結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31057(T2003−31057/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1155088号商標(以下「本件商標」という。)は、「HUSTLER」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和47年5月30日登録出願、同50年9月22日に設定登録され、その後、2回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「被服及びこれに類似する商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「被服及びこれに類似する商品」については使用されていないから、上記指定商品についての登録は、商標法第50条第1項により取り消されるべきである。
(1)乙第2号証の1及び乙第3号証の1は、外注製造指図書、乙第2号証の2及び乙第3号証の2は、仕上仕様書であるが、これらは、製品の仕様を記載した書類にすぎず、これらの書類によっては、当該仕様に基づいた製品が存在したことは証明されていない。
乙第3号証の3は、ラベル印刷業者の納品書、乙第2号証の5及び乙第3号証の5は、ラベルの写真である。これらは、仮にこのようなラベルが存在したことを証明するとしても、当該ラベルが「被服」について使用されたことまでを証明するものではない。
乙第2号証の3は、豊島株式会社名古屋本社の売上げ請求書、乙第2号証の4は、得意先(株式会社高島屋)の販売実績表、乙第3号証の4は、得意先(サンエー株式会社)の売上実績表であるが、これらの書類には、「HUSTLER」の文字が全く記載されていないことから、何についての売上げ又は販売実績を示すものであるのか不明である。
乙第1号証は、広島県被服工業協同組合の証明書であるが、本証明書に記載されていることが事実であるのならば、本件商標を付した「スラックス」を掲載したカタログ等、通常商品の販売広告において使われる書類が証拠として全く提出されていないのは不自然である。被請求人が上記のような証拠しか提出していないこと等にかんがみると、乙第1号証は、証拠としての信頼性に欠けるといわざるを得ない。
(2)乙第2号証の5及び乙第3号証の5に示されたラベルに表示された商標は、「HUSTLER」の文字、図形、「Enjoy your natural life in this splendid pants」の文字及びこれらを囲む枠及び四隅の飾りから構成されるものである(以下「使用商標」という。)。
使用商標中の「HUSTLER」の文字は、カーブを描いており、その下に位置する図形部分と一体感を持たせるような構成となっている。
このような構成の下では、「HUSTLER」部分の独立性が失われていると考えられるため、仮に、被請求人の提出した証拠によって、使用商標を付した「スラックス」が販売されていたことが証明されたとしても、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標には該当しない。
(3)以上より、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者等のいずれかがその請求に係る指定商品「被服及びこれに類似する商品」についての登録商標の使用をしていることを証明していないのであるから、本件商標は、その指定商品中「被服及びこれに類似する商品」についての登録は、取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、被請求人が、その指定商品中の被服について使用しているものである(乙第1号証)。
(2)乙第2号証の1は、品番6042のスラックス(以下、被請求人の主張に限り、「使用商品1」という。)に関し、被請求人が平成12年12月2日付けで、豊島株式会社名古屋本社(名古屋市中区錦二丁目14番27号、以下「豊島」という。)に宛てた外注製造指図書兼裁断報告書である(但し、右側部分の寸法指示及び特注指示部分は特殊ノウハウに係るものであることから墨消しを行った。)。
(3)乙第2号証の2は、使用商品1についての平成12年12月5日付けの仕上仕様書及び包装図である。本証の上欄中央に見られる「豊島栗本」、「太洋商事北村」の表記は、前者が上記(2)の外注先の豊島の担当者栗本氏を、後者はラベル印刷会社の太洋商事株式会社福山支店(福山市駅家町下山245−1)の担当者北村氏のことであって、同日付けでラベル印刷指示も行ったことを示している。
(4)乙第2号証の3は、上記(2)、(3)の指示によってなされた使用商品1についての豊島の2001年3月12日付け売上げ請求書である。
(5)乙第2号証の4は、使用商品1についての平成13年2月27日、同28日(28日は一部のみ)に於ける得意先(コードNo.21230,株式会社高島屋)への販売実績表である。
(6)乙第2号証の5は、使用商品1に付すラベルである。
(7)乙第3号証の1は、品番2519のパンツ(以下、被請求人の主張に限り、「使用商品2」という。)に関し、被請求人が2003年(平成15年)6月4日付けで、マツオカコーポレーション(福山市宝町4の14、以下「マツオカ」という。)に宛てた外注製造指図書である。
(8)乙第3号証の2は、使用商品2についての平成15年6月4日付の阿部氏(当時マツオカの担当責任者)に対する仕上仕様書及び包装指示図である。
