結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−31025(T2000−31025/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1879769号商標(以下「本件商標」という。)は、「Kent」の文字を書してなり、昭和59年3月27日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年7月30日に設定登録、その後、平成8年12月24日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
(注:請求人は、本件審判請求書に甲第1号証(商標登録原簿写し)を添付したにもかかわらず、弁駁書(平成13年3月1日付け)においても、別の甲第1号証(行政区画の変更に関する証明書原本)を添付している。内容の異なる書面に、同一の甲第1号証という表示を付し、そのままにすることは混乱に繋がるので、それぞれに枝番号を付して、前者を「甲第1号証の1」、後者を「甲第1号証の2」として取り扱う。)
(1)本件商標は、その指定商品中「はき物」について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定より取り消されるべきである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(ア)乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証(本件商標の「商標権通常使用許諾契約書」)は、平成8年7月30日に締結されているが、それに記載されている通常使用権者である株式会社ランバートの住所と乙第2号証のパンフレットに記載されている通常使用権者の住所「〒542大阪市南区周防町26−1心斎橋アーバンライフ401」とは一致していないから、乙第2号証は、上記通常使用権の許諾後に作成されたパンフレットでないことが明らかである。
何故なら、平成元年2月13日に「大阪市東区」と「大阪市南区」は、行政区画変更により、「大阪市中央区」とされており(甲第1号証)、同日の住居表示の実施による変更後8年以上経過した平成8年7月30日に、本件商標の商標権者である株式会社内田洋行と通常使用権者である株式会社ランバートが、本件商標の商標権に関する通常使用権許諾契約を締結したというのであれば、当該締結日以降の本件商標の使用事実を示す証拠であるパンフレット(乙第2号証)に記載の株式会社ランバートの住所は、行政区画変更及び住居表示の実施による変更後の住所である「〒542大阪市中央区西心斎橋一丁目5番12号心斎橋アーバンライフ401」(甲第2号証)でなければならない。
してみると、乙第2号証のパンフレットは、前記通常使用権許諾契約の締結日である平成8年7月30日よりも前に作成されたものというべきであり、しかも、行政区画変更及び住居表示の実施による変更がされた平成元年2月13日よりも前に作成されたパンフレットであることが明らかである。
したがって、乙第2号証をもって、本件商標の使用を証明した証拠とはいえない。
(イ)乙第3号証について
被請求人は、乙第3号証のパンフレットの作成日が平成10年3月であると主張しているが、乙第3号証に記載されている商品の注文、問合せ先である株式会社ランバートの住所は、「〒542大阪市南区周防町26−1」であることよりすれば、乙第3号証のパンフレットは、平成10年3月に作成されたものではない。
そのことは、上記(ア)の理由のほか、平成10年2月2日から郵便番号の7桁表示が実施されている(甲第3号証)にもかかわらず、乙第3号証の郵便番号が「〒542」と記載されている点でも明らかである。
以上のとおり、乙第3号証のパンフレットに記載された郵便番号、住所の表示がいずれも旧表示であることから、乙第3号証のパンフレットは、平成10年3月に作成されたものではない。
むしろ、乙第3号証のパンフレットは、郵便番号の7桁表示が実施された平成10年2月2日よりも前に作成されたものであって、しかも、行政区画変更及び住居表示の実施による変更がなされた平成元年2月13日よりも前であることは明らかである。
さらに、乙第3号証のパンフレットは、前記通常使用権許諾契約の締結日(平成8年7月30日)よりも前に作成されたものであることも明らかである。
したがって、乙第3号証をもって、本件商標の使用を証明した証拠とはいえない。
通常使用権者である株式会社ランバートは、昭和50年6月10日に「大阪市東区伏見町2丁目21番地伏見ビル内」に設立され、昭和58年1月25日に「大阪市南区周防町26番地の1心斎橋アーバンライフ604号」へ移転し、その後、昭和59年9月17日に「奈良県橿原市大久保町40番地」へ移転し、平成8年5月30日に現住所である「大阪府堺市槇塚台2丁7番2号」へ移転したものである(登記簿謄本:乙第9号証ないし乙第11号証)。
