Trademark Appeal Case
ライオン図形商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90919(T2002−90919/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4610233号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年12月27日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成14年10月4日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立の理由の要旨
1 本件商標は、昭和58年8月18日に登録出願され、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録された登録第2404270号商標、平成9年3月11日に登録出願され、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第25類「帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年6月12日に設定登録された登録第4156306号商標及び平成12年12月28日に登録出願され、別掲(4)のとおりの構成よりなり、第16類、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月28日に設定登録された登録第4580889号商標(以下まとめて「引用各商標」という。)に類似し、指定商品においても同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 登録申立人は、1815年の設立以来、引用各商標に表されている獅子のロゴを長年にわたり使用し続け、服飾品の分野で著名なものであるところ、本件商標は、この引用各商標と外観において近似しているものであるから、本件商標をその指定商品に付して使用した場合には、申立人と何らかの関係を有するものによって販売されているかのように、需要者に混同を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
第3 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標と引用登録第2404270号商標(以下「引用商標1」という。)及び同第4580889号商標(以下「引用商標2」という。)とは、外観において互いに類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品は同一又は類似の商品と認められるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
第4 商標権者の意見の要点
本件商標と引用商標1及2についてみるに、本件商標は、相手を威嚇する素振りをみせたライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物を表現しようとしたものであり、他方、引用商標1及び2は、相手を威嚇するような素振りをみせないライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物を表現したものと認められ、下記(1)ないし(3)の各構成において明瞭な差異点を有するものであるから、本件取消通知の認定は不正確、かつ差異点を看過するものである。
記
(1)足部の構成においては、本件商標のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、鋭角的な爪先の指を開いて仮想地面に食込ませるようにして両足立ちしているのに対し、引用商標1及び2のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、鈍角的な爪先の指を開いて仮想地面に片足立ちしている。
(2)頭部の構成においては、本件商標のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、ふさふさとした鬣をたくわえ、口を大きく開けて舌を出し、相手を威嚇するようにみえるのに対し、引用商標1のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、鬣と思しきものはたくわえておらず、口は開けていますが舌がなく、相手を威嚇しているようにはみえない。さらに、引用商標2のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、鬣はなく、口も開けていないから、相手を威嚇しているようにはみえない。
(3)胴部の構成においては、本件商標のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、胸部を突き出した細身で、背中が極端な円弧で構成され、全体が三日月状になっているのに対し、引用商標1のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、胸部から腹部を膨らませた太身であり、背中は緩やかな円弧で構成されて全体が略半月状になっており、引用商標2のライオンなどネコ科に属する動物と思しき動物は、胸部を突き出し、背中は略直線状に構成され、全体が半月状になっている。
上記各構成における態様の相違により、本件商標と引用商標1及び2とは、外観において非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
第5 当審の判断
平成15年6月24日付けで通知した前記「第3」の取消理由は、妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は、以下の理由により採用できない。
本件商標と引用商標1及び引用商標2(以下「引用商標」という。)は、それぞれ別掲(1)、(2)、(4)のとおりの構成よりなるところ、これらを子細に対比し観察すれば、商標権者が意見書で述べるとおり、本件商標には鬣がある、口から舌を出している、鋭角的な爪先であるのに対し、引用商標には、鬣がない、口から舌を出していない、鈍角的な爪先である、等の点において相違することが認められるとしても、これらの差異は、本件商標と引用商標とを対比観察すれば言い得ることであって、時と所を異にして離隔的に観察した場合、両者を区別し得るほど顕著な特徴として看者に強い印象を与えるものではなく、寧ろ、商取引の場では捨象され得る部分とみるのが相当である。
しかして、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標のようなライオンを題材にした欧紋章的な図形にあっては、必ずしも細部に亘って的確に把握、理解されているものと言い得ないところ、本件商標と引用商標とは、四肢を開脚して左向きに立ち上がった如き姿態のライオン等のネコ科に属する動物と思しき図形を黒塗りをもって欧紋章的に表したものであり、その尾は頭部に向かってS字状に立ち、かつ、前足を重ねることなく上げているような描出方法(基本的構成)において、その構成の軌を一にするものであり、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合は、外観上共通した印象を強く看取し得るものと認められるから、両商標は彼此相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標は、その外観において互いに類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。