Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−14091(T2000−14091/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第9類「レコード,遊園地用機械器具,録画済みビデオディスクおよびビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」、第16類「写真」、第28類「液晶画面ゲームおもちゃ」及び第41類「通信を用いて行うゲームの提供,テレビゲームイベントの企画・運営又は開催,放送番組の制作,コンピュータ通信又はインターネットによるゲームに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務とし、平成11年8月26日に登録出願された平成11年商標登録願第76834号の分割出願として、平成11年11月19日に登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、平成12年6月16日付け手続補正書をもって、第9類「プロレスリングに関するレコード,プロレスリングに関する遊園地用機械器具,プロレスリングに関する録画済みビデオディスクおよびビデオテープ,プロレスリングに関する家庭用テレビゲームおもちゃ」、第16類「プロレスリングに関する写真」、第28類「プロレスリングに関する液晶画面ゲームおもちゃ」及び第41類「通信を用いて行うプロレスリングに関するゲームの提供,プロレスリングに関するコンピュータ通信又はインターネットによるプロレスリングに関するゲームに関する情報の提供」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、出願人は手続補正書を提出し指定商品を補正したが、「本願商標は、『人気のある主だったプロレスラーが対戦するプロレスリング』の意味合いを容易に看取させる『ALL STAR』の欧文字と『PRO一WRESTLING』の欧文字をややレタリングを施されてはいるものの普通に用いられる域を脱しない方法で書してなるものであるところ、いわゆるプロレスは従前よりテレビあるいはビデオテープ等により一般に広く提供され親しまれているほか、近時においてはプロレスを模したゲームプログラムが広く市場に提供されている実状にあるから、これをその指定商品(指定役務)について使用するときには、単に商品の内容(品質)及び役務の質を表示するにすぎないものであり、記述的標章として認識されるに止まり、上記文字に照応する補正後の商品・役務に使用しても、単にその商品の品質、用途、その役務の質を表すものとして直観し認識されるに止まり、何ら自他商品・自他役務を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認めるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲に示したとおり、全体を黒色の横長長方形内に、その下部分に、下線上に「PRO一WRESTLING」の欧文字を一連に表し、その上部分に「ALL STAR」の欧文字を、文字の大きさを変えて、波線上に配列した如くに表してなるものと容易に看取し得る構成態様で表し、文字部分及び長方形の背景に色彩を施してなるものと認められる。
そして、「ALL STAR」の欧文字は、「花形俳優総出演の、花形選手総出場の」の意味を有する語として、また、その下部に表されている「PRO−WRESTLING」の文字は、「professional wrestlingの略語で、興行を目的としたプロレスリング、又はプロレス」を意味する語として、いずれの語も広く一般に知られているところである。
そして、「オールスター(all star)」の語は、例えば、「映画・演劇で、人気俳優たちの総出演」を意味する「オールスターキャスト(all star cast)」、「プロ野球で、優秀選手および人気選手の選抜による特別試合」を意味する「オールスターゲーム(all star game)」のように「オールスター・・・」と用いられている。
そうしてみると、「ALL STAR」「PRO一WRESTLING」の文字を表してなる本願商標は、容易に「花形選手(スター選手)総出場のプロレスリング」の意味合いを理解され得るものといえる。
また、本願商標は、ありふれた形状といえる長方形の黒色の地に、「ALL STAR」の欧文字部分が多少図案化されていて、色彩が施されていたとしても、上記のとおり、この商標に接する取引者、需要者が容易に「ALL STAR」「PRO一WRESTLING」の文字を表してなるものであって、上記意味合いを認識され得るものであることからすると、普通に用いられる方法で表示する範囲を越えて表示しているものということはできない。
ところで、プロレスリングは、多くのファン層に人気があり、それぞれ花形選手(スター選手)がいて、その試合の模様がテレビジョンで放映され、新聞・雑誌で試合等の報道がされ、また、プロレスリングを題材とした各種商品が販売され、さらに、プロレスリングに関するゲームが広く市場に提供されていることが認められる。
以上からすると、本願商標を上記補正後の指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「人気のある選手(スター選手)を多数登場させたプロレスリングに関する商品又は役務、及びこれらを題材とした商品又は役務」であることを容易に認識するにとどまり、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、単にその商品の品質(内容)及び役務の質を表示したにすぎないものといわなければならない。
この点に関し、請求人は、本願商標は、単なる「PRO−WRESTLING」でなく、顕著に山並み型に表示した「ALL STAR」が存在するので自他商標識別力を有する旨を主張して、過去の登録例を挙げている。
しかしながら、「ALL STAR」の欧文字における、それぞの字形は普通の書体であり、何ら創作性のない極めてありふれたものであり、その文字の大きさを違え、波線上(山並み型)に「ALL STAR」と組み合わて多少図案化し色彩を施しているとしても、この商標に接する取引者、需要者が容易に「ALL STAR PRO一WRESTLING」の文字を表してなるものであって、上記意味合いを認識し得るものであることからすると、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する範囲を越えて表示しているものということはできない。
また、請求人の挙げる過去の登録例は本願商標とは指定商品及び指定役務が相違する等事案を異にするものであり、加えて、本願商標が「PRO−WRESTLING」(プロレスリング)の語が併記されたことによって、「ALL STAR」(オールスター)の内容がより特定し具体的に表していて明確に把握し得ることから、上記語よりなる本願商標は、前記の認定のとおりであり、請求人の上記主張は採用することができない。
4 むすび
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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