平成8年7月30日に株式会社ランバートは、商標権者から本件商標「Kent」についての通常使用権許諾契約を受けたのであるから、通常使用権者となった株式会社ランバートが乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットを作成した時点の住所は、上記住所の事実を証明する書面(乙第9号証ないし乙第11号証)に照らすと、「大阪府堺市槇塚台2丁7番2号」でなければならないところ、乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットにおける株式会社ランバートの住所は、「大阪市南区周防町26番地の1心斎橋アーバンライフ604号」となっており、矛盾している。
仮に、本店を移転し、営業・販売に関しては、引き続き「大阪市南区周防町26番地の1心斎橋アーバンライフ604号」においてなされていたとしても、住所は、「大阪市中央区西心斎橋一丁目5番12号心斎橋アーバンライフ401」であるべきである。
したがって、この矛盾点が解消されないのであれば、乙第2号証及び乙第3号証のカタログは、使用を証明した証拠とはならない。
しかも、住居表示の実施による変更後の住所である「大阪市中央区西心斎橋1丁目5番12号心斎橋アーバンライフ401」(甲第2号証)を表示すべきことについて、被請求人は、何ら釈明していないので、乙第2号証及び乙第3号証の成立性について不知である。
本来であれば、平成10年3月の時点における通常使用権者の住所は、「〒542−0086大阪市中央区西心斎橋一丁目5番12号心斎橋アーバンライフ401」(甲第2号証)と記載されるべきである。
しかし、乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットにおける郵便番号及び住所の表示は、いずれも旧表示であることについての釈明がなく、もし、郵便物を発送すれば、業務上の郵便物は、全て返却されると解されるから、このことは通常使用権者が業務を行っていない証拠というべきである。
(ウ)乙第4号証について
乙第4号証の見本帳には、その作成年月日が記載されておらず、現在まで本件商標を取消請求に係る商品に使用している証拠とはならない。
さらに、当該見本帳の表紙部分には、「Walt Disney Company」(以下「ディズニー社」という。)が著作権を有するキャラクターの「ミニーマウス」が使用されており、その全身図形の上に重ねて、「Kent/IN/TRADITION」という標章を印刷したラベルが貼られているところ、ディズニー社のキャラクターである「ミニーマウス」の図柄を変更又は修正する使用は、一般的にディズニー社では許諾していないことが知られており、「Kent/IN/TRADITION」のラベルを当該「ミニーマウス」の図柄の上に重ねて貼るという表示方法は、極めて不自然、かつ、作為的に感じられる。かかる使用形態をディズニー社が許可したのであれば、その使用許諾があった書面も併せて提出すべきであり、使用許諾の書面がないのであれば、本件商標の使用は作為的と断ぜざるを得ない。
したがって、乙第4号証は、作成年月日が不明なうえ、上記事情よりすれば、本件商標の使用を証明した証拠とはならない。
(エ)乙第5号証ないし乙第8号証について
乙第5号証ないし乙第8号証の各納品書には、商品について本件商標を使用した記載が一切ない。
したがって、これらは、本件商標の使用を証明した証拠とはならない。 (オ)乙第12号証及び乙第13号証について
被請求人は、乙第5号証ないし乙第8号証(各納品書[控])と乙第12号証及び乙第13号証(各証明願)によって、商標「Kent」を付した靴が使用された事実を証明し得たとしているが、たとえ、乙第5号証ないし乙第8号証(各納品書[控])に日付が記載されているとしても、それらに記載されている商品が商標「Kent」を付したものであることを証明する筈の乙第4号証(商品見本帳)に、作成年月日が記載されていないことから、乙第5号証ないし乙第8号証に記載の商品が商標「Kent」を付したものであったことは証明されておらず、これらをもって、本件商標の使用を証明した証拠とはいえない。
「Kent」商標を付した「靴」を通常使用権者が製造・販売していたという事実が明確に証明されていない現段階において、通常使用権者から商品「靴」の納入・販売がされたことを証明するとしている乙第12号証及び乙第13号証の各証明願は、通常使用権者が商標「Kent」を付した商品「靴」を製造・販売した証明にはならない。
(カ)請求人は、被請求人による「少なくとも、平成9年2月21日から現在まで使用されていることを証明できる。」との主張を否認するとともに、請求人提出の甲第4号証ないし甲第11号証によって、被請求人の主張を覆すものである。
(a)NTT西日本発行の堺市地域版「50音別 ハローページ」(甲第4号証)及び「職業別タウンページ」(甲第5号証)には、通常使用権者の電話番号の登録が見当らない。
因みに、乙第7号証に見られる通常使用権者の電話番号は、個人宅の電話番号である(電話番号そのものは実在している)。
(b)通常使用権者が登記されている堺市の堺商工会議所が発行した「創立120周年記念堺商工名鑑1999」(甲第6号証)には、通常使用権者の会員登録がない。
