Trademark Appeal Case
ワークグループサポートの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−5467(T2001−5467/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Workgroup Support」の欧文字を横書きしてなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,レコード,メトロノーム,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置」を指定商品とし、平成10年7月3日に登録出願された平成10年商標登録願第56716号の分割出願として、平成12年8月3日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『Workgroup Support』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、『Workgroup』の文字は、コンピューター等の分野においては、『ネットワークを介して接続されているパソコンのグループ』を表す語として使用されており、このネットワークで接続されたパソコンのグループに、同じワークグループ名を設定することで、ファイルやプリンターを共有することができるものである。また、『Support』の文字は『支える、支援する』等の意味を有する平易な英語であり、コンピューターの分野では各種業務を支援するソフトウエア等が市販されている。さらに、ワークグループ向けのファイルサーバ一やそのためのソフトウエアも市販されている。そうすると、これを指定商品中、ファイルサーバ一やそのためのソフトウエア(プログラムを記憶させた電子回路、その他の記録媒体)等、上記文字に照応する商品に使用するときは、『上記ネットワークを介して接続されるパソコンのグループを支援するための商品』等の如く理解させるにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「Workgroup Support」の文字よりなるところ、その構成中、前半部分の「Workgroup」(ワークグループ)の語は、例えば、「パソコン用語事典 2002年版」(発行所 株式会社エクスメディア)によれば、「ネットワーク上におけるパソコンのグループのこと。グループ内でファイルやプリンタを共有することができる。」と、「日経BP デジタル大事典 2001−2002年版」(発行所 日経BP社)によれば、「Microsoftネットワークを介して接続されているパソコンのグループのこと。ネットワークで接続されたパソコンのグループに、同じワークグループ名を設定することで、ファイルやプリンタの共有を行うことができる。ワークグループは小規模なネットワークを管理するための単位で、大規模なネットワークではドメインと呼ばれる単位を利用する。」と、「通信ネットワーク用語事典 2003−2004年版」(発行所 株式会社秀和システム)によれば、「米マイクロソフト社のネットワーク製品において、ドメインを用いたユーザー情報の集中管理を行わず、個々のコンピュータで個別にユーザー情報を保持する、いわゆるピア・ツー・ピア・ネットワークの状態を指す言葉。ドメイン管理機能を持たない、デスクトップOSのみで構築されたネットワークは、この状態になる。......」と、「最新 インターネット用語事典」(発行所 株式会社技術評論社)によれば、「WindowsNTやWindows95などのOS環境で、複数のコンピュータがLAN上で共有されているグループ。Windows95同士でワークグループを作り、ピア・ツー・ピアのLANを構築したり、WindowsNT Workstationでワ−クグループサーバを構築するケースを多く見る。Macintoshでゾーンと呼ぶものもワークグループの一種。」と記載されている。
さらに、1999年3月18日付け毎日新聞によれば、「デルコンピュータは、PCサーバー『PowerEdge 1300』の購入時オプションに『TurboLinuxサーバー日本語版1.0』と『オラクル8 ワークグループ・サーバー for Linux R8・0・5』を追加した。」と、2001年10月10日付け日刊工業新聞によれば、「新日鉄ソリューションズは9日、ベリタスソフトウエア、日本オラクル、サン・マイクロシステムズの3社製品を組み合わせたソリューション『Nーvos(エヌボス)イニシアティブ』の第1弾『ワークグループ・パッケージ』を15日に発売すると発表した。」と、2002年5月31日付け日刊工業新聞によれば、「日立製作所は、ワークグループサーバ『HA8000』シリーズに、インテルの最新プロセッサー『ジーオン』を搭載したモデルを追加した。」との記事が掲載されている。
つぎに、後半部分の「Support」(サポート)の語は、例えば「コンサイス外来語辞典」(発行所 株式会社三省堂)によれば、「支持、後援」と、「最新 インターネット用語事典」(発行所 株式会社技術評論社)によれば、「ソフトウエアやハードウエアを販売した後もメーカーが行うアフターサービスの1つ。使用法の問い合わせに答える、バージョンアップした製品をユーザに提供する、バグが見つかった時にバグ修正バージョンを無料配布する、などがある。」と記載されている。
また、コンピュータを取り扱う業界では、各種業務をサポートするソフトウエアが数多く製造販売されてる実情にもある。
してみると、本願商標を構成する「Workgroup」の語と「Support」の語とを一連に書してなる「Workgroup Support」をその指定商品中、例えば「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」に使用したとき、本願商標に接する取引者、需要者は、それぞれのもつ意味合いから「ネットワーク上のコンピュータを支援するための商品」程の意味合いを容易に把握、理解するとみるのが相当である。
そうとすれば、普通に用いられる方法で「Workgroup Support」と表示してなる本願商標は、指定商品中、「ワークグループを支援するための商品」について使用するときは、その商品の品質(用途)を記述したにすぎず自他商品識別機能を具有しないものであり、かつ、本願商標を上記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質(用途)について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「本願商標の『Workgroup Support』も『Workgroup』も辞書、字典等に記載された言葉でなく、一般的であるとは言い難い言葉である。一般的に存在しない言葉から、特定の意味合いを引き出し、商品に関する識別力を判断することは誤りである。」旨主張している。
しかしながら、確かに「Workgroup Support」それ自体は、辞書等に記載されていないとしても「Workgroup」及び「Support」の各文字は、各種辞典、辞書等に記載され、かつ、新聞紙上に用いられている用語であることは、前述のとおりである。
そして、そもそも商標法第3条第1項第3号の立法解釈は、「取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(平成12年9月4日 東京高裁平成12年(行ケ)76号事件判決参照)としている。
してみると、請求人の主張は、これらの点からみても失当といわざるを得ず、採用する限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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