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Trademark Appeal Case

著名商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16487号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「SABLINA VALENTINO」の文字を横書きしてなり、平成8年9月4日登録出願、第9類「写真機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー」を指定商品とするものである。

2 原査定における拒絶の理由及び当審においてした審尋(求釈明)の内容

(1)原査定は、商標法第4条第1項第15号該当を理由に本願を拒絶したものである。

(2)当審において、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第1項に基づく証拠調べを行い、本願商標は、なお、原査定の拒絶の理由を免れないものとし、平成13年11月1日付審尋書をもって、改めて、請求人(出願人)に対して、意見書を述べるための期間を指定して、求釈明を行った内容は以下のとおりである。

〈審尋書〉

1.この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「SABLINA VALENTINO」の文字を横書きしてなるところ、その構成中に、後述するとおり、イタリア国在住のデザイナー「VALENTINO GARAVANI」(オランダ国在の関連企業「バレンチノ グローブ ベスローテン フェンノートシャップ社」を含む。)が「紳士・婦人服」等に使用している著名な商標「VALENTINO」の文字を含むものである。

また、本願商標「SABLINA VALENTINO」が、一般に親しまれた特定の熟語を表すものとか、特定の人名を表すものとして知られているとかの事情は認められない。そして、本願商標は、その指定商品を「写真機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー」とするものである。

2.「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)又は「VALENTINO」(ヴァレンティノ)の文字(標章)に関し、証拠調べを行ったところ、下記の事実を発見した。

(1)「ライフカタログVOL.1世界の一流品大図鑑」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)の「ヴァレンティノ・ガラバーニ」の欄において「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されています。・・(略)ヴァレンティノは、1952年ジャン・デシーのアトリエ主任をした後・・(略)ファッションオスカー賞を獲得し国際的な名声を得ました。・・(略)今シーズンのヴァレンティノのデザイン傾向はクラシック。」との内容(第44頁)、「ヴァレンティノ」の見出しで、「ブラウス、セーター」(第54頁)、「ネクタイ」(第91頁)の商品及び「一流ブランド物語ヴァレンティノ・ガラバーニ」の欄において「・・(略)ヴァレンティノ・ブティックには、女性用の衣服、スカーフなどのほか、男性用の衣服や靴まで揃えられている・・(略)」(第183頁)とそれぞれ掲載されていること。

(2)「EUROPE一流ブランドの本(講談社MOOK第2巻第5号)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載(第95頁)されていること。

(3)「ライフカタログVOL.8世界の一流品大図鑑’78年版」(昭和53年5月10日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ」の見出しでの「ネクタイ」(第32頁)、「シャツ」の商品の記載(第134頁)及び「ヴァレンティノ・ガラバーニ、・・(略)イタリアで『王様』の称号を与えられる世界一のプレタ・ポルテ界の第一人者」(第134頁)と記載されていること。

(4)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)において、「ヴァレンティーノ〔Valentino〕の項にイタリアのデザイナーと記載され(第64頁)、また、「イタリア ヴァレンティノ・ガラヴァーニ〔Valentino Garabani,1932〜〕」の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。・・(略)彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクションは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのは、みごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなく、そのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。・・(略)ヴァレンティーノは、現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近は、キモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」旨の紹介記事が掲載(第29頁及び第30頁)されていること。

(5)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。

(6)「ライフカタログVOL.22 男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字と共に、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載(第13頁、第37頁、第49頁、第65頁、第75頁及び第83頁)されていること。

(7)雑誌「non-no」1989年 No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。

(8)雑誌「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、今月の大特集/ファッション界最大のスター「ヴァレンティノ」の文字が表紙に大きく表示され、「ヴァレンティノの赤」、「ヴァレンティノを着た女性」、「ヴァレンティノをめぐる美しき女神たち」の文字とともに24頁にわたって掲載(第66頁ないし第89頁)されていること。

(9)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)の[Valentino Garavani]の項において、「イタリア Romaのデザイナー Valentino Garavani(1932−)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称は、Valentino(vは小文字で書くこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載(第447頁)されていること。

(10)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載(第278頁)されていること。

(11)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊1933−)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載(第223頁)されていること。同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの指示見出し(第84頁)があること。