(c)大阪商工会議所が発行した「大阪商工名鑑1999」(甲第7号証)には、通常使用権者の会員登録がない。
(d)「SHOES&BAG 有力企業名鑑99年度版」(甲第8号証)及び「SHOES&BAG 有力企業名鑑 2002年度版」(甲第9号証)には、通常使用権者の掲載がなく、通常使用権者の実態的業務活動の痕跡は窺えない。
(e)乙第12号証の証明者である「スポーツブティックCHOYA」及び乙第13号証の証明者である「メンズクラブ」は、外観写真(甲第10号証及び甲第11号証)からもわかるように、ゴルフ用品店と喫茶店である。
いずれも、靴を扱う店舗ではないことから、請求人は、乙第12号証及び乙第13号証の成立を否定する。
(f)甲第4号証ないし甲第11号証により裏付けられるとおり、通常使用権者が製造及び/又は販売していると称している商標「Kent」を付した靴のカタログを需要者等が取り寄せ又は靴の購入を希望した場合には、通常使用権者の電話番号がNTTの電話帳に番号登録されておらず、また、現在、その登記がされている堺商工会議所及び大阪商工会議所同業組合に会員登録されていないために、連絡するには困難であり、営業実態があるとはいえない。
したがって、「少なくとも平成9年2月21日から現在まで使用されていることを証明できる。」との被請求人の主張については、否認する。
(キ)大阪・堺・神戸・京都等、通常使用権者の所在地近隣の大都市には、紳士靴の取扱い店舗が多数あるにもかかわらず、何故、通常使用権者は、大都市を避け、このような人口過疎地とのみ取引を行っているのか不明であり、その使用証明には作為性を感じる。
(ク)請求人は、本件審判請求の対象たる本件商標「Kent」(英文字のみ)と同一の権利者である株式会社内田洋行の所有する登録第1294845号商標[商標「KENT/ケント」(英文字と片仮名文字の二段横書き)]に対し、平成13年5月31日付けで取消審判請求(取消2001一30602)を行っており、同請求に対し、被請求人からは何らの答弁もなかったので、当該登録商標の指定商品中の第22類「はき物」については、登録を取消すとの審決がなされ、既に確定している(甲第12号証)。
被請求人は、本件審判請求の取消し対象である本件商標と類似する上記登録商標に対して使用事実を立証していないから、そのことは、本件商標が使用されなかったことの傍証となると請求人は確信している。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、請求人の弁駁に対する再答弁を(2)以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標をその指定商品中「はき物、かさ」について、平成8年7月30日から5年間、「大阪府堺市槇塚台2丁7番2号」に所在の「株式会社ランバート」に通常使用権を許諾している(乙第1号証)。
(ア)乙第2号証(通常使用権者の取扱いに係る商品「靴」のパンフレット)によれば、通常使用権者は、その取扱いに係る商品「タッセル」「ローファー」型の短靴において、その木型、中敷及びパンフレットに本件商標「Kent」を使用している。
このパンフレットは、「大阪市中央区南船場2−3−4」所在の「株式会社西原研究所」に依頼し作成したものである。
(イ)乙第3号証(通常使用権者の取扱いに係る商品「靴」のパンフレット)によれば、通常使用権者は、その取扱いに係る商品「タッセル」「ローファー」型の短靴を掲載したパンフレットに本件商標「Kent」を使用しているものである。
このパンフレットは、平成10年3月に「大阪市中央区内平野2−1−12」所在の「新日本法規出版株式会社」に依頼し作成したものである。
(ウ)乙第4号証(通常使用権者の取扱いに係る商品見本帳)によれば、通常使用権者は、その表紙に、本件商標「Kent」を使用しており、トムズパークへの平成9年2月21日付けの納品書(控)(乙第5号証及び乙第6号証)、蝶屋への平成11年12月10日付けの納品書(控)(乙第7号証)、メンズクラブへの平成12年4月24日付けの納品書(控)(乙第8証)に照らすと、当該商品見本帳によって、取引が行われていた事実がわかる。
例えば、乙第5号証の納品書(控)に記載された商品名欄の「1600 ウィングチップ」、摘要欄の金額「29000」、商品名欄の「1601 ストレートチップ」、摘要欄の金額「29000」、商品名欄の「2401 ローファーズ」、摘要欄の金額「21000」等は、商品見本帳の第1頁及び第8頁に掲載された商品と一致している。
(エ)通常使用権者の取扱う商品は、靴のデザインとしては変化のない伝統的なデザインであり、また、盛大に商品を広告・販売しているものではないので、新しいパンフレット等を作成していないが、当該パンフレット、商品見本帳及び納品書(控)等を総合勘案すれば、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る商品「はき物」について使用していたことがわかるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるいわれはない。
