Trademark Appeal Case
記述的形容詞の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−19897(T2001−19897/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「STYLISH」の欧文字を書してなり、第12類に属する願書記載の商品を指定商品として平成12年7月6日に登録出願され、その後、指定商品については、同13年8月14日付け手続補正書をもって、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,車いす,荷役索道,カーダンパー,カープッシャー,牽引車,陸上の乗物用動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝動装置,緩衝器,ばね,制動装置」と補正されたものである。
第2 原査定における拒絶理由の要点
原査定において、本願商標を拒絶した理由は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)本願商標は、「当世風の、いきな」等を意味する英語として親しまれている「STYLISH」の文字を書してなるが、当該文字の表音である「スタイリッシュ」の語は、商品の分野を問わず、例えば「スタイリッシュなフォルム」「スタイリッシュなデザイン」「スタイリッシュな外観」「スタイリッシュな車」のように、広く一般に使用されている実状がある。そうとすれば、当該「スタイリッシュ」の語を英語表記した本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記実状があることから本願商標を自他商品の識別標識として認識し得ないと判断するのが相当であるから、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)本願商標は、下記に示す登録第2625675号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、かつ、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
記
登録第2625675号商標は、平成3年12月2日登録出願、「STYLISH」「Stylish」「スタイリッシュ」の各文字を三段に書してなり、第12類「輸送機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として平成6年2月28日に設定登録された。その後、商標法第50条に基づく商標権一部取消し審判により指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品(自動車のタイヤ・チューブを除く)」、同「自動車のタイヤ・チューブ」については、その登録は取り消す旨の審決がそれぞれ平成11年8月2日及び同16年3月1日に確定し、その登録が同11年10月20日及び同16年3月26日になされている
第3 当審の判断
先ず、本願の拒絶査定の理由のうち前記「第2(2)」についてみるに、本願商標の指定商品は、前記「第1」のとおり補正され、かつ、前記「第2(2)」のとおり、引用商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」については、商標法第50条の規定に基づく2回の不使用取消審判(取消10ー31212及び取消2001ー31265)により、その登録が取り消されていることから、その拒絶の理由は解消した。
次に、本願の拒絶査定の理由のうち前記「第2(1)」についてみるに、本願商標は、「STYLISH」の欧文字を書してなるところ、該文字は、「現代風の、粋な、スマートな」等を意味する比較的平易な英語であるが、本願の指定商品を取り扱う業界(特に、自動車業界)では、商品(自動車)の属性を表するために英語「STYLISH」の表音文字「スタイリッシュ」の片仮名文字が普通に用いられており、このことは、以下に示す新聞記事により認めることができるものである。
(ア)2002年5月28日付け日刊工業新聞15頁の「日産、サニーをマイナーチェンジし発売」の見出しの下、その記事中に「日産自動車は、『サニー=写真』をマイナーチェンジし、発売。フロントグリル、フロント、リヤバンパーをシャープにし、質感を高めた。シンプルで美しいスタイルにすることで、スタイリッシュの向上を図り、正統派セダンの魅力をアップ。また広々とした空間を演出するシートとドアトリム表皮を採用。」との記載があること。
(イ)2002年5月24日付け日刊工業新聞14頁の「トヨタ、『イスト』発売2週間で2万7000万台受注」の見出しの下、その記事中に「トヨタ自動車は23日、新型コンパクトカー『イスト』の受注が発売2週間で2万6000台に達したことを明らかにした。月販目標7000台の4倍近い受注を確保し、99年の『ヴィッツ』の発売時より好調な立ち上がりとなっている。コンパクトカーの中でもワンクラス上の上質でスタイリッシュな内外装が好評という。」との記載があること。
(ウ)2001年7月10日付け毎日新聞(東京朝刊8頁)の「[売れてる理由]/6 プジョー206 猫目がおしゃれ、外車が身近に」の見出しの下、その記事中に「日本での発売は99年5月。この年は2313台売れたが、翌年には2・8倍の6495台に急増した。輸入車の小型車部門で5位(98年)だった仏プジョーを、独フォルクスワーゲンに次ぐ2位に押し上げた立役者だ。人気の理由の一つは『スタイリッシュで個性的なデザイン』(同社)にある。『猫目』とか『吊(つ)り目』などと形容される鋭角的なデザインが、新型車の前照灯に急速に採用され始めているが、そのはしりが『206』だ。」との記載があること。
(エ)2001年7月5日付け毎日新聞(東京夕刊9頁)の「[つくった人登場]三菱自動車『パジェロ』開発担当・来住南恵一さん」の見出しの下、その記事中に「『すると、これがひどいんだ。学生時代にあこがれたジープなのに、エンジンはうるさい、高速では真っすぐ走らない、オフロードでは尻が痛くなる。結局、車が古くなっているんですね。で、なぜ古い車を作っ
ているのかと聞くと、ライセンス生産だからという。じゃ、ライセンスに縛られない車を作ってやろうと、自分から手を挙げて、開発をスタートしたんです』かくてスタイリッシュで機能的なデザイン、抜群の悪路走破性、乗用車なみの快適性と操作性を備えたパジェロは、82年5月に発売、年間1万台を売るベストセラーカーとなったのである。」との記載があること。
(オ)2001年3月1日付け日刊工業新聞17頁の「トヨタ、カローラランクスとアレックスの受注が1カ月で2万台に」の見出しの下、「トヨタ自動車は28日、新型車『カローラランクス』と『アレックス=写真』が発売1カ月で2万台受注したと発表した。月販目標は4000台で『極めて好調な立ち上がり』としている。内訳はランクスが1万700台、アレックスが9300台。全受注台数のうち1500CCが9割。購入層は20―60代までと幅広く、性別では女性が約35%を占めた。両車は女性ユーザー層をターゲットにしており、当初の狙い通りとなった形。スタイリッシュなデザイン、広い室内空間などが評価を受けているという。」との記載があること。
(カ)2000年6月20日付け日刊スポーツ21頁の「ライフ 新製品三菱自動車『パジェロイオ』6月12日から全国発売」の見出しの下、「三菱自動車では、街中でも扱いやすいコンパクトボディーに本格的なオフロード走破性能を備えた『パジェロイオ』を、従来の1・8リットルGDIエンジンに替え、中低速トルクを向上させた2・0リットルGDIエンジンを搭載するなど一部改良。また、スタイリッシュな特別仕様車『パールパッケージ』も設定して、いずれも6月12日から全国のギャラン系およびカープラザ系販売会社から発売している。」との記載があること。
(キ)2000年4月7日付け読売新聞(東京朝刊10頁)の「レスアップした特装車『ユーロディンゴ』を発売/三菱自動車」の見出しの下、「三菱自動車工業は、小型RV(レジャー用多目的車)『ディンゴ』をドレスアップした特装車『ユーロディンゴ』を発売した。スタイリッシュなデザインのフロントバンパーなどのエアロパーツや専用フロントグリルを加え、精かんさを強調した。」との記載があること。
以上のとおり、本願商標「STYLISH」の表音文字「スタイリッシュ」は、自動車についての属性を表す用語として新聞紙上に広く一般に使用されている実情から、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の属性を記述したものと把握、理解するに止まり自他商品識別機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識することができないというべきである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとした拒絶の理由の部分は解消したものの、同法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は過去の登録例を挙げて、「本願商標は登録されるべきである。」旨主張しているが、商標の登録要件の判断は、審理終結時において個別、具体的に判断されるものであり、過去の登録例をもって本願商標の登録要件を判断するのは必ずしも適当とはいえず、結局、同人の主張は採用の限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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