Trademark Appeal Case
e-の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−15662(T2001−15662/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「e−customer」の欧文字を横書きしてなり、願書記載の商品又は役務を指定商品又は指定役務として、平成12年3月27日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品又は指定役務については、同13年4月20日付けの手続補正書によって、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・同磁気ディスク・同磁気テープ・同光ディスク,ユーザーマニュアルを記憶させたCD−ROM,コンピューター用マウス,コンピューター用キーボードその他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品,業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,インターネットによる商品の販売に関する情報の提供」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守の助言,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機ネットワークの遠隔監視,電子商取引における第三者に対するオンラインによるユーザの本人確認・証明」と補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「近年、インターネットを利用した商取引が盛んに行われているところ、本願商標は、『インターネット』を表す語として一般に使用されている『e−』の文字と『顧客』等の意を表す『customer』の文字を書してなるものであるから、全体として『インターネット取引の顧客を対象とした商品、インターネット取引の顧客を対象とした役務』の意を認識させるにすぎず、これを本願指定商品及び指定役務に使用しても需要者が何人の業務に係る商品又は役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「e」の文字は、例えば「eコマース」(コンピューター・ネットワーク上での、電子化された商取引全般)、「eラーニング」(インターネットを使った教育のこと)、「eマーケットプレイス」(商品やサービスの売り手と買い手を結び付け、企業間の調達業務や販売業務を電子的に処理するインターネット上の取引の場)、「eマネー」(電子マネー。インターネット上での取引で電子的に動く金)、「eテイラー」(インターネットを使った小売販売業者)及び「eタックス」(納税者がインターネットを通じて申告、申請、届け出などを行う方式のこと)等のように、電子的な(インターネットを介する)業務を表す接頭語として一般に親しまれている語であり、また、それに続く「customer」について英和辞典を徴すると、「顧客、得意先、取引先」(『研究社 新英和大辞典』2002年3月)、「顧客、買い手、取引先、お得意」(『小学館ランダムハウス英和大辞典』1999年1月10日)」等の記載が認められる。
そうすると、「e−customer」の文字は、「電子的な(インターネットを介する)顧客、取引先」の意味合いを容易に理解、認識させるとみるのが相当である。
このことは、例えば「e−customer」及び該「customer」部分を片仮名文字で表示した「e−カスタマー」等について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞情報及びインターネットの各種情報をみると、以下のような記事が掲載されていることからも十分に裏付けられるところである。
(ア)「日本工業新聞社 セキュアカード&ソリューションズ東京2000 出展社を募集」の見出しのもと「◇同時開催=eCustomer Relationship Management Conference & Exposition」(「日本工業新聞」1999.12.24 1頁)
(イ)「ネットスーパー、現代版御用聞き――重い荷物、2時間で配達。」の見出しのもと「西友は、店頭に並ぶ六千品目の商品を原則として店頭と同じ価格で届ける。『たとえ家から五十メートルのところに店があっても、ネットで買う人は買う。買い物を面倒と思う人や、高齢者などの“買い物弱者”を見込んでいる』(阿部浩之eカスタマーグループマネジャー)。」(「日経流通新聞」2000.8.24 1頁))
(ウ)「【無店舗販売・すぽっと】 阿部浩之・西友情報システム部」の見出しのもと「(eカスタマーズグループマネジャー) ネットスーパー客層固まる 西友は消費者向けのEC(電子商取引)でいくつものメニューを持つ。大手小売業のEC実験室の観がある。その中の一つがネットスーパー。五月に立ち上げ、順次事業を拡大している。西友のEC部門の阿部浩之情報システム部eカスタマーズグループマネジャーに現状を聞いた。」(「繊研新聞」2000.11.10 6面)
(エ)「日立、顧客サービス強化、半導体製造装置――性能評価の場提供、納入後も遠隔監視。」の見出しのもと「日立は半導体製造装置の顧客向けに新しいサービス拠点『eカスタマーサポートセンター』を笠戸工場(山口県下松市)内に設ける。」(「日経産業新聞」2000.12.12 7頁)
(オ)「西友、3月1日付組織改編・人事異動」の見出しのもと「(4)情報システム部のeカスタマーズグループ・eトレードグループを営業企画室へ移管するとともに、情報システム部と物流部を統合し情報物流部とする」(「日本食糧新聞」2001.3.9)
(カ)「三井住友海上がHP一新、情報・サービスを拡充」の見出しのもと「(2)ネット上に『eカスタマーセンター』を新設し、11月17日から保険契約者を対象に住所変更やマイカーの買い替え届けなどを24時間365日受け付ける(3)東京電力が運営する『引っ越しれんらく帳』とデータ連携することで、eカスタマーセンター利用客に公共サービスの住所変更手続きを一括して行えるサービスを提供」(「ニッキン」2003.12.12 5頁)
(キ)「電子商取引システムパッケージ(中略)e−Customer Relationship Management(CRM)、e−Customer Logistics(ロジスティック)、e−Customer Servce(顧客サービス)」(http://www.asiabusiness.com.sg/Arc-hp/arc-sv.htm)
