sokuhyo

Trademark Appeal Case

FORUMの称呼・観念類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2003−35259(T2003−35259/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4425452号商標(以下「本件商標」という。)は、「FORUM」の欧文字を横書きしてなり、平成9年1月7日に登録出願され、第28類「スノーボード、スノーボード用締め具、スノーボード用流れ止めひも、その他のスノーボードの附属品、その他の運動用具、遊戯用器具、ビリヤード用具、囲碁用具、将棋用具、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具、チェッカー用具、手品用具、ドミノ用具、マージャン用具、おもちゃ、人形、スキーワックス、釣り具」を指定商品として、同12年10月20日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第2565868号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成2年6月14日に登録出願され、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同5年8月31日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、ローマ字「FORUM」を書してなるものである。我が国国民は、これを英語の単語、仏語の単語又は独語の単語として読む可能性がある。各国語によるその読みは、順に「フォーラム」、「フォラム」、「フォールム」となるものであるから、本件商標からは、「フォーラム」、「フォラム」及び「フォールム」の称呼が生ずるものと認められ、いずれの言語においても、「FORUM」は、「公共の広場」の意味をもつから、本件商標からは「公共の広場」の観念が生ずるものと認められる(甲第3号証「三省堂発行 グローバル英和辞典」、甲第4号証「白水社発行 新仏和中辞典」、甲第5号証「同学社発行 新修ドイツ語辞典」参照)。

これに対し、引用商標からは、その片仮名どおり「マリークレールフォリュム」の称呼が生ずるほか、「marie claire」の部分から「マリークレール」の称呼が、「FORum」の部分からは、その片仮名どおり「フォリュム」の称呼が生ずるほか、これを英語読みして「フォーラム」の称呼も生ずるものである。

また、引用商標からは、「marie claire」という人名が認識されることに加え「FORum」の部分から「公共の広場」の観念が認識される。

それ故、本件商標と引用商標とは、その称呼「フォーラム」において類似し、また、その観念「公共の広場」においても類似する。

そして、本件商標の指定商品は、引用商標に係る指定商品と重複するものである。

よって、本件商標は、引用商標と類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とされるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、引用商標からは「フォーラム」の称呼及び「公共の広場」の観念は生じない旨主張している。

しかしながら、引用商標構成中の「marie claire」及び「マリークレール」は、我が国においても著名な商標であるから、看者は、引用商標中の「marie claire」及び「マリークレール」の部分を既知の商標と認識し、これらとは別に、ローマ字からなる筆記体部分及び「フォリュム」に注意を向けると考えるのが自然である。この場合、看者は、ローマ字からなる筆記体部分と片仮名「フォリュム」を対応し、筆記体の末尾の文字が片仮名の末尾の「ム」に対応する「m」であると容易に理解することとなる。

したがって、筆記体部分は、「foRum」と認識されるから、「foRum」から「フォーラム」の称呼を生じ、「公共の広場」の観念を生ずることは明らかである。

それ故、本件商標と引用商標とは、「フォーラム」の称呼及び「公共の広場」の観念を生ずる称呼及び観念において類似する商標であるといわざるを得ない。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

(1)本件商標から生じる称呼について

「FORUM」からなる語は、「公共の広場、討論会」等の意味を有する英単語として、一般に広く知られているものであるから(乙第1号証ないし同第5号証参照)、これが英語の読み方で読まれるのが当然であり、敢えて何ら馴染みのない仏語や独語の読み方で読むことはあり得ないというべきである。

したがって、本件商標から生じる称呼は、その英語読みの「フォーラム」のみであり、請求人が主張するような「フォラム」及び「フォールム」の称呼までもが生じることはない。

(2)引用商標から生じる称呼について

引用商標は、全体としてまとまりよく書されており、その全体から生じる称呼も8音という外国語の発音としては格別冗長ではなく、むしろ適度な長さのものであることから、その片仮名部分と相俟って、「マリークレールフォリュム」の称呼のみが自然に生じるというべきである。

