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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−8957(T2002−8957/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲(1)のとおり、レタリング及び彩色された「Fit」の欧文字により構成されてなり、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の積卸し,貨物の輸送の媒介」を指定役務として、平成12年8月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その拒絶の理由には登録第3053740号商標と登録第4462238号商標を引用して、本願を拒絶したものである。

<引用商標>

拒絶の理由に引用した登録商標中、登録第4462238号商標(以下「引用商標」という。)は、商標の構成を後掲(2)のとおり、欧文字と片仮名文字の組み合わせになる「FITシステム」の文字と、その下段に「FAXEST」「INTEST」及び「TELEST」のやや小さく書した欧文字とを四段に横書きした構成よりなり、平成11年6月28日に登録出願、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の積卸し,貨物の輸送の媒介,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,寄託を受けた物品の倉庫における保管,ガスの供給,電気の供給,熱の供給,係留施設の提供,倉庫の提供,駐車場の提供,飛行場の提供,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,コンテナの貸与,パレットの貸与,自動車の貸与,包装用機械器具の貸与」を指定役務として、同13年3月23日に東京都新宿区在の「株式会社ムーブジャパン」を商標権者として商標権の設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、後掲(1)のとおり、欧字「F」の上横線を長く伸ばし、その下に欧字「i」、及び横線の左部をカットした欧字「t」とを収め、かつ各欧字を接するように、黒線縁取りとその内を赤系色で彩色し、影を伴うようにレタリングされた「Fit」の欧文字により構成されてなるところ、かかる構成文字はレタリング及び彩色が施されてなるとはいえ、「Fit」の欧文字によりなるものと容易に看取させるものである。

してみると、本願商標はその綴りに相応して「適合する、合う」等の意味を有する平易な英単語を想起し、その読みに倣い「フィット」の称呼とその観念を、又はこれを想起せずに欧文字を任意に羅列した略語である程度を理解するときは各欧字毎の読みにより「エフアイティー」の称呼を生ずるとみて差し支えないものである。そして、本願商標のレタリング及び彩色が施されたこと自体の特徴のみが上述の文字綴り、称呼及び観念を優に凌ぎ、本願商標の取引指標となり得るとはいい難いものであり、一般商取引の実際では普通に用いられる方法で表示する登録商標について、その構成ないし態様(レタリング及び彩色)に少なからぬ変更が加えられて使用されていることや、又はこれと登録商標とを併用して使用されていることを考慮に入れてみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、欧文字「Fit」の綴り、これより生ずる上記の称呼及び観念を記憶し印象して商取引に資する場合があること決して少なくないものというべきである。

したがって、本願商標は、その構成文字「FIT」の欧文字綴り、これより生ずる「フィット」又は「エフアイティー」の称呼及び「適合する、合う」等の観念を生ずるものといわなければならない。

(2)引用商標について

引用商標は、後掲(2)のとおり、上段に欧文字と片仮名文字とを組み合わせ、他の文字に比して大きく表された「FITシステム」と、その下に順次「FAXEST」「INTEST」及び「TELEST」の各欧文字を書してなるところ、その構成中の「FITシステム」の文字部分と他の各欧文字とは視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、「FITシステム」の欧文字部分がその下の各文字の頭文字を表したものである以上に、小さく表された各欧文字が日常で馴染まれた意味合いを想起し得えないから、意味上においてもこれらを常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は見出せず、かかる構成からなる引用商標全体を外観上及び観念上において関連付けて一体不可分のものとしてのみ把握しなければならないとは認め難い。また、引用商標全体を称呼して取引に資するには極めて冗長である。

してみると、引用商標は、「FITシステム」の文字部分を取引指標として捉えて商取引に資するといえるものであって、その構成中「FIT」の欧文字は、「適合する、合う」等の意味を有する平易な英単語を想起するか、又は略語であることを理解するものであり、これに「方法、方式」等の意味を有する外来語としてよく知られ一般に使用される「システム」を付加したものと認識されるものである。しかして、「システム」の語は本願指定役務の分野である物流ないし輸送業界においても例外でなく、請求人(出願人)の提出に係るホームページ情報(甲第1号証)においても「...24時間フルタイム受注システムの確立により、...」、「...効率的に処理するFitの流通システムが...」等として「システム」の文字を上記意味合いをもって使用しているものと認められるほか、「物流システム」、「輸送システム」、「宅配サービスのシステム」等々の使用実態があり、かつ、両文字(語)を組み合わせることにより、それぞれの文字(語)が有する観念を越えて新たな一体的な意味合いを生じるものでもない。

そうすると、引用商標のかかる「FITシステム」の構成にあって、「FIT」の欧文字と「システム」の文字とは、軽重・主従の関係が強く、簡易迅速を尊ぶ取引の場において、これに接する取引者、需要者は「FIT」の文字部分に着目して、本願商標と同様にその綴りに相応して「適合する、合う」等の意味を有する平易な英単語を想起し、その読みに倣い「フィット」の称呼とその観念を、又はこれを想起せずに欧文字を任意に羅列した略語である程度を理解するときは各欧文字毎の読みにより「エフアイティー」の称呼を生ずるといえるものであって、これらを記憶し印象して商取引に資する場合があること決して少なくないものとみるのが相当である。

したがって、引用商標は、その構成文字中の「FITシステム」の文字部分に相応して、「フィットシステム」又は「エフアイティーシステム」の一連の称呼を生ずるほか、欧文字「FIT」の綴り、これより生ずる「フィット」又は「エフアイティー」の称呼及び「適合する、合う」等の観念をも生ずるものといわなければならない。

(3)本願商標と引用商標との類似について

上述のとおり、本願商標は、かかる構成文字がレタリング及び彩色が施されてなるとはいえ、「Fit」の欧文字綴り、「フィット」又は「エフアイティー」の称呼及び「適合する、合う」等の観念を記憶し印象してこれをもって商取引に資されるものであり、他方、引用商標は、「FITシステム」の文字部分を取引指標として捉えて、その構成中「FIT」の欧文字綴り、これより生ずる「フィット」又は「エフアイティー」の称呼及び「適合する、合う」等の観念をもって記憶し印象して商取引に資するといえるものである。

そうしてみると、本願商標と引用商標とは、外観上の相違について考慮してもなお、当該欧文字「Fit」と「FIT」の綴りにおいて相紛らわしく、これより生じる「フィット」又は「エフアイティー」の称呼、及び「適合する、合う」等の観念を共通にすることのある類似の商標といわなければならないし、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の物流ないし輸送に関する役務と認められる。

結局、本願商標は、その商標登録出願の日前の登録出願に係る他人の登録商標と類似する商標であって、その登録商標に係る指定役務と同一の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

なお、請求人(出願人)は、参考資料4ないし参考資料14の登録例を援用し、互いに文字の一部を共通としながらも非類似であると判断されている旨主張しているが、それらを本件の類似判断の基準とするのは必ずしも適切でなく、本件についての類似判断をこれにより左右できないから、その点の請求人(出願人)の主張を採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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