Trademark Appeal Case
著名商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90654(T2003−90654/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4690725号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハリーポーターエクスプレス」の片仮名文字と「Hurry Porter Express」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年9月2日に登録出願、第39類及び第42類に属する下記のとおりの役務を指定役務として、平成15年7月11日に設定登録されたものである。
<指定役務>
第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する(宿泊に関するものを除く)情報の提供,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く)の貸与」
第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与,通信ネットワークを利用した物流システムに関するコンピュータソフトウェアの提供」
2 登録異議の申立の理由
登録異議申立人ワーナー ブラザーズ エンターテイメント インコーポレイテッド(以下「申立人」という。)の引用する登録第4480056号商標(第16類、第25類、第28類、第30類及び第32類)は、「ハリー・ポッター」の文字を標準文字とし、平成13年6月8日に設定登録されたものである。同じく、登録第4521730号商標(第25類及び第28類)は、「Harry Potter」(該文字はやや図案化してなる。)の欧文字を横書きしてなり、平成13年11月16日に設定登録されたものである(以下、まとめて「引用商標」という)。
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、著者J.K.Rowlingにより書かれた、ファンタジーの主人公の名前であり、「ハリー・ポッター」シリーズと呼ばれる一連の本のタイトルとして、申立人の世界的に周知・著名な引用商標と類似の商標であるから、本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所につい混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の世界的に周知・著名な引用商標と類似する商標である。申立人と何等の関係をもたない第三者の本件商標の使用は、その名声の毀損等を招くことは必定であるから、不正の目的をもって使用するために出願したものといわざるを得ないものである。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標権者に不正の目的がない場合にも、本件商標は引用商標の出所表示機能の希釈化及びその名声の毀損を招くものである。
(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第6号証ないし甲第9号証によれば、引用商標は、J.K.Rowlingの著書「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に登場する主人公の名前であり、「ハリー・ポッター」シリーズの一連の本のタイトルとして使用され、我が国において、本件商標の登録出願時には、既に広く認識されていたことが認められる。さらに、引用商標は、各種商品(おもちゃ、タオル、トレーナー、バッグ等)に使用されている事実も認められる。
そこで、本件商標をみると、本件商標は、「ハリーポーターエクスプレス」及び「Hurry Porter Express」の文字よりなるところ、「ハリー」「Hurry」の文字は「急ぐこと、大急ぎ、急速」の意味を有し、「ポーター」「Porter」の文字は「運搬人」の意味を有し及び「エクスプレス」「Express」の文字は「急行の、高速の、急行列車」の意味を有する語であって、全体の文字よりは、「早く運搬する急行便」程の意味合いを想起させるものであるから、本件商標は、その構成中に、「ハリーポーター」「Hurry Porter」の文字部分を含むとしても、取引者、需要者をして、一連一体に構成された別異の商標と理解し認識されるものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、上記のとおり、広く認識されたものであったとしても、本件商標をその指定役務に使用した場合、申立人の引用商標を連想、想起させるものとはいい難いので、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係の有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標と申立人の引用商標とは、前記(1)で判断したとおり、別異の商標と認識、理解されるものであり、本件商標は、引用商標を連想、想起するものでない以上、本件商標をその指定役務に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声の毀損を招くものとはいえないし、また、不正の目的をもって使用することを意図して登録出願したものということはできない。
(3)まとめ
以上からすると、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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