仮に万が一、引用商標を二分して称呼する場合があったとしても、引用商標は、その構成からして、「フォーラム」の称呼が生じることはないものである。すなわち、商標中央部に筆記体で書された文字(以下「筆記体部分」ともいう。)は、デザイン化されていることにより、正確にその構成文字を判別することが困難なものとなっている。該筆記体部分を敢えて判別してみれば、その第1文字目から第4文字目までは各々「f」、「o」、「R」及び「u」であることが看取できるが、これに続く部分は、通常の筆記体の書体に鑑みると、精々「l(エル)」及び「y」と看取することができるのみであって、請求人主張のように、当該部分が「m」として認識されることはあり得ないから、該筆記体部分から「フォーラム」の称呼が生じることはないものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼において何ら混同を生じ得ない非類似の商標である。

(3)引用商標から生じる観念について

上述のとおり、引用商標の筆記体部分は、精々ローマ字「FoRuly」から構成されていると認識されるに止まるものである。そして、「FoRuly」と同一の文字構成からなる語は、英語やその他の語においても存在しないから、引用商標の筆記体部分は造語として認識されるにすぎず、結果として何ら特定の観念を想起させることはない。

したがって、本件商標と引用商標とは、その観念においても何ら混同を生じることのない非類似の商標である。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

5 当審の判断

本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「FORUM」の語は、「フォーラム」と読まれ、「公共の広場、討論会」等の意味を有する英単語として一般に広く知られているものであるから、本件商標からは「フォーラム」の称呼及び「公共の広場、討論会」等の観念を生ずるものと認められる(乙第1号証「新潮社発行 現代国語辞典」、乙第2号証「岩波書店発行 広辞苑」、乙第3号証「検索エンジンインフォシークにおけるオンライン辞書(http://jiten.www.infoseek.co.jp/)の検索結果」、乙第4号証「角川書店発行 外来語辞典」、乙第5号証「三省堂発行 コンサイスカタカナ語辞典」参照)。

他方、引用商標は、別掲のとおり、「marie claire」の欧文字と「マリークレールフォリュム」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、該欧文字の上部に筆記体で書したサイン風の欧文字を配した構成からなるものである。

ところで、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、当該欧文字部分が通常の知識・理解力をもっては、直ちに正確に判読し難い場合、あるいは、一定の称呼を生じない造語の場合などにあって、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

これを引用商標についてみれば、引用商標構成中の欧文字部分は、いずれも成語でなく、直ちに親しまれた一定の称呼を生ずることはないものと認められることから、自ずと、親しまれている読み易い片仮名文字に注意が注がれ、該片仮名文字に相応して「マリークレールフォリュム」の称呼を生ずるものということができる。そして、欧文字部分については、片仮名文字中の「マリークレール」の文字部分が「marie claire」の欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得ることから、該欧文字部分からは、「マリークレール」の称呼を生ずるものということができるが、筆記体部分は、サイン風に書されており、これが如何なる文字列からなるものであるかを理解、認識することは困難であるから、該筆記体部分からは、特定の称呼を生ずることはないものとみるのが相当である。

この点について、請求人は、看者は筆記体部分と仮名文字「フォリュム」を対応し、筆記体部分の末尾の文字が片仮名の末尾の「ム」に対応する「m」であると容易に理解するから、該筆記体部分は、「foRum」と認識され、「フォーラム」の称呼を生じ、「公共の広場」の観念を生ずる旨主張している。

しかしながら、仮名文字部分と欧文字部分とが対応関係にあるものとみることができるのは、あくまでも、両部分が対応関係にあるものと無理なく認識し得る場合に限られるものというべきであるところ、該筆記体部分からは、そもそも特定の文字列を理解、認識することが困難であるから、片仮名文字中の「フォリュム」の部分と該筆記体部分とが対応関係にあるものと無理なく認識し得るものとはいい難く、この点についての請求人の主張は採用できない。

そこで、本件商標から生ずる「フォーラム」の称呼と引用商標から生ずる「マリークレールフォリュム」及び「マリークレール」の称呼とを比較するに、両称呼は、その音構成を全く異にするものであるから、互いに紛れるおそれのないものである。

また、両商標は、上記したとおりの構成からなるものであるから、外観においても明らかな差異を有するものであり、更に、引用商標は、いずれの構成部分からも特定の意味合いを認識させることはないものと認められるから、両者の観念については比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。