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Trademark Appeal Case

ARAMIS商標の混同・誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第4919号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ARAMISJEANS」の欧文字を横書きしてなり、第25類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成8年7月8日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同16年5月26日及び同16年6月30日付けの手続補正書によって、第25類「ジーンズ製の被服,ジーンズ製のガーター,ジーンズ製の靴下止め,ジーンズ製のズボンつり,ジーンズ製のバンド,ジーンズ製のベルト」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、その構成中に米国ニューヨーク市の『Aramis Inc.』製の男性化粧品に付して著名な商標である『ARAMIS』の文字を有してなるものであるから、出願人がこれを指定商品について使用する場合、前者の業務に係る商品又は何らかの関係のある者に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審における拒絶の理由の要点

当審において、以下の(1)及び(2)の旨認定、判断し、拒絶の理由を通知したものである。

(1)本願商標は、登録第1743180号商標及び同第1766716号商標(以下、まとめて「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)本願商標は、その構成中に「ジーンズ」の意味を有する英語「JEANS」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品中の「ジーンズ製の商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断

(1)始めに、原査定の拒絶の理由について判断する。

本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、審判請求書に添付された資料及び職権に基づく調査によれば、以下の事実が認められる。

(ア)請求人は、「アラミス」及び「ARAMIS」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和41年3月4日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同42年8月12日に設定登録された登録第751119号商標の商標権者である。

また、請求人は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和52年4月8日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として同56年10月30日に設定登録され、その後、指定商品については、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする書換登録がなされた登録第1485290号商標、及び同構成よりなり、同53年12月28日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として同57年3月31日に設定登録され、その後、指定商品については、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする書換登録がなされた登録第1505837号商標(以下、これらを「別掲(1)商標」という。)の商標権者でもある。

(イ)請求人は、昭和59年3月30日に株式会社アラミスインターナショナルとの間において、登録第751119号商標及び別掲(1)商標について商標使用許諾契約をした。

当該契約においては、請求人が許諾した商標を株式会社アラミスインターナショナルが第三者に再使用許諾することを認めるとする旨が規定されている。

(ウ)株式会社アラミスインターナショナルは、複数の第三者との間で請求人が許諾した商標の使用について契約をした。

(エ)株式会社アラミスインターナショナル及び前記契約により株式会社アラミスインターナショナルから商標の再使用許諾をされた複数の第三者は、別掲(1)商標を「セーター、カジュアルウェア、ネクタイ、ドレスシャツ、紳士服、メンズコート、ジャケット、インナーウェア、ナイティ、レディスプレタポルテ、レディスフォーマルウェア、紳士帽子、紳士用靴下、ハンカチ、タオル、寝装品」(以下「セーター、カジュアルウェア」等という。)等について使用し、これらの商品を百貨店、専門店等において販売し、また、相当量の宣伝広告をした。

(オ)その結果、請求人等の使用に係る別掲(1)商標は、本願商標の登録出願時には、我が国の前記商品の取引者、需要者の間において広く知られていた。

(2)「Aramis Inc.」(以下「米アラミス社」という。)が男性化粧品に使用する「ARAMIS」の商標については、以下の事実が認められる。

(ア)米アラミス社は、別掲(2)のとおりの構成よりなる登録第1714807号商標(以下「別掲(2)商標」という。)と同一の構成よりなる商標を、昭和39年(1964年)頃からアメリカ合衆国において男性用化粧品の商標として使用し始め、当該商標又はそれと社会通念上同一といえる商標を使用した男性用化粧品は、昭和45年(1970年)から我が国に輸入され販売されてきている。

(イ)その結果、米アラミス社の使用に係る別掲(2)商標は、本願商標の登録出願時に、我が国の前記商品の取引者、需要者の間において広く知られていた。

(3)そうすると、本願商標の登録出願時点において、請求人等が「セーター、カジュアルウェア」等に使用している別掲(1)商標と、米アラミス社が男性用化粧品について使用している別掲(2)商標とは、それぞれが我が国の取引者、需要者の間において、商品を異にして広く知られていた実情にあったものというべきであるから、異なる者により使用されている商標であることを取引者、需要者により認識されていたものというべきである。

(4)本願商標の指定商品は、前記1のとおり「ジーンズ製の被服,ジーンズ製のガーター,ジーンズ製の靴下止め,ジーンズ製のズボンつり,ジーンズ製のバンド,ジーンズ製のベルト」であるところ、これらの商品と請求人等が別掲(1)商標を使用している商品「セーター、カジュアルウェア」等とは、本願商標の指定商品と米アラミス社が別掲(2)商標を使用している商品「男性用化粧品」との関連性以上に密接な関連性を有する商品といえるものである。

(5)してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品「セーター、カジュアルウェア」等について使用され、取引者、需要者の間において広く知られている別掲(1)商標を使用している請求人等の取り扱いに係る商品であると認識するというのが相当であって、別掲(2)の商標を使用している米アラミス社の取り扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれのある商標とまではいうことができない。

(6)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

(7)次に、当審における拒絶の理由について判断する。

本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められるものである。

その結果、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しない商品となった。

したがって、商標の類否について論ずるまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした、前記3の当審における拒絶の理由(1)は解消した。

(8)さらに、本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものとなった。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした、前記3の当審における拒絶の理由(2)は解消した。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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