(ク)「ビリングシステム/e customer management ビリングシステムとは、料金設定や料金計算、決済、請求などをサポートするシステムのこと。(中略)課金・電子決済に関わるスキルやノウハウに、ANAのシステム構築で蓄積してきたANAマイレージクラブなどのCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)のノウハウをプラスし、顧客管理に関わるソリューション『e customer management』の分野にも進出してくことを大きな目標としています。」(http://www.asp-kk.co.jp/service/billing/contents01.html)
(ケ)「eCRM(e Customer Relationship Management)サービス BIGLOBEでは,市場の発展に伴うマーケティング手法の変化に伴い,これまでもEビジネスサイトにおいて,コミュニティ,マーケティング,コマースといった機能を実現するサービスを提供してきました。CRMという考えが普及した今日,それらの製品をさらに発展させた,eCRMサービスを提供します。」(http://www.nec.co.jp/techrep/ja/journal/g01/n12/g011218.html)
(コ)「ユーザ・アイデンティティ情報を確実に把握することで、顧客はエネルギー消費量や請求情報にインターネット経由で安全にアクセスすることができます。これにより顧客の満足度が向上し、顧客維持につながると考えています。我々は、当社の新しいeCustomerオンライン・アプリケーションにより電話による顧客からの問い合わせを減らすことができると期待しています。」(ww.novell.co.jp/pressrel/20030331_1.html )
(サ)「ご予約後、E‐Voucher(E−ホテルクーポン)とe‐Customer Receipt(請求書)をお客様のメールボックスへ送付します。」(http://japan.baliwww.com/ma/members/benefits.htm)
(シ)「E−customer integration (顧客との電子的結合)」(http://www.meti.go.jp/policy/chemistry/sekikakon/sekikakonsiryou/sekika-houkoku-shiryou29.html)
(ス)「同社では、E−Commers、E−Customerの次にくるのはE−Learningだとみている。」(http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/1201/csco.htm)
(セ)「委員会は主要なERP会社、SAP、PeopleSoft、Barnes、JD、Edwards、また、E−CustomerとしてMerrill Lynch、Boeingなどが構成します。そして彼らは緊密に連携し、インターネットを介して互いに通信し、価値あるデータを交換し合っています。」(http://www.microsoft.com/japan/developer/weeklynews/backNumber/dnnw109.txt)
(ソ)「eCRM (e customer relationship management−顧客囲い込み」(http://www.lcv.ne.jp/~netkasai/detail_10.htm)
(タ)「IT分野の将来予測に役立つ市場データと市場分析及びIT戦略の提供において世界的に評価の高い米国の調査会社IDC(本社:マサチューセッツ州)では、CRMやホスティングサービス、双方向サポートサービス、アウトソーシングを始めとするeカスタマケアサービスの世界市場を包括調査し体系的にまとめた調査報告書"eCustomer Care Services:Worldwide Market Forecast and Analysis,2000― 2005"を発行致しました。」(http://www.gii.co.jp/japanese/id7521_e_customer.html)
(チ)「みなさまから寄せられたよくあるご質問集をカテゴリやキーワードなどから検索することができます。まずは『eカスタマーセンター』をご利用ください。(中略)『eカスタマーセンター』で見つからなかったときは、ホームページ以外からでも色々な情報をお取り寄せしていただくことができます。」(http://www.odn.ne.jp/plan/commufa/question.html)
(ツ)「Eカスタマーコンタクトソリューション[Match Contact Solution]■ネット時代のカスタマー・サービスこんなことに困っていませんか?」(http://www.ntt-east.co.jp/tms/category/match_c.html)
(テ)「E‐カスタマー―ウェブマーケティングの未来 デビッド シーゲル(著)(中略)顧客(E−カスタマー)が企業の戦略的意思決定をも決断させる存在になる」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492530894/249-8321772-3256348)
(ト)「行政機関においても顧客サービスを軸に、eCRM(eCustomer Relation Management)の実現やITを活用して、組織やロケーション、時間の壁を超え、顧(個)客志向のサービスを提供することが求められています。」(http://www.asia.microsoft.com/japan/presspass/releases/092001.htm)
(ナ)「E‐Customer登録フォーム "E‐Customer"(イー・カスタマー)とは、ご希望のエリア・価格帯・物件の種類等をご登録していただくことで、登録条件に見合った物件が出次第、即座にお客様にEメールでお知らせするシステムです。"E‐Customer"をうまく活用して、誰よりも早く物件情報を手に入れちゃいましょう!」(http://www.seiei-housing.co.jp/asp/e_cutomers/e_customer_form.asp)
してみると、本願商標をその指定商品又は指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品又は役務が「電子的な(インターネットを介する)顧客、取引先」を対象とするものであることを表示したものと理解するに止まり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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