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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30175(T2003−30175/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第532393号商標(以下「本件商標」という。)は、「ANON」の欧文字と「アノン」の片仮名文字を二段に書してなり、第36類「被服、手巾、釦紐及び装身用『ピン』の類」を指定商品として、昭和33年7月18日登録出願、同34年7月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、ずきん、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト及びこれらに類似する商品』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、ずきん、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト及びこれらに類似する商品」について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しない。

したがって、本件商標の指定商品中上記商品は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、丸三繊維工業株式会社(名称でいうときは、以下「丸三繊維工業」という。)に対し、通常使用権を許諾していると主張するが、通常使用権者が本件商標を使用している事実はない。

すなわち、乙第2号証(証明書)は、被請求人と被請求人が代表取締役会長を勤める丸三繊維工業によるものであり、乙第3号証(現在事項全部証明書)は、丸三繊維工業の商業登記簿にすぎないものである。

また、乙第4号証(写真)は、本件審判の請求の登録日(平成15年3月12日)以後の平成15年5月1日に撮影されたものであり、乙第5号証(下げタグ)は、商品名の記載がなく、また、いつ作成されたものかも不明である。

(2)したがって、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって使用されたことが証明されたものとは認められないから、本件商標の指定商品中前記指定商品についての登録は、商標法第50条1項の規定により、取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。

1 使用の事実

(1)被請求人は、岐阜県岐阜市薬師町1番地に所在の丸三繊維工業に対し、通常使用権を許諾している(乙第2号証)。上記丸三繊維工業は、被請求人が丸三繊維工業であり(乙第3号証)、被請求人は同社に対して、本件商標の通常使用権を許諾する社会的、合理的理由がある。

(2)通常使用権者は、本件商標の構成中の「ANON」の文字を使用しているが、この変更使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であって、登録商標の使用と認められるものである。

(3)乙第4号証の写真AないしE及び乙第10号証の写真AないしDは、丸三繊維工業の店舗及び店舗内に陳列されている、「ANON」の表示があるタグを付したセーターの写真である。

(4)乙第5号証は、乙第4号証の写真のセーターに使用されている下げタックの実物であって、表側に「ANON」商標が表示されている(上記「下げタグ」を以下「ANONラベル」という。)。

(5)乙第6号証の1ないし4は、通常使用権者が平成15年1月ころ取り扱ったセーター(婦人春物・オレンジ色)の写真で、平成15年11月13日に撮影したものである。このセーターには、ANONラベルが吊り下げられており(乙第6号証の1及び3)、該ANONラベルの裏面には、商品コード番号「305005」が表示されている(乙第6号証の2及び4)。

(6)上記商品コード番号「305005」のセーターは、平成15年1月25日に大阪市中央区の株式会社モードナスカ(以下「モードナスカ」という。)より12着納品され、同月31日に通常使用権者(第3事業部)が受領した(乙第7号証の1)。

モードナスカからの納品事実は、通常使用権者の仕入先元帳の「口座番号330392」のモードナスカの頁で確認することができる(乙第7号証の2)。なお、仕入先元帳の該当項目の商品コード番号は「32305005」で、冒頭に「32」の番号が付加されているが、この「32」は通常使用権者の社内コードで受入先の「第3事業部」を表すものである。同様に、モードナスカの「口座番号」についても、「納品書」(乙第7号証の1)の右上では「30392」であるところ、「仕入先元帳」(乙第7号証の2)の左上では社内コードの「3」が付加されて「330392」となっている。

(7)上記商品コード番号「305005」のセーターは、平成15年2月10日に、通常使用権者から株式会社クニエ(以下「クニエ」という。)に販売された。このことは、乙第8号証の1(納品書)及び2(株式会社クニエの得意先元帳)に、口座番号「310397」が記載されていることから明らかである。

(8)ANONラベルは、2001年(平成13年)9月26日に、岐阜市の有限会社創美社(以下「創美社」という。)から通常使用権者に納品され、創美社から通常使用権者に同年10月20日付けで請求書が、また、10月31日付けで領収証が発送された。

(9)通常使用権者は、「ANON(アノン)」及び「ANONの表示のもとに、被服について宣伝広告をした(乙第11号証の1ないし3:「ア・ミューズ’99春夏物フロアショーカタログ」、乙第12号証:「センイ・ジャアナル1998年(平成10年)1月12日号」)。

2 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、その請求に係る指定商品について、登録商標の使用がなされている。したがって、商標法第50条第1項の規定によって、本件商標の商標登録を取り消すことはできない。