(オ)通常使用権者は、昭和50年6月10日に「大阪市東区伏見町2丁目21番地伏見ビル内」に設立され(乙第9号証)、昭和58年1月25日に「大阪市南区周防町26番地の1心斎橋アーバンライフ604号」へ移転し(乙第10号証)、その後、昭和59年9月17日に「奈良県橿原市大久保町40番地へ移転し(乙第11号証)、平成8年5月30日に現在の住所「大阪府堺市槇塚台2丁目7番2号」へ移転して営業をしている(乙第11号証)。
(カ)通常使用権者は、小規模営業であるので、商品を盛大に広告宣伝しているものではなく、しかも、取扱い商品「靴」は、伝統的なデザインで型に変更がないので、乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットは、従来のものを使用している。
(キ)また、乙第4号証の商品見本帳には作成年月日がないとしても、乙第5号証ないし乙第8号証の納品書(控)と乙第12号証及び乙第13号証の証明願を併せ考えれば、本件商標は、通常使用権者によって、少なくとも、平成9年2月21日から現在まで使用されていることが証明できる。
(ク)通常使用権者が蝶屋と取引した平成11年12月10日付けの納品書(控)(乙第7号証)に記載の品名「2401 コインローファー」「2501 コインローファー(しぼ皮)」は、商品見本帳のものと一致している。当該納品書(控)の適要欄の数字「21000」は、小売価格を意味している。
(ケ)さらに、被請求人は、平成11年12月10日に取引があったことを証明する書面を提出する。その証明者「CHOYA」とは、蝶屋である(乙第12号証)。
また、「メンズクラブ」と取引した平成12年4月24日付けの納品書(控)(乙第8号証)の上から四段目の品名「1601 ストレートチップ」は、商品見本帳の商品と一致している。当該納品書(控)の適要欄の数字「29000」は、小売価格を意味している。
被請求人は、平成12年4月24日に取引があったことを証明する書面を提出する(乙第13号証)。
(コ)そして、乙第4号証の商品見本帳の表紙及び掲載に係る商品「靴」の木型の踵部には、「Kent」の文字よりなる商標が使用されている。
(サ)以上のように、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第13号証を総合すると、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標をその指定商品中に含まれる商品「靴」に使用していた事実が認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取消請求に係る商品「はき物」について取り消されるべきいわれはない。
(2)請求人の弁駁に対する再答弁
(ア)乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットについて
請求人は、乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットに記載されている通常使用権者の住所が平成元年2月13日に行われた行政区画変更前の表示であるから、これらのパンフレットの作成日は、平成元年2月13日よりも前であると主張している。
確かに、上記パンフレットの作成日は、行政区画変更及び住居表示の実施による変更前のものであるが、昭和50年代後半ないし同60年代までの通常使用権者の全売上高は、およそ2億ないし2億5千万円程で、そのうち靴の取引に占める割合は、およそ4分の1で、数にして5千ないし6千足であり、平成10年以降は、靴の取引がおよそ1.5千ないし2千万円程、数にして2千足程度の取扱いで、小規模営業者であるから、商品を盛大に広告宣伝しているものではなく、また、靴は、伝統的なデザインで型に変更がないから、パンフレットも従来のものを使用しているにすぎないのであって、住所の表示が旧住所であるとしても、直ちに、本件商標を使用していないとはいえない。
また、第二答弁書でも述べたように、乙第5号証ないし乙第13号証の納品書(控)及び証明願を併せ考えれば、少なくとも、通常使用権者は、平成9年2月21日から現在まで、本件商標を商品「靴」に使用していることが十分証明されている。
(イ)乙第5号証ないし乙第8号証の納品書(控)について
請求人は、乙第4号証の商品見本帳には、作成年月日が記載されていないから、乙第5号証ないし乙第8号証の納品書(控)に日付が記載されていたとしても、当該納品書(控)は、本件商標の使用証拠とはならない旨主張している。
しかし、乙第4号証の商品見本帳には、作成年月日が記載されておらず、また、表紙部分にディズニー社が著作権を有する「ミニーマウス」の絵が描かれているとしても、それは、単に市販されているアルバムを通常使用権者が自己の取扱う商品見本帳に使用していただけであって、それ以上の意味はなく、また、商品見本帳の作成年月日についても、乙第12号証及び乙第13号証の証明願を併せて考慮すれば、乙第5号証ないし乙第8号証の納品書(控)によって、少なくとも、平成9年2月21日から現在まで、通常使用権者が本件商標を商品「靴」に使用していることが十分に証明されている。
