Trademark Appeal Case
「INSIDE」結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90645(T2003−90645/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4689535号商標(以下「本件商標」という。)は、「イノベーターインサイド」の片仮名文字と「INNOVATOR INSIDE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成14年11月14日登録出願、第5類及び第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成15年7月4日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4060597号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成3年7月19日(優先権主張 1991年4月22日 アメリカ合衆国)登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成9年9月26日に設定登録されたものである。同じく、登録第4400293号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成11年6月25日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年7月14日に設定登録されたものである。同じく、登録第4348443号商標(以下「引用商標3」という。)は、「INTEL INSIDE」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月27日登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成11年12月24日に設定登録されたものである。同じく、登録第4378304号商標(以下「引用商標4」という。)は、引用商標3と同一の構成からなり、平成9年10月23日登録出願、第14類、第16類、第18類、第21類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年4月21日に設定登録されたものである。同じく、登録第4431588号商標(以下「引用商標5」という。)は、「INTEL INSIDE XEON」の文字を標準文字により表してなり、平成11年7月15日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年11月10日に設定登録されたものである。同じく、登録第4233497号商標(以下「引用商標6」という。)は、「THE COMPUTER INSIDE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月17日(優先権主張 1996年5月2日 アメリカ合衆国)登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成11年1月22日に設定登録されたものである。同じく、登録第4222888号商標(以下「引用商標7」という。)は、引用商標6と同一の構成からなり、平成8年10月17日(優先権主張 1996年5月2日 アメリカ合衆国)登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成10年12月18日に設定登録されたものである。同じく、登録第4492276号商標(以下「引用商標8」という。)は、「THE JOURNEY INSIDE」の文字を標準文字により表してなり、平成12年3月15日登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成13年7月19日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号及び同第7号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとし、その理由を要旨次のように述べている。
(1)申立人は、世界最大の半導体製品メーカーであるのみならず、本件商標の登録出願前からアルツハイマー病の研究支援活動に従事していることでも知られており、また、「○○○INSIDE」の形式からなる商標は、引用商標1ないし5の世界的な著名性と相俟って、申立人の商品及び役務の出所表示として取引者、需要者間に広く認識されている。諸外国では、「○○○INSIDE」の形式からなる商標は、申立人の商品等の出所表示として保護されている。
本件商標は、申立人の商品(役務)の出所識別標識として著名な「INTEL INSIDE」等の引用各商標に共通して使用している「○○○INSIDE」の形式を利用するものである。
そして、本件商標は、申立人が研究支援を行っている医療分野と密接に関係する商品(第5類)や申立人が取扱う半導体製品を主要部品として内蔵する可能性がある完成品(第7類)に使用するものであるから、本件商標が使用された場合、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的な関係を有する者の取扱いに係る商品であると誤信され、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、世界的に著名な引用商標1ないし5を知らずに、本件商標権者により偶然に採択されたものとは考えられない。本件商標は、申立人が引用商標1ないし5等を使用することにより、申立人の商品(役務)の出所表示として取引者・需要者の間に広く認識されるに至った「○○○INSIDE」の形式を利用するものであるから、申立人の資本投下と努力によって獲得した引用商標1ないし5の名声及び顧客吸引力に便乗するものといわざるを得ない。また、申立人と無関係の本件商標権者によって、本件商標が使用されるときには、引用商標1ないし5の強大な出所表示機能が希釈化され、その資産的価値が低下し、申立人に損害を与えることは避けられないものである。
そうすると、本件商標権者による本件商標の登録及び使用は、公正な商取引秩序の維持を旨とする商標法の精神、周知著名商標に与えられるべき国際的レベルでの保護、さらには、国際信義に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る各甲号証によれば、引用商標1及び2は、世界最大の半導体製品メーカーである申立人及びその使用権者等を通じて、マイクロプロセッサをはじめとするコンピュータ関連商品に使用される商標として、本件商標の登録出願当時、既に我が国のコンピュータ及びコンピュータ関連商品を中心とした広範な商品業界において、取引者・需要者の間で広く認識されていたことが認められる。
しかしながら、同号証を徴するも、申立人の著名な略称といい得る「intel」の文字を全く含まず、他の語と組み合わせた「○○○INSIDE」だけを伴う形式の種々の商標までもが、我が国において盛大に使用されていることを示す証左は少なく、「INSIDE」の文字前に冠する語の如何を問わず、「○○○INSIDE」という形式よりなる商標が申立人の業務に係る商品を表示する標識として、我が国における本件商標の指定商品の取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認めるに足る証拠は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、前記のとおり、「イノベーターインサイド/INNOVATOR INSIDE」の文字からなるものであって、その構成中に、「intel」の文字を含むわけではなく、また、「intel inside」と「INNOVATOR INSIDE」とは、双方の構成全体の外観、称呼及び観念において紛れるおそれのない非類似の標章というべきであることをも併せ考えれば、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者が直ちに、申立人又は申立人の使用に係る引用商標1ないし5を直感、連想又は想起するようなことはないというのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標と各引用商標とは、上述のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であり、商品の出所について混同を生ずるおそれもない別異の商標であって、本件商標から各引用商標ないしは申立人を直感、連想又は想起するようなことはないばかりでなく、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性も極めて薄いものと認められるから、本件商標を採択使用することが、直ちに各引用商標の名声にフリーライドするということはできず、各引用商標の顧客吸引力に便乗したものともいえず、また、諸外国の判決等の存在をもって、国際信義に反するとすべきものとも認められない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとすべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。