Trademark Appeal Case
「わさびのり」の識別力と記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−18542(T2002−18542/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「味付けのり,焼きのり,その他の加工水産物」を指定商品として、平成13年11月13日に登録出願、その後、指定商品については、同14年8月19日付け手続補正書により、「味付けのり」と補正されたものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『わさびのり』の文字を縦に緑色に筆書し、その両側にグラデーションの傍線を書してなるところ、『わさびのり』の文字は、『わさび風味の味付けのり』の意味合いを認識させるものであるから、これを本願指定商品中、『わさび風味の味付けのり』に使用しても、単に商品の原材料、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて
本願商標は、別掲のとおり、緑色の文字をもって「わさびのり」と筆書きしてなるところ、その構成中、「わさび」の文字部分は、「アブラナ科の多年草。根を香辛料とする。」(広辞苑第5版)を意味する語を、そして、「のり」の文字部分は、商品「海苔」を表したと理解されるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合は、全体として、「わさび風味の味付けのり」の意味合いを容易に想起させるものである。
加えて、「わさびのり」の語が、「わさび風味の味付けのり」を意味する語として使用されている事実を、以下のとおり認めることができる。
(i)「田丸屋本店」のホームページ(http://pn.cjn.or.jp/mpn/contents/00001284/page/1 10.html)の商品紹介欄には、「おつまみわさびのり840円」があり、その内容説明には、「磯の香りにわさびの刺激/わさび味のてりやきのりです。」の記載がある。
(ii)「楽天市場」インポートショップトレンドのホームページ(http://www.rakuten.co.jp/e-trend/486112/486828/489647/)の商品紹介欄には、「わさびのり8切8枚8袋 定価450円」があり、その内容説明欄には、「良質の本わさびを、塩と胡麻油で味付けした岩海苔にまぶし、丁寧に焼き上げました。」の記載がある。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、わさび風味の味付けのりに使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するに至ったか否かについて
請求人は、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備するに至った旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第3号証を提出している。
甲各号証によれば、請求人が販売している「わさびのり」が旅館やホテルとの間で取引されて、その旅館やホテルの業務用及び宿泊客への売店等における販売用に使用されている実情を認めることができるが、これは、旅館やホテルという特定の場所についての販売の実情にすぎないものであって、これのみで、本願商標が、広く周知となっている商標とまで認めることはできない。
なぜなら、本願指定商品である「味付けのり」は、広く一般家庭において日常的に食される商品であるから、該商品の主たる需要者は、一般の消費者といえるところ、請求人は、本願商標を請求人の取り扱う「味付けのり」に使用し、それを一般消費者向けに販売して、本願商標が請求人の商標として、広く周知となっていることを証明する資料を提出してない。
加えて、甲各号証において、本願商標の使用の実態をみるに、たしかに「わさびのり」の文字が商品のパッケージ正面や、小袋に分けられた各袋ごとに付されているものではあるが、一般に、この種の商品では、商品の包装等に商品の内容を具体的に表示して販売していることが普通に行われている実情にあるから、該文字が商品に付されているからといって、直ちにこれを、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る部分として認めることはできない。
以上のことから、本願商標が、「味付けのり」に使用され、請求人の業務に係るものとして、取引者・需要者間に広く認識されるに至っていると認めることはできない。
してみれば、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するに至ったものであるとする請求人の主張は、これを採用することができない。
(3)むすび
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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