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Trademark Appeal Case

不使用取消における商標同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30841(T2003−30841/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件審判請求に係る登録第4278468号商標(以下「本件商標」という。)は、「BEE」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年1月19日に登録出願、第11類「コンピューター用プログラムを記録した電子回路を搭載したカード」を指定商品として、平成11年5月28日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として乙第1号証及び同第2号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標の指定商品につき市場調査を行ったが、本件審判請求前3年に亘り日本国内においての使用の事実は見出すことができなかった。また、本件商標の登録原簿をみるに、本件商標には専用使用権の設定もしくは通常使用権の許諾についての登録もされていない。

してみれば、本件商標は商標法50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきものである。

2 被請求人の答弁に対する弁駁

(1)本件商標は「BEE」の欧文字を横書きしてなるところ、乙第1号証ないし乙第4号証に表示された商標「(以下「乙号証商標」という。)は、「BEE CARD」の文字からなる構成であり、本件商標「BEE」と乙号証商標「BEE CARD」とは、「CARD」の文字の有無において明らかに相違していて、如何なる観点から見ても社会通念上同一と認められるものではない。

まず、本件商標の指定商品「コンピューター用プログラムを記録した電子回路を搭載したカード」の分類(国際分類では第9類「電子応用機械器具」)における登録例を検討すると、「JACET」(登録第2578118号)と「JACETCARD」(登録第4072370号)、「MAGICAL」(登録第3219712号)と「マジカルカード」(登録第3205838号)、「SKY」(登録第742318号)と「スカイカード」(登録第2718371号)、「サラブレッド」(登録第1869463号)と「サラブレッドカード」(登録第4364701号)の文字からなる商標が他人に適法に存在している。これら登録例からすると、本件商標の指定商品が含まれる電子応用機械器具関連の商品について、「カード」又は「CARD」の文字は、自他商品の識別力を有するものとして認定され、「カード」又は「CARD」の文字が存在する点で商標構成が相違するものとして審査され、また、社会通念上判断されていることが理解される。

したがって、このような観点から本件商標が乙号証商標と同一であるか否かを検討すると、乙号証商標「BEE CARD」は、「CARD」そのものが上記のように特別顕著性を有するから、本件商標「BEE」に「CARD」の文字を単に付記したものではなく、本件商標「BEE」とは別個の商標構成からなるものであり、商標法第50条第1項に規定する社会通念上同一と認められるものではない。

以上のとおり、本件商標「BEE」は、乙号証商標「BEE CARD」とは別個のものであって、社会通念上同一と認められるものではない。

よって、本件商標がその指定商品について使用されているとする被請求人の答弁は、失当である。

(2)仮に、本件商標が乙号証商標と社会通念上同一と認められるとしても、被請求人提出の乙各号証によっては、本件商標の使用を立証していないものである。

a)乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人の「HISHI CARD」に関するカタログ(写)であり、この書証には、「BEE CARD Series」の表示があり、「BEE CARDは、三菱樹脂が独自に開発したICメモリーカード」として商品が紹介されている。しかしながら、この乙第1号証の頒布日時は、同号証に記載の1999年(平成11年)5月31日改訂の時点と断定できるものであり、本件審判請求の登録前3年以内の時点におけるものではないから、本件審判請求の登録前3年以内における本件商標の使用を立証するものではない。

また、この乙第1号証に表示されている商標は、「BEE CARD」であって、この態様は、前記のように本件商標と社会通念上同一のものと認められないものであり、さらに、この点は、上記した紹介文言である「BEE CARDは、三菱樹脂が独自に開発したICメモリーカード」として被請求人自らが「BEE CARD」商標のもとに商品を紹介していることからも明らかである。

以上、乙第1号証は、商標法第50条第2項の規定に即した本件商標の使用を立証していない。

b)乙第2号証及び乙第3号証について

乙第2号証は、被請求人の社内で使用している受注連絡信の写であり、ドイツ国の法人「MITSUBISI INTERNATIONAL GmbH」を介してユーザー「JANSKY(ドイツ)」からの受注を社内で連絡処理したものと見受けられるが、この受注は、ドイツ国に所在するドイツ国のユーザーからの発注であり、発注を受けた商品が本件商標を付して出荷されたとしても、出荷先は、乙第3号証の売上伝票(写)が示すように、ドイツ国の法人「MITSUBISHI INTERNATIONAL GmbH」であり、日本国内の業者に出荷されたものではなく、ドイツ国内でのユーザーである「JANSKY」へ販売されたものである。この点を明らかにしているのが乙第4号証に示されるラベルのコピーであり、包装用箱に貼付したラベルとみられるものには、JANSKY(ドイツ)殿向とあり、製品貼付のラベルとみられるものには、三菱樹脂の表示以外は、すべて英語表示となっていることから明らかである。さらに、この乙第4号証のラベルにおいても使用されている商標は、「BEE CARD」であり、「CARD」は、乙第1号証におけると同じく使用している商標の構成要素を組成している(この点を示すものとしては、前記ラベルにBEEの頭文字BとCARDの頭文字Cとを組み合わせたBCロゴが表示されている)。

