本件登録第4688002号(平成14年10月28日出願、平成15年7月4日設定登録)は、願書に記載した商標のとおりであり、その指定商品は商標登録原簿記載のとおりである。
これに対して、平成16年5月7日付けで下記の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、上記取消理由は妥当なものと認められるから、本件商標登録は、この取消理由によって、取り消すべきものである。
よって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
記
本件登録第4688002号商標(以下「本件商標」という。)は、「ザ・アールティディ」の片仮名文字と「The RTD」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年10月28日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成15年7月4日に設定登録されたものである。
他方、登録異議申立人麒麟麦酒株式会社及び登録異議申立人サントリー株式会社の提出に係る甲号各証によれば、本件商標の指定商品を取り扱うこの種業界において、「RTD」の文字は、「Ready To Drink」(レディトゥドリンク)の語の略であり、「すぐに飲める飲料。手を加えずにそのまま飲むことができる飲料。ボトル飲みのアルコール飲料。グラスに移しかえずに、ボトルの蓋や栓をあけて、そのままボトルから直接飲むスタイルの低アルコール飲料」等を表示する語として、普通一般に使用されている事実が認められる。
しかして、本件商標をみると、本件商標は、「The RTD」の文字の上部にその読みである「ザ・アールティディ」の文字を書してなるところ、語頭部に位置する「The」(ザ)の文字は、定冠詞を書したものと容易に認識、理解されるものである。
してみると、本件商標は、「RTD」「アールティディ」の前に、定冠詞「The」(ザ)を書してなるとしても、本件商標をその指定商品に使用するときは、前記した語を認識、理解させるに止まるものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標をその指定商品中「すぐに飲める飲料。手を加えずにそのまま飲むことができる飲料。ボトル飲みのアルコール飲料。グラスに移しかえずに、ボトルの蓋や栓をあけて、そのままボトルから直接飲むスタイルの低アルコール飲料」に使用するときは、該商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
また、本件商標を前記に照応する商品以外の「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」に使用するときは、恰も前記商品であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。