Trademark Appeal Case
キラル商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90400(T2003−90400/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
本件登録第4661725号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHIRAL」及び「キラル」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年11月13日に登録出願、第3類及び第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成15年4月11日に設定登録されたものである。
これに対して、平成16年4月1日付けで要旨次のような取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
本件商標の構成上記のとおりであり、その構成中下段の「キラル」の片仮名文字は上段の「CHIRAL」の欧文字の読みを片仮名文字で表したものといえるところであり、登録異議申立人の提出に係る各甲号証によれば、本件商標を構成する「キラル」の文字は、有機化合物において、実像と鏡像の重ね合わすことのできない形(分子構造)を示す言葉として知られていること(甲第1ないし第5号証)、アミノ酸をはじめ、医薬品、香料などにはキラルなものが多いこと(甲第1号証)、香料の分野でも「キラル」の用語は広く使用され、「キラル化合物」、「キラルテクノロジー」という用語も多用されており(甲第7ないし第17号証)、「CHIRAL」の文字についても同様であること(甲第1、2、15、及び20号証)、キラル化合物は香りの本体と密接な関係にあり、せっけん、化粧品及び歯磨きには香料が使用されること(甲第18ないし第23号証)が認められる。
そうすると、 本件商標をその指定商品中の「キラル化合物を使用した香料、キラル化合物からなる香料及びこれらの香料を使用した商品」に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、該商品が「キラル化合物を使用した香料、キラル化合物からなる香料及びこれらの香料を使用した商品」であることを容易に理解し、単に商品の原材料、品質を表したものと認識するに止まり、本件商標は自他商品を識別するための標識として機能するものとはいい得ないというべきである。また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認するおそれがあるものと認められる。
したがって、本件商標の指定商品中第3類「香料類、せっけん類、化粧品、歯磨き」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわなければならない。
そして、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、結論掲記の指定商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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