(9)乙第3号証の3は、使用商品2について付すラベルの印刷業者である清川株式会社(大阪市中央区谷町4丁目10番6号)の2003年6月20日付納品書である。
(10)乙第3号証の4は、使用商品2についての得意先(コードNo.1816、サンエー株式会社、沖縄県宜野湾市大山7丁目2−10)への売上実績表である。
(11)乙第3号証の5は、使用商品2に付すラベルである。
前記1のとおりであるから、「本件商標が3年以上一度も使用された事実が存在しないとする」とした請求人の主張は、当を得たものではない。
(1)乙第3号証の1は、被請求人がマツオカに宛てた「処理日」及び「指図日」をいずれも「2003/06/04」とする外注製造指図書(パンツ)であるところ、「契約番号」を「A03M58159」とし、その「品番」欄には「2519」の、「型番」欄には「B03−00N000」記載がある。また、表中の右中程の「合計」欄には「1,460」の、同下段の「ウエストラベル」欄には「HS−7」の各記載がある。
(2)乙第3号証の2は、平成15年6月4日付けの仕上仕様書及び包装図であるところ、左上の表には、「品番/2519」、「型番/B03−00N000」、「契約番号/A03M58159」、「生産本数/1460本」などの記載がある。また、下部に示された「HS−7」の記号が付されたラベル(以下「HS−7ラベル」という。)には、「NO.2519」などの文字とともに、別掲のとおりの構成よりなる商標(使用商標)が表示されている。さらに、表の右に表示されたパンツ(ずぼん)の図のウエスト部分には、該HS−7ラベルが付されることを示している。
(3)乙第3号証の3は、清川株式会社(大阪市中央区所在)が被請求人に宛てた2003年6月20日付けの納品書であるところ、「オーダーNo./2519 74」欄の「品番/品名」欄、「色別数量」欄には、それぞれ「HS−7/下札」、「1,498」が記載されている。
(4)乙第3号証の4は、「処理日」を「2003/11/26」とし、「対象年月日」を「2003/09」とする被請求人における担当得意先品番別売上実績表と認められるところ、「得意先」欄には、「サンエー(アダルト)」の、「品番」欄には、「2519」の各記載があり、その品番の売上数量は「242」である。
(5)乙第3号証の5は、乙第3号証の2に示された「HS−7」のラベルと同一のものである(但し、「COL.1」と「COL.2」の差異がある。)。
そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成15年9月3日)前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「パンツ(ずぼん)」について別掲のとおりの商標(使用商標)を使用していたというのが相当である。
そして、乙第3号証の1ないし5に関し、これらが不使用による商標登録の取消しを免れるためにのみ作成された虚偽の証拠であると認めるに足りる的確な証拠はなく、他に、上記認定を覆すに足りる証拠の提出はない。
(1)本件商標は、前記したとおり、「HUSTLER」の文字を横書きしてなるものであるから、これより「ハスラー」の称呼及び「活動家、プロの玉突き」の観念を生ずるものである。
(2)使用商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「HUSTLER」の文字部分は、大きく明瞭に書されているのに対し、その下の図形部分は、一見して何を表現したものか理解し難いものであるから、これより特定の称呼、観念が生じないばかりでなく、該図形部分の下に小さく書された「Enjoy your natural life in this splendid pants」の文字部分は、「このすてきなパンツであなた本来の生活を楽しんで」なるキャッチフレーズ的意味合いを表したと理解され、自他商品の識別標識としての機能を有しない部分であるといえる。また、これらの文字及び図形を囲む線及び四隅の図形は、装飾的に付加されたにすぎないものであり、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を有しない部分である。
そうすると、使用商標に接する需要者は、その構成中、外観上見やすく、かつ、称呼しやすい「HUSTLER」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから、使用商標中の「HUSTLER」の文字部分は、他の構成要素と切り離されて独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
(3)したがって、使用商標の構成中、自他商品の識別標識としての機能を有する「HUSTLER」の文字部分は、本件商標を構成する「HUSTLER」と同一の綴り文字よりなるものであるから、本件商標と同一の称呼、観念を生ずることは明らかである。
してみれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中の「パンツ(ずぼん)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「被服及びこれに類似する商品」についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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