第4 当審の判断

1 乙第2号証ないし乙第10号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第2号証は、証明書であるところ、該証明書によれば、被請求人は、岐阜県岐阜市薬師町1番地に所在の丸三繊維工業に対し、昭和34年より現在に至るまで、本件商標の商標権について通常使用権を許諾していることを証明したものである。

(2)乙第3号証は、平成15年5月9日付け証明の現在事項全部証明書であるところ、丸三繊維工業は、その目的を「繊維製品の製造加工購入購買」とするものであり、代表取締役の一人は、被請求人である。

(3)乙第4号証の写真AないしE及び乙第10号証の写真AないしDは、丸三繊維工業の店舗及び店舗内に陳列されている被服(セーター)の写真であり、該セーターには、「ANON」の表示があるタグ(ANONラベル)を付したものがある。

(4)乙第5号証は、ANONラベルの実物であり、その表面には、「ANON」の表示があり、また、同じく裏面には、「NO.」欄、「SIZE」欄等が設けられているほか、「MARUSAN・SEN−I/KOGYOU CO.,LTD」などの文字が記載されている。

(5)乙第6号証の1ないし4は、セーターの写真(平成15年11月13日撮影)であるところ、該セーターの胸部には、乙第5号証で認定したANONラベルが吊り下げられ、該ANONラベルの裏面の「NO.」欄には、「305005」が記載されている。

(6)乙第7号証の1は、大阪市中央区に所在のモードナスカが丸三繊維工業に宛てた平成15年1月25日付け納品書であるところ、その右上には、「口座番号/30392」の記載があり、また、「商品コード」、「商品名・規格・No.」、「数量」の各欄には、それぞれ「305005」、「1164 セーター」、「12」の記載がある。

また、乙第7号証の2は、丸三繊維工業の仕入先元帳と認められるところ、表の上部には、「330392」、「株式会社 モードナスカ」、「2003年4月21日現在」の記載があり、「03.1.31」の「伝票No./37661」の「コード/商品名 単価 数量」欄には、「32305005/セーター 1164」の記載があり、数量は「12」である。

(7)乙第8号証の1は、丸三繊維工業がクニエに宛てた平成15年2月10日付け納品書であるところ、その左上には、「310397」の記載があり、また、「品名」、「数量」の各欄には、それぞれ「305005 セーター オレンジ」、「1」の記載がある。

また、乙第8号証の2は、丸三繊維工業の得意先元帳と認められるところ、表の上部には、「310397」、「株式会社 クニエ」、「2003年4月18日現在」の記載があり、「03.2.10」の「伝票No./41788」の「コード/商品名 単価 数量」欄には、「32305005/セーター」の記載があり、数量は「1」である。

(8)乙第9号証の1ないし3は、岐阜市に所在の創美社から丸三繊維工業に宛てた、ANONラベルに関する2001年(平成13年)9月26日付け納品書、同年10月20日付け請求書及び平成13年10月31日付け領収証である。

2 前記1並びに答弁書及び回答書を総合すれば、本件商標の通常使用権者と認められる岐阜県岐阜市薬師町1番地に所在の丸三繊維工業は、セーター等の被服を販売する会社であり、その店舗内に陳列されたセーターには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ANON」(使用に係る「ANON」商標が本件商標と社会通念上同一の商標であることについては、当事者間に争いがない。)が表示されたANONラベルが付されていたこと、該ANONラベルが付されたセーターのうち、品番を「305005」とするセーターは、本件審判の請求の登録日(平成15年3月12日)前3年以内の平成15年1月25日に大阪市中央区に所在のモードナスカより通常使用権者に納品され、さらに、同年2月10日に通常使用権者よりクニエに販売されたこと、セーターに付されるANONラベルは、平成13年9月26日に岐阜市に所在の創美社より通常使用権者に納品されたことなどが認められ、通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中のセーターについて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと推認することができる。

なお、請求人は、被請求人と被請求人が代表取締役会長を勤める丸三繊維工業による証明書(乙第2号証)及び現在事項全部証明書(乙第3号証)をもって、通常使用権者が本件商標を使用している事実とはなし得ない旨主張するが、商標権者が自己の経営する企業に商標権の使用を許諾することは、商取引の実際おいて普通に行われているのみならず、本件商標の使用の事実は、上記認定のとおりであり、他に上記認定を覆すに足る証拠は見出せない。

3 むすび

以上のとおりであるから、本件商標の指定商品中の「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、ずきん、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト及びこれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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