(12)「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑2001」(2001年1月20日株式会社チャネラー発行)において、インポート「株式会社ヴァレンティノブティックジャパンの『ヴァレンティノ(VALENTINO)、直輸入(後略)』」(第550頁)、アクセサリー&ファッション雑貨「ヴァレンティノ(VALENTINO)の『(品目)紳士ベルト、(商品特徴)イタリア、ファッション界の大御所的存在のヴァレンティノ・ガラバーニ(後略)』」(第739頁)と記載されていること。

(13)雑誌「JJジェイジェイ1月号」(2001年1月1日光文社発行)において、「VALENTINO、小物が評判のヴァレンティノ実は洋服も上品なセンスで要注目」の記事及び「Vのロゴ」の背景入りの写真が掲載(第99頁)されていること。

(14)「流通サービス新聞」(1991年3月12日 7頁 日刊工業新聞社発行)において、「インタービジョン(東京)は、伊『モスキーノ』のめがねフレーム、サングラスを発売。同社はほかに・・(略)『ヴァレンティノ・ガラヴァーニ』、・・(略)を販売している。ライセンス品はフレーム8、サングラス4、インポートはサングラスのみ8の各タイプ。・・(略)全国約三百店舗で販売する。」と記載されていること。

(15)眼鏡光学出版株式会社のインターネットにおいて、「眼鏡フレーム・ブランドリスト」に他のブランド名と共に「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」が掲載されていること。(http://member.nifty.ne.jp/yasubee/opt/k_brand2.htm)。

(16)ナイスメガネ(宮城県名取市倉田)のインターネットホームページにおいて、眼鏡の取扱品に「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」のブランドが掲載されていること。(http://www.nicemegane.com/)。

(17)本願商標の指定商品中の、特に「眼鏡」については、ヴァレンティノ ガラヴァーニに係る標章、いわゆる「Vのロゴマーク」と「VALENTINO」の文字とを併せ表示した標章の下に眼鏡を取り扱う店舗において販売されているのが実状である。

3.以上の事実よりすると、「VALENTINO GARAVANI」「Valentino Garavani」「valentino garavani」「ヴァレンティノ・ガラバーニ」「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「VALENTINO」「Valentino」「バレンチノ」「ヴァレンティノ」よりなる商標(以下「引用商標」という。)は、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI)氏がデザインした婦人服、紳士服、アクセサリー、バッグ、香水等のファッション関連の商品におけるデザイナーブランドとして、少なくとも本願商標の出願前において、わが国の取引者、需要者の間に広く知られていたものであって、それら商品の話題性、需要者層の共通事情等よりして、その著名性は眼鏡、電気式ヘアカーラーを含む本願の指定商品の分野にも及んでいたものとみるのが相当である。

(結論)

そうすると、「VALENTINO」の文字を含む本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「VALENTINO」の文字部分に自ずと注意を惹かれ強く印象づけられ、周知、著名である引用商標「VALENTINO」を容易に連想、想起し、その商品が前記デザイナーブランドに係る商品の一種ないし兄弟ブランド、ファミリーブランドであるかの如く誤認し、その商品があたかも上記デザイナーあるいは、同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれが少なからずあるものといわなければならない。

3 当審の判断

本願商標は、「SABLINA VALENTINO」の文字を横書きしてなり、指定商品については、前記1のとおりである。

そして、本願商標についてした上記審尋の内容は妥当であって、本願商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間において広く認識されるに至った、いわゆる著名な「VALENTINO」「Valentino」(ヴァレンティノ)商標(以下「引用商標」という。)を含むものであるから、請求人が、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を容易に連想・想起し、当該商品が恰も前記デザイナーブランドに係る商品の一種ないし、その兄弟ブランド、ファミリーブランドであるか、あるいは、上記デザイナー若しくは同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く誤認し、その出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるものといわなければならない。

そして、請求人は、上記審尋に対して所定の期間を経過するも何ら意見を述べていないだけでなく、その後、当審における平成15年6月3日付手続中止通知送付後の同16年4月7日に送付した手続中止解除通知後も意見をもって何ら述べるところがない。

以上によれば、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、同旨の理由により本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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