(ウ)株式会社ランバート(通常使用権者)について
請求人は、通常使用権者である株式会社ランバートが電話帳に掲載されていないこと、また、堺商工会議所及び大阪商工会議所に会員登録がないことなどから、営業実態がない旨主張している。
しかし、上述のとおり、株式会社ランバートは、小規模営業者であり、その営業形態も、従来から取引のある得意先から注文に応じて商品を仕切るといった形態をとっているため、電話帳に掲載がなく、また、パンフレットの住所が実際の住所と違っていても、得意先からの注文には十分応じることが可能である。
また、小規模営業者であるので、商工会議所への登録や有力企業名鑑に掲載がないことをもって、営業実態がないとするのは根拠がない。
(エ)請求人は、通常使用権者の所在地の近隣大都市には、紳士靴の取扱い店舗が多数あるにもかかわらず、何故、大都市の店舗と取引を行っていないのか、被請求人提出の使用証明には作為を感じるとしているが、勿論、通常使用権者は、それら近隣大都市にある店舗とも取引はあるが、納品書(控)を取得することができ、かつ、証拠として提出できたのが、これらの店舗にすぎなかったのであって、全く不自然なものではない。
(オ)乙第12号証(スポーツブティックCHOYAによる証明)及び乙第13号証(メンズクラブによる証明)について
請求人は、乙第12号証の証明者である「スポーツブティックCHOYA」が甲第11号証のとおり、ゴルフ用品店であると主張している。
しかし、「CHOYA」(蝶屋)は、乙第14号証の店舗写真のとおり、昭和29年から紳士用品を販売する店舗(住所和歌山市美園町3−33)を営業しており、その店舗では、靴も販売している。
なお、甲第11号証に示されたゴルフ用品店は、CHOYAが経営するものであるが、業務の多角化の一環として、平成6年頃から営業を開始した別店舗(和歌山市美園町4−59)である。
また、請求人は、乙第13号証の証明者である「メンズクラブ」が甲第10号証のとおり、喫茶店であると主張している。
しかし、「メンズクラブ」は、乙第15号証の店舗写真のとおり、昭和43年から喫茶店とネクタイ、バッグ、靴等の小物の販売を兼ねた店舗を営業しており、株式会社ランバートとは、昭和59年頃から少なくとも乙第8号証に係る平成12年までは取引があったものである。
なお、請求人は、使用証明自体に作為性を感じると述べているが、「メンズクラブ」が単なる喫茶店でないことは、看板等の広告物からも、一目瞭然であり、実際、現地に赴き写真を撮影しているにもかかわらず、喫茶店の看板のみを取り上げて靴を取り扱っていないとする請求人の主張には、むしろ明らかな害意が感じられる。
(カ)登録第1294845号の商標(以下「取消商標」という)に対する不使用取消審判について
本件商標と取消商標とは、登録当時、連合商標の関係にあったものである。
そのうちの本件商標についてのみ、昭和50年代より株式会社ランバートに通常使用権を許諾してきているが、取消商標は、通常使用権の対象とはなっておらず、また、被請求人も使用していなかったことから、社会通念上同一の商標と考えられる2つの商標を両方所有している必要はなく、また、権利維持コストをも考慮して、本件商標についてのみ登録を維持していれば十分と判断し、取消商標に対する不使用取消審判では、反論を行わなかったにすぎないものである。
(3)結論
以上のとおり、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第15号証を総合勘案すると、通常使用権者が小規模営業者であったとしても、継続して商品を販売していた事実に変わりはないから、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件商標をその指定商品中に含まれる「靴」について使用していたと認めるのが妥当である。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人において、審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、同条第2項の規定により、その登録の取消しを免れない。
(2)そこで、被請求人提出の乙各号証のうち、乙第1号証のほか、本件商標の使用に関連のある証拠(乙第2号証ないし乙第8号証並びに乙第12号証ないし乙第15号証)について、以下、検討する。
(ア)乙第1号証について
乙第1号証(本件商標の「商標権通常使用許諾契約書」)によれば、本件商標の商標権者である「株式会社内田洋行」が、「大阪府堺市槇塚台2丁7番2号」に所在の「株式会社ランバート」に対して、その指定商品中の「はき物、かさ」に限り、平成8年7月30日付けで通常使用権を許諾した事実が認められる。
(イ)乙第2号証及び乙第3号証について