したがって、乙第2号証と乙第3号証をみても、本件商標が日本国内において、その指定商品に係る商品に使用したものと認めることはできない。さらに乙第2ないし第4号証においても商標の態様は、あくまでも「BEECARD」であり、本件商標とは完全に相違しているものであり、乙第3号証には、「BEE」はもとよりのこと「BEECARD」の態様の商標も一切表示されておらず、乙第3号証の内容は、被請求人の社内当事者しか理解できないものである。

c)このように、乙第2ないし第4号証は、これらの作成時点が本件審判請求の登録前3年以内であっても本件商標が日本国内において使用されたとする証拠になるものではなく、本件商標の登録は、取消されるべきものである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として甲第1ないし第4号証を提出している。

本件商標は、添付カタログ(資料請求NO.741010)により明らかなとおり、被請求人のうち三菱樹脂株式会社によって商品ICメモリーカードの名称として「BEE CARD」の態様で使用されている。さらに、添付「BEECARD受注連絡信」のとおり、2003年1月31日に受付受注NO E796148で受注し、添付売上伝票:伝票番号E796148−01のとおり、同年2月7日に出荷している。添付した製品および包装用箱に貼付したラベルのコピーは、上記伝票の製品と同種のものである。

したがって、本件商標はその指定商品につき、本件審判請求前3年内に使用していることは明らかであるから、商標法50条第1項に規定する要件に合致せず、取り消されるべき理由はない。

第4 当審の判断

被請求人は、商品「ICメモリーカード」について本件商標を使用していると主張しているので、その点について検討する。

1 乙各号証における事実

(1)1999年5月31日改訂の商品カタログ(三菱樹脂株式会社発行)の写しである乙第1号証によれば、「HISHI CARD」の商標の下、各種ICメモリカードが掲載されていて、その中に「BEE CARD Series」との見出が記載され、その商品の説明として、「BEE CARDは、三菱樹脂が独自に開発したICメモリカード。」「●挿抜に対する信頼性」、「●すばやいデータアクセス」また「●用途に応じてメモリ機能や記憶容量が選択可能。」等と記載され、その左側にカード型商品の外観(写真)が掲載され、その商品の表面に「BEE CARD」と大きく表示しその下段に「OTP ROM」や「三菱樹脂」等の文字が表示されている。

また、商品の外観(写し)を表した乙第4号証によると、その表面に「BEE CARD」と大きく表し、その下段に「EEP ROM」や「三菱樹脂」の文字が表示されていて、上記商品カタログのカード型の商品「ICメモリーカード」と乙第4号証に掲載の商品とは、「OTP ROM」と「EEP ROM」の違いがあるとしても、挿抜できる構造の同種の商品「ICメモリーカード」と認められる。

(2)「BEECARD受注連絡信」(03年1月31日付け書面)の写しである乙第2号証及び三菱樹脂株式会社発行の「売上伝票」(出荷年月日は2003年2月7日と認められる。)の写しである乙第3号証によると、

商品「ROMカード EE22」(品名コード「74122 1064 0000 411 SB」)を、注文番号「V−60750」として、契約先を「(PJ43)Mitubishi International GmbH」、ユーザー(需要先)を「(Y032)JANSKY(ドイツ)」として受注して、2003年2月7日に出荷がされたものものであり、上記「BEECARD受注連絡信」と「売上伝票」に記載されている、注文番号、品名コードの番号、契約先の名称及びコード番号、ユーザー(需要先)の名称及びコード番号、数量、単価、合計金額、出荷年月日は全て一致しているので、上記「BEECARD受注連絡信」のとおり商品「ROMカード EE22」の注文を受けて、2003年2月7日に出荷し、売上があったものと認められる。

