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Trademark Appeal Case

複合語の記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−9570(T2002−9570/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「マルチメディアブースタ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成11年商標登録願60445号(平成11年7月6日出願)を原出願とし、商標法第10条第1項の規定に基づく出願の分割として、平成12年11月8日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品とするものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『マルチメディアブースタ』の文字を書してなるものであるが『マルチメディア』は、『画像・音声・文字等の情報伝達手段となるものを複合的に扱うこと、あるいは扱える機器やソフトウエア』を意味する語で、普通一般に使用されている語でもあり、『ブースタ』は、指定商品との関係では『昇圧器、増幅器』等を意味する語であるので、全体としても『マルチメディア用機器(送受信装置)に対応した昇圧器・増幅器』的意味合いを表すに止まり、これをその指定商品中、上記商品に使用しても単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「マルチメディアブースタ」の文字を書してなるものであるところ、構成中の「マルチメディア」の文字は、「複合媒体。映像・音声・文字など多種の媒体を複合させるもの」を意味し、また「ブースタ」の文字は「電圧降下を補う昇圧器,無線受信機の増幅器」(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典第2版」(株)三省堂 )の意味を有する「ブースター」と同様に使用されるものであって、一般に知られているものである。

そうとすれば、本願商標は、全体として「マルチメディアに対応した昇圧器・増幅器」の如き意味合いを容易に認識させるものである。

ところで、近年、我が国においては、ケーブルテレビ、インターネット、パソコン通信が普及し、また、多チャンネル放送、デジタル放送も行われている現状にあり、このような状況に対応するブースタが販売されるとともに、「マルチメディア」の語が使用されている実情が、次のような新聞記事、インターネットのホームページ情報等によって伺うことができる。

(1)1995年8月3日 日本工業新聞 8頁 「DXアンテナが最大32チャンネルの広帯域対応増幅器」の見出しのもと、「〜最大三十二チャンネルと広帯域対応のケーブル用ブースター(増幅器)『HW−301』を発売した。〜 ビデオ・オン・デ・マンド(VOD)やハイビジョンなどマルチメディアの信号伝送にも対応。」の記事がある。

(2)1998年4月14日 日本工業新聞 16頁 「ナショナル住宅、メディア機器増設OK 先行配線をシステム化」の見出しのもと、「〜家庭内のパソコンやファクシミリなどのマルチメディア関連機器の配線に対応する『ふれ愛情報配信システム』を開発、下旬から発売する戸建て住宅に標準仕様として採用する。〜ISDN(総合デジタル通信網)用のデジタルサービスユニットや衛星放送用ブースター、CATV(有線テレビ)受信ユニットなどを収容。〜」の記事がある。

(3)「次世代の総合システム伝送メーカーに挑む」のタイトルのもと、「光CATVディジタル伝送システムの開発 多チャンネルディジタル衛星放送の普及、ディジタル伝送網及びマルチメディア等との融合を図るためにも、光CATVシステム多チャンネルディジタル化への要求が高まっています。OCCでは、CATVの光化推進に向けて、光増幅器、遠隔励起光増幅器を用いた分配方式の提案活動を推進しております。」の表示がある(http://www.occ.ne.jp/company/gyoumu/develop.html)。

してみれば、「マルチメディア」の語と「ブースタ」の語を一連に「マルチメディアブースタ」と書してなる本願商標は、前記(1)ないし(3)の実情も考慮すれば、これをその指定商品中、上記文字に照応する商品である「マルチメディア用機器に対応した増幅器・昇圧器」について使用しても、これに接する需要者、取引者をして、単に商品の用途、機能、品質を表したものと認識されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たしえないものと判断するを相当とする。

そうとすれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、「マルチメディア」の語を構成中に含む登録例を示して、本願商標が自他商品識別機能を有する旨主張しているが、提示の事例は本願と商標の構成を異にするものであって、かつ、「マルチメディア」の語が、近年急速に親しまれてきたものであることを併せて考慮すれば、それら事例をもつて本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから、請求人の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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