被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証のパンフレットに記載されている住所が、平成元年2月13日に行われた行政区画変更及び住居表示の実施による変更前の通常使用権者のかつての住所(大阪市南区周防町26−1心斎橋アーバンライフ)であることを肯定し、上記パンフレットの作成日が上記変更日より前のものであることを認めている(第三回答弁書2頁11行)。
そうすると、被請求人が乙第3号証のパンフレットを平成10年3月に「大阪市中央区内平野2−1−12」所在の新日本法規出版株式会社に依頼し作成した旨述べていること(第一回答弁書3頁5行)は、それと相容れず、矛盾しているといわざるを得ないから、乙第3号証のパンフレットを平成10年3月に作成したとの被請求人の主張については、首肯することができない。
しかして、被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証の使用に関し、「(a)通常使用権者の取り扱う靴が伝統的なデザインで型に変更がないので、パンフレットも従来のものを使用しているにすぎない。(b)通常使用権者は、平成10年以降、2千足程度の靴を取り扱うにすぎない小規模営業者で盛大に広告宣伝しているものではない。(c)その営業形態も従来から取引のある得意先から注文に応じて商品を仕切るといった形態をとっているので、電話帳に掲載がなくとも得意先からの注文には十分に応じることが可能である。(d)商工会議所等への登録がないことをもって営業実態がないとするのは根拠がない。(e)前記パンフレットの住所が旧住所であるとしても、直ちに、本件商標を使用していないとはいえない。」旨答弁しているが、本件審判請求の登録より13年余も前の住所(大阪市南区周防町26−1心斎橋アーバンライフ)を記載した乙第2号証及び乙第3号証の各パンフレットを用いて行う商品「靴」の取引に際し、仮に、需要者等が通常使用権者の商品を購入可能であるといい得ても、商品の返品や交換、あるいは、新たな注文の際、前記パンフレットの住所をもってしては、顧客への対応が困難といわざるを得ず、しかも、甲第4号証及び甲第5号証によれば、通常使用権者の電話番号は、電話帳に登録すらされていないものである。
してみれば、このような10数年前に作成し、現状と異なる住所等の記載がされているパンフレットを、たとえ、伝統的なデザインで型に変更がなく、販売量も小規模で盛大に広告宣伝しているものではないといい得ても、一般的にみて、実際の取引において、これらが使用されていたものであるとは到底首肯し得ないところである。
そうとすれば、乙第2号証及び乙第3号証の各パンフレットをもってしては、通常使用権者が本件商標を取消請求に係る商品「はき物」について使用したということはできない。
(ウ)乙第4号証について
(a)乙第4号証(商品見本帳)の表紙には、比較的小さく書してなる金色の「WALT DISNEY CHARACTERS」の文字と、顕著に表示してなる金色の「ALBUM」の文字との二段併記、並びに、ディズニー社の著名なキャラクターの一つである「ミニーマウス」の顕著な立姿図形とがいずれも印刷されているところ、前記「ミニーマウス」の図形を覆い隠すように、にぶい金色の子持ち風輪郭を施してなる黒塗りの横長楕円形(該楕円形内には、「Kent」「IN」「TRADITION」の各文字が同様のにぶい金色で三段に横書きされている。)の巨大なラベルが当該表紙上に無造作に貼付されているのが認められる。
これにつき、被請求人は、「単に市販のアルバムを通常使用権者が商品の見本帳に使用しているものである。」旨述べ、さらに、「乙第4号証に作成年月日が記載されていないとしても、乙第5号証ないし乙第8号証の「納品書(控)」、乙第12号証及び乙第13号証の証明願を併せ考慮すれば、少なくとも、平成9年2月21日から現在まで本件商標が取消請求に係る商品に使用されていることが十分かつ明確に証明できている。」旨述べている。
(b)そこで、乙第4号証についてみるに、先ず、多くの靴の写真の一枚一枚を一冊のアルバム(商品見本帳)中に挿入・連綴し、かつ、当該靴と靴の写真の隙間に、各靴毎のそれぞれ異なった数字(例えば、2401)、型式(例えば、コインローファーズ)、価格、名称(例えば、グットイャーウエルト)、色彩、寸法、その他の説明的記述や特徴を記した横長長方形の細断済み小紙片を各々挿入した乙第4号証の体裁よりすれば、該乙第4号証は、取引者、需要者に対して配布等する商品に関するチラシのような一般的な靴の広告宣伝物若しくは業者間で取り交わされる取引書類等として使用されるようなものではなく、通常使用権者自身の商品管理上の、あるいは、顧客に直接商品を説明するため等に用いられる帳簿の類いの一つと見られるにすぎないものであるから、乙第4号証の商品見本帳自体をもってしては、たとえ、本件商標がその表紙上に示されているとしても、本件商標を取消請求に係る商品「はき物」について使用しているということはできない。
(c)次に、乙第4号証(商品見本帳)の提示内容についてみるに、その各頁における写真に見られる各靴に挿入されている木型の踵部には、「Kent」の文字が表示された小楕円形のラベルが貼付されているとしても、該木型に貼付された該ラベルは、いつでも、どんな木型にでも容易に貼付することができ、かつ、各靴に挿入されている木型も、いつでも、普通のほぼどんな靴にでも、容易に嵌合・着脱可能なものである。
