
遅くとも本件審判請求の登録日である平成14年10月30日以前には使用していた2002年秋のコーセーコスメポート(株)の商品カタログ(甲第2号証の3)であって、該当部分を抜粋し、コピーしたものである。
上記の甲第2号証の1ないし3におけるカタログに記載されている商品「化粧水、クリーム」の写真及び包装箱の実物である。
(3)甲第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を総合すれば、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、専用使用権者「株式会社コーセー」又は通常使用権者「コーセーコスメポート株式会社」が本件商標と社会通念上同一と認められる商標「BALANCE」を「化粧水、クリーム」について使用していることは明かである。
本件商標は、取消請求に係る指定商品中の「化粧水、クリーム」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、専用使用権者又は通常使用権者により使用されているものであるから、その登録を商標法第50条の規定により取り消すべきものではない。
(1)甲第2号証及び同第3号証における事実
(イ)「2001 コーセーコスメポート 総合カタログ 2001年1月現在」の抜粋(写し)である甲第2号証の1及び「コーセーコスメポート 総合カタログ 2002 2002年1月現在」の抜粋(写し)である甲第2号証の2によると、いずれのカタログにも肌用の薬用美白美容液又は保湿美容液に「ホワイトバランス」(エッセンスローション)又は「モイスチュアバランス」(エッセンスローション)と表示され、その包装箱の写真が掲載されている。
(ロ)「コーセーコスメポート株式会社 秋の新製品 カタログ 2002」である甲第2号証の3(16頁)には、「薬用モイスチュアバランス」として、「薬用保湿美容液」の「エッセンスローション」及び「薬用 保湿クリーム」の「エッセンスクリーム」がそれぞれ商品の瓶容器とその外箱の写真が掲載されている。
しかして、甲第2号証の3のカタログ発行の時期は明かではないが、その3頁にはクリアターン(美肌用マスク)を「7/22出荷予定」、薬用モイスチュアバランスを「8/21出荷予定」と記載されていることからすると、このカタログは、2002年の秋の新製品カタログとして、少なくても2002年7月22日以前に出荷予定の商品を含め紹介(宣伝用カタログ)するために発行されたものと推認されるものである。
(ハ)商品「瓶容器」と「外箱」の写真及び外箱である甲第3号証の1に表されている商品は、甲第2号証の3(16頁)に掲載されている商品と同一のデザインの瓶容器及び外箱と認められるものであり、また甲第2号証の1(15頁)及び同第2号証の2(19頁)に掲載されている「モイスチュアバランス」と表示されている商品と同様のものと認められるものである。
そして、甲第3号証の1の写真によると、その商品の表示として、瓶容器の表面に赤色で「MOISTURE」の文字、その下段にやや小さく「BALANCE」(末尾の「E」の右下部分に「マルR」の記号が記載されている。)の文字、及びその下段に「essence lotion」の文字が表示されている。また、包装箱には、同様に、赤色で「MOISTURE」の文字、「BALANCE」(末尾の「E」の右下部分に「マルR」の記号が記載されている。)の文字が表示されていて、その表示の上側に「薬用 保湿美容液」の文字が大きく縦書きに表示されている。その裏側の面には「薬用 モイスチュアバランス(「マルR」の記号)」と表示されていて、その最下段の欄に「発売元 コーセーコスメポート株式会社」及び「製造元 株式会社コーセー」と表示されている。
(ニ)商品「瓶容器」と「外箱」の写真及び外箱である甲第3号証の2に表されている商品は、甲第2号証の1(15頁)、同第2号証の2(19頁)に掲載されている「ホワイトバランス」の商品と同一のデザインの瓶容器及び外箱と認められるものである。そして甲第3号証の2によると、瓶容器の表面に青色で「WHITE」の文字、その下段に籠文字で「BALANCE」(末尾の「E」の右下部分に「マルR」の記号が記載されている。)の文字、及びその下段に「essence lotion」の文字が表示されている。また、その包装箱にも、同様に、「WHITE」の文字、籠文字で「BALANCE」(末尾の「E」の右下部分にマルRの記号が記載されている。)の文字が表示されていて、それらの表示の上に「薬用 美白美容液」の文字が大きく縦書きに表示されている。その裏の面に「ホワイトバランス(「マルR」の記号)」と表示し、その最下段の欄に「発売元 コーセーコスメポート株式会社」及び「製造元 株式会社コーセー」と表示されている。
(1)前項1によって認定できた事実よりすると、肌の保湿用の「美容液」及び「クリーム」の瓶容器及び外箱について表示されている「BALANCE」の文字部分(以下「使用商標」という。)は、他の「MOISTURE」又は「WHITE」の文字と共に表されているとしても、段を異にし、また文字の大きさや太さ又はその表現方法を異にして表されていることからして、独立して表示されているものとみるのが相当である。
そして、本件商標は、第1で述べたとおり「バランス」の片仮名文字と「BALANCE」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、その使用商標は、「BALANCE」の文字のみで表しているものであるが、「BALANCE」の文字は「バランス」と称呼され、かつその意味も「釣合い、平衡」を意味する語として親しまれていることからすると、使用商標は、本件商標と称呼及び観念を共通にする社会通念上同一の商標と認められるものである。
(2)そして、甲第2号証及び同第3号証よりすると、使用商標に係る商品は、肌の保湿用の「美容液」又は「クリーム」(以下「使用商品」という。)と認められものであり、その使用商品は本件審判請求に係る指定商品「化粧品」に含まれるものと認められる。
甲第3号証の1及び2によると、使用商品は、「コーセーコスメポート株式会社」が販売元、「株式会社コーセー」が製造元であることから、「コーセーコスメポート株式会社」が使用商品を販売している者と認められるところである。
それからすると、本件商標の登録については「株式会社コーセー」が専用使用権者(商品「化粧品」について、昭和58年6月27日及び平成11年10月1日に設定登録されている。)であることからして、「コーセーコスメポート株式会社」には専用使用権についての通常使用権の許諾がされているものと推認できるものである。
また甲第2号証の1ないし3によると、使用商標を掲載した上記カタログは、少なくとも、2001年1月、2002年1月及び2002年(同年7月22日以前)に発行され、顧客に配布されたものと推認できるものである。
以上によれば、本件商標は、通常使用権者(専用使用権者及び商標権者の許諾による)によって、本件審判請求に係る商品「化粧品」に含まれる肌の保湿効果のある「美容液」又は「クリーム」について、審判請求の登録前3年以内である、少なくとも、2001年1月、2002年1年及び2002年(同年7月22日以前)に本件商標と社会通念上同一とみられる使用商標の使用をしたものと認められるものである。
してみれば、被請求人は、本件商標を通常使用権者が本件審判請求に係る商品「化粧品」に含まれる商品を審判請求の登録前3年以内に使用していたことを証明し得たものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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