Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90756(T2003−90756/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4700883号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成15年2月28日に登録出願され、「パシャパシャ」の文字(標準文字による)を書してなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年8月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、昭和61年10月16日に登録出願(優先権主張 ベネルックス三国 1986年4月29日)され、別掲(1)に示すとおり、「Pasha」の欧文字を書してなり、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録された登録第2221521号商標、同じく昭和61年10月16日に登録出願(優先権主張 オランダ国 ベルギー国 ルクセンブルク国 1986年4月29日)され、別掲(1)に示すとおり、「Pasha」の欧文字を書してなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録された登録第2142684号商標、昭和61年1月24日に登録出願(優先権主張 ベネルックス三国 1985年7月26日)され、別掲(2)に示すとおり、「Pasha」「de」「Cartier」の欧文字を三段に書してなり、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録された登録第2221520号商標、昭和63年3月17日に登録出願され、「パシャ」の文字を横書きしてなり、書換登録により第9類「サングラス,その他の眼鏡」及び第14類「時計」を指定商品とする、平成3年8月30日に設定登録された登録第2330473号商標及び昭和63年3月17日に登録出願され、「パシャ」の文字を横書きしてなり、書換登録により第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),昆虫採集用具」を指定商品とする、平成3年5月31日に設定登録された登録第2308551号商標(以下、一括して「引用商標」という。)と類似する商標であり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標に係る商標「Pasha」、「パシャ」は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の高級腕時計の商標として世界的に著名なものであるところ、本件商標は、この著名な「Pasha」、「パシャ」を想起ないし連想させ、その結果、混同を生じさせるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、その構成は前記のとおり、「パシャパシャ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成に係る各文字は、同書体、同間隔に纏まりよく表されていることから、外観上一体のものとして把握し得る上、これより生ずる称呼も格別冗長に亘るという程でもなくリズミカルに「パシャパシャ」と称呼し得るものである。更に、本件商標は、「水が飛び散る音」(擬音語)の如くの観念を看取し得ることを併せ考えると、かかる構成において、殊更に、「パシャ」の文字だけを分離抽出して把握、理解しなければならない格別の理由は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「パシャパシャ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、それぞれ前記したとおりであるから、その構成文字に相応して「パシャ」、「パシャドカルティエ」及び「カルティエ」の称呼を生じ、かつ、特定の意味合いを看取し得ないものと認められる。
しかして、本件商標より生ずる「パシャパシャ」の称呼と引用商標より生ずる「パシャ」、「パシャドカルティエ」及び「カルティエ」の各称呼とは、音構成、構成音数において顕著な差異が認められるから、称呼において、両者は彼此相紛れるおそれのないものである。
また、両商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるから、外観上は十分に区別し得る差異を有するものであり、観念については比較しできないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても非類似の商標といわなければならない。
(2)出所の混同の有無について
申立人の提出した甲第13号証ないし同第16号証によれば、引用商標の「Pasha」或いは「パシャ」が同人の業務に係る商品「腕時計」に使用されていることは認められるが、これらの書証は、いずれも本件商標の出願日後に係るインターネットの検索結果(写し)(2004年2月12日検索)(甲13、14)、及び雑誌に掲載された時計のカタログ(平成16年2月1日発行)(甲15,16)であるところ、これらの検索日及び発行日に照らして、証拠として採用することは必ずしも適当とはいえない。
しかし、念のため前記各書証を検討するに、該書証は、「CARTIER」「Cartier」「カルティエ」等の語と一緒に「Pasha」或いは「パシャ」の商標が使用されているものであって、「Pasha」或いは「パシャ」の商標のみが単独で使用されている事実は極めて少なく、これらの書証をもってしては、商品「腕時計」について使用している商標「Pasha」或いは「パシャ」が、本件商標の登録出願時(平成15年2月28日)に需要者の間に広く認識されていることを認めるに足りる証拠とはいえない。
加えるに、本件商標は、前述のとおり、一体不可分のものとしてのみ把握、理解されるとみるのが相当とするところ、本件商標と引用商標とは、別異の商標であって十分に区別し得る商標といえるものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これより申立人の引用商標を連想・想起させることはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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