しかして、一般的に靴に商標を付する場合、靴の内底の見え易い位置に商標を付するのが普通とみられるところ、そのような方法をもって、本件商標が靴に付されている状態を乙第4号証からは見出すことができない。
してみれば、上記方法をもってする本件商標の使用によっては、本件商標が商品「靴」について使用されているということはでぎず、同号証よりは、他に、本件商標の使用の事実を客観的に確認し得る証左は見当らない。
そうすると、乙第4号証によっては、本件商標が商品「靴」に使用されていることを証明し得ていないものといわざるを得ないから、これをもって、通常使用権者が本件商標を取消請求に係る商品「はき物」について使用したとすることを認めることはできない。
(エ)乙第5号証及び乙第6号証について
乙第5号証及び乙第6号証(いずれも平成9年2月21日付けの納品書[控])については、本件審判請求の予告登録(平成12年10月4日)前3年以内の証拠に当らないので、これをもって、本件商標の使用事実を示す証拠と認めることはできない。
(オ)乙第7号証及び乙第8号証について
(a)乙第7号証及び乙第8号証(納品書[控])には、本件商標が見当らない。
すなわち、乙第7号証及び乙第8号証の納品書(控)の品名欄の記載(例えば、2401 コインローファー)と同じ表示が、乙第4号証の写真内の靴脇に置かれた横倒しの小三角柱の面の上、あるいは、前述の小紙片上に見られるとしても、乙第4号証では、商品「靴」について、本件商標を使用した事実が証明されていないこと上記のとおりであるから、これを根拠とする乙第7号証及び乙第8号証によっては、当該納品書(控)上のどこにも本件商標が見当らない以上、これをもって、本件商標を商品「靴」に使用しているとすることを認めることはできない。
(b)なお、乙第7号証及び乙第8号証の納品書(控)には、「単価」欄の価格(例えば、11550)以外に、「摘要」欄にも価格が見受けられるところ(例えば、21000・・・被請求人は「摘要」欄の価格を「小売価格」と述べている:第二答弁書3頁9行)、該「摘要」欄における小売価格に比べ、「単価」欄の価格は、破格の値段(55%値引)となっており、このような割引価格による取引が当該「はき物」の業者間において普通に行われているとは些か信じ難いところである。
してみれば、乙第7号証及び乙第8号証は、通常使用権者が本件商標を取消請求に係る商品「はき物」について使用した事実を証明し得る証拠ということはできない。
(カ)乙第12号証及び乙第13号証について
請求人は、乙第12号証の証明願における蝶屋ことスポーツブティックCHOYA(和歌山市美園町4丁目59(けやき大通)TEL FAX 0734−33−1595)と、乙第13号証の証明願におけるメンズクラブ(兵庫県出石郡出石町町分25−3)とが、外観写真(甲第10号証及び甲第11号証)からわかるように、ゴルフ用品店と喫茶店であり、いずれも一般的な靴を取り扱う店舗ではないから、乙第12号証及び乙第13号証を証明書として認めることができない旨述べているので、以下、乙第12号証及び乙第13号証について検討する。
(a)乙第12号証及び乙第13号証の各証明願には、「平成 年 月 日 (証明願者)株式会社ランバート 殿 (証明者)住所 会社名 代表者 印 下記のとおり証明いたします。 記 別添の『Kent』の商標を付した靴を、平成 年 月 日株式会社ランバートから納入し、販売したことに相違ありません。以上」との文言がどちらにも記載されており、その体裁からすると、これらは、予め当該証明に係る文面をワープロ等で作成した各一片の書面に、証明の依頼を受けた証明者がそれぞれ署名、捺印したにすぎない画一的な形式の証明書であるものと認められる。
(b)そして、乙第12号証の証明者である蝶屋ことスポーツブティックCHOYA(和歌山市美園町4丁目59[けやき大通]TEL FAX 0734−33−1595)の会社代表者を務める「大前成」と、乙第13号証の証明者であるメンズクラブ(兵庫県出石郡出石町町分25−3)の会社代表者を務める「吹田保」とは、蝶屋については平成11年12月10日に、メンズクラブについては平成12年4月24日に、それぞれ通常使用権者から商品「靴」の納品があったことを前記各証明願(乙第12号証及び乙第13号証)において、いずれも平成13年12月2日付けで署名・捺印し、証明した体裁となっているところ、該証明書には、乙第7号証及び乙第8号証の納品書(控)のコピー及び乙第4号証の靴の写真のコピーがそれぞれ添付されていることが認められる。
しかしながら、乙第7号証及び乙第8号証の各納品書(控)のコピーが、いずれも2000(平成12)年12月19日(本件審判請求の登録日の約2カ月後)に、通常使用権者から前記各証明者に宛ててFAXにより送信されているにもかかわらず、乙第12号証及び乙第13号証の証明日は、当該FAXの前記送信日より、ほぼ1年後のいずれも平成13年12月2日である点よりすると、何故、当該証明に、いずれもほぼ1年を要したのか、また、どうして証明日が同日なのかについて定かでなく、極めて不自然かつ不可解なものといわざるを得ない。