(3)上記事実を総合すると、商標権者である三菱樹脂株式会社は、用途に応じてメモリ機能や記憶容量のものを選択でき、他の器具に接続(押し込んで接続)してデータアクセスのできる「ROMカード」(以下「使用商品」という。)について、「BEE CARD」の商標(以下「使用商標」という。)を使用し、その使用商品をドイツ国のJANSKYに対し2003年2月7日に出荷し、販売したものと認められる。

2 使用商標について

本件商標は、前項1で述べたとおり、「BEE」の欧文字よりなるのに対し、使用商標は「BEE CARD」の文字からなるところ、その「BEE」と「CARD」の文字の間に半文字程度の間隔があって、両文字部分は分離した構成といい得るものであり、またその構成中の「CARD」の文字部分は、「小型の厚紙」等を意味し、その形状と同様の形状のものとなっているもの、例えば、「ICカード」(「IC card」IC(集積回路)を組み込んで情報容量を大きくしたカード)、「クレジットカード」(「credit card」信用販売制度で用いられるカード)や「メモリーカード」(「memory card」半導体内蔵カード)等のように「カード」(card)型のものについて「・・カード(card)」と称している実情があり、使用商品が「ICメモリーカード」(乙第1号証)であることからすると、使用商標の構成中の「CARD」の文字部分は商品の形状又は品質を表しているものとみられるものであるから、その商標の自他商品の識別力を発揮する部分は、前半部の「BEE」の文字部分であり、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標とみて差し支えないものといえる。

3 使用商品について

前項1で認定した使用商品「ROMカード」は、乙第1号証の説明からして、他の器具に接続してデータアクセスができ、そしてメモリ機能をもつICを組み込んだICメモリカードと認められるところ、「ICメモリカード」はカード型のコンピューター用プログラムを作用させて作動させる電子回路であって、本願商標の指定商品「コンピューター用プログラムを記録した電子回路を搭載したカード」に含まれる商品と認められるものである。

してみれば、上記使用商品は平成13年2月7日にドイツの需要者に対し出荷され、販売されたものと認められる。

4 請求人の主張について

(1)請求人は、本件商標の指定商品の分野である「電子応用機械器具」を指定商品とする登録商標における、「CARD」又は「カード」の文字が末尾に結合された商標とその語のない商標とが類似しない商標として登録されている例を示して、本件商標と上記使用商標とは社会通念上同一のものと認めることはできない旨主張している。しかしながら、使用商標中の「CARD」の文字部分は、分離した構成であり、またその使用商品の形状又は品質を表し、自他商品の識別力を発揮し得ない部分であることは前記認定のとおりであるから、その使用商品との関係では使用商標は本件商標と社会通念上同一のものと認められるので、この点についての請求人の主張は採用できない。

(2)また、乙第1号証の商品カタログは本件審判請求の登録前3年以内の資料でないことを理由に、本件審判請求の登録前3年以内における本件商標の使用を立証するものではない旨主張している。しかしながら、商品カタログは、その発行日(印刷日)が本件審判請求の登録前3年以上前であったとしても、顧客への配布がその後行われ残存することがあることを考慮すると、そのカタログの発行日が上記登録前3年以上前のものであったことのみをもってしては、上記登録前3年以内にそのカタログが顧客に配布されたなったものとはいい得ないものであり、乙第2号証ないし同第4号証をも加え総合してみると、当該期間内に使用商品について使用商標を使用して販売されたものと認められるのであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。

(3)さらに、使用商品は、ドイツ国に所在するドイツ国のユーザーからの発注であって、出荷先がドイツ国の法人であり、ドイツ国内のユーザーへ販売されたものであり、また、製品貼付のラベル(乙第4号証)は、三菱樹脂の表示以外は、すべて英語表示となっていることからして、本件商標が日本国内において、その指定商品に係る商品に使用したものと認めることはできない旨主張している。しかしながら、使用商品の商品カタログ、受注連絡信及び売上伝票は、すべて日本語で作成されており、商品カタログに表示されている商標権者もわが国における主たる営業所が表示されていることからすると、ドイツ国所在の者からの注文を受けドイツ国に出荷した使用商品であったとしても、使用商標は、商標権者の国内の営業所において、使用商品について使用があったものとみるのが自然であるから、この点についての請求人の主張は採用できない。

5 まとめ

以上の事実からして、本件商標と社会通念上同一である使用商標は、商標権者が指定商品に含まれる使用商品について、少なくても、本件審判請求の登録(平成15年7月30日)前3年以内である、平成13年2月7日に使用がされたものと認められる。

したがって、本件商標は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品について使用をしていたものであるから、その登録を取り消べきものであるとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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