また、乙第7号証及び乙第8号証は、本件商標を用いた取引の事実を客観的に示す証拠としての価値が欠けており、さらに、これらが援用する乙第4号証は、本件商標が靴に使用された事実を証明し得ていないこと上記(ウ)(オ)のとおりであるから、たとえ、乙第12号証及び乙第13号証の証明願中で会社代表者「大前成」、「吹田保」の両名が「『Kent』の商標を付した靴を・・・納入し、販売した。」と証明しているとしても、その証明をした根拠が乙第4号証及び乙第7号証並びに乙第8号証をもってしたものである以上、結局、乙第12号証及び乙第13号証の証拠価値は、当然のことながら否定せざるを得ない。
なお、上記両証明において、「大前成」、「吹田保」の両名は、「Kent」の商標を付した靴を「販売した」ことをも併せ証明しているが、その事実を証する証拠の提出はない。
(キ)乙第14号証及び乙第15号証について
(a)請求人が乙第12号証の証明者である「スポーツブティックCHOYA」をゴルフ用品店であって、一般的な靴を扱う店舗ではないと述べたのに対して、被請求人は、「『CHOYA』(蝶屋)は、乙第14号証の店舗写真のとおり、昭和29年から紳士用品を販売する店舗(住所 和歌山市美園町3−33)を営業しており、その店舗では靴も販売している。なお、甲第11号証に示されたゴルフ用品店は、CHOYAが経営するものであるが、業務の多角化の一環として、平成6年頃から営業を開始した別店舗(和歌山市美園町4−59)である。」旨反論している。
そこで、乙第14号証をみると、それに示された店舗写真の店内には、複数の靴が販売棚に陳列されており、さらに、同号証の2頁目の一番下の写真には、本件商標「Kent」を内底に付した婦人靴及び本件商標を表蓋面に付した包装箱が示されている。
しかしながら、通常使用権者と「CHOYA」(蝶屋)との間に、本件商標を付した「はき物」についての取引があつたことを証明するものとして提出された乙第7号証及び乙第12号証は、上述(オ)及び(カ)のとおり、既に、その取引の根拠となる事実が不明であることから否定されているところであり、他に、両者間において、本件審判請求の登録前3年以内のいつ如何なる日に、どのような内容の取引がされていたのかを客観的に証明する書面は見当らない。
そうすると、同写真に示された前記婦人靴及び包装箱が如何なる取引のもと、CHOYAによって入手されるに至ったか明らかでないばかりでなく、方法の如何はともかく、同婦人靴及び包装箱がCHOYAの入手するところとなったものであるとしても、店内に、ただ一足(棚に陳列された他の靴が「Kent」の商標を付されたものであるか否かは確認できない。)、しかも、前記婦人靴と包装箱とを並べ置きする方法が、通常のこの種商品においてとられる販売方法であるとは、俄かに首肯し得ないところであり、これのみをもって、CHOYAが常態として継続して「Kent」商標の付された靴を販売していたものであるとは認め得ないところである。
してみると、かかる写真だけをもって、本件商標が商品「靴」について使用された事実を客観的に証明し得たものとみることはできない。
(b)次に、被請求人は、乙第13号証の証明者である「メンズクラブ」は乙第15号証の店舗写真のとおり、昭和43年から喫茶店とネクタイ、バッグ、靴等の小物の販売を兼ねた店舗を営業しており、株式会社ランバートとは、昭和59年頃から少なくとも乙第8号証にある平成12年まで取引があった旨述べている。
しかしながら、乙第15号証の2頁目の上の写真に見られる店舗内部に置かれた籐製の載置棚の上段に僅か3足の靴の一つに支えられて、立て掛けられた額縁の表面上に、たとえ、「Kent」「IN」「TRADITION」の各文字が見られるとしても、通常使用権者とメンズクラブとの間の取引の根拠を示す乙第8号証及び乙第13号証が既に否定されていることは、上記(オ)及び(カ)のとおりであり、しかも、かかる写真からは、当該「靴」に本件商標「Kent」が付されたことを確認し得ないものである。
そうすると、このことをもって、本件商標が商品「靴」に使用されている証拠とみることは到底できない。
(3)以上のとおり、被請求人提出の上記乙各号証並びに答弁書の全趣旨を総合勘案するも、これによっては、通常使用権者が本件商標を取消請求に係る商品「はき物」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用した事実を客観的に立証したものとは認められないといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第2項の規定により、その指定商品中の「はき物」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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