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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−12889(T2001−12889/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ヴィヨン」及び「VIYON」の各文字を上下二段に書してなり、平成12年3月31日に登録出願、指定商品については、一部職権訂正がなされた結果、第23類「糸(脱脂屑糸を除く。)」、第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,ろ過布,布製身の回り品,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け」及び第25類「被服(和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメットを除く。),靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品とするものである。

2 原査定で引用した商標

原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した登録商標は、次の(1)ないし(5)に示すとおりである。

(1)登録第1886669号商標は、昭和58年7月15日に登録出願、別掲に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和61年8月28日に設定登録され、平成9年6月27日に存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続している。

(2)登録第2247269号商標は、昭和63年3月25日に登録出願、「VIONNE」の文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録され、平成12年2月8日に存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続している。

(3)登録第2482718号商標は、平成2年7月17日に登録出願、「Biyo」の文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、平成14年7月9日に存続期間の更新登録、平成15年10月1日に第25類「和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」に指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続している。

(4)登録第2443874号商標は、平成2年2月9日に登録出願、「BION」「ビオン」の各文字を上下二段に書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録され、平成14年12月10日に存続期間の更新登録、平成16年6月2日に第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」に指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続している。

(5)登録第2532564号商標は、平成2年2月9日に登録出願、「BION」「ビオン」の各文字を上下二段に書してなり、第16類「織物、編物、フエルト、その他の布地」を指定商品として、平成5年4月28日に設定登録され、平成15年5月13日に存続期間の更新登録、平成15年9月10日に第17類「石綿織物,石綿製フェルト」、第24類「織物(畳べり地を除く。),畳べり地,メリヤス生地,フェルト,不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布」及び第26類「テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類」に指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続している。

なお、上記(1)、(4)及び(5)に示す登録商標を以下一括して「引用商標」という。

3 当審の判断

本願商標は、「ヴィヨン」及び「VIYON」の各文字を上下二段に書してなるところ、その構成文字に相応して「ヴィヨン」の称呼を生ずることは明らかである。

他方、引用商標は、その構成前記のとおりであるから、その構成文字に徴して「ビオン」の称呼を生ずること明らかである。

そこで、本願商標より生ずる「ヴィヨン」の称呼と引用商標より生ずる「ビオン」の称呼について比較検討するに、両者は共に3音構成よりなり、第1音において「ヴィ」と「ビ」、第2音において「ヨ」と「オ」の音が相違し第3音「ン」を共通にするものである。

しかして、相違する「ヴィ」と「ビ」の音は、前者が下唇を上歯に接近させた調音させる唇歯音で有声摩擦音(v)と母音(i)との結合した音節であるのに対し、後者が両唇の閉鎖による両唇音で有声破裂音(b)と母音(i)との結合した音節であって、両者の子音の調音位置が近似し、かつ、母音を共通にするものである。加えて、「ヴィ」(vi)の音は、例えば弦楽器の一つである「ヴィオラ」を「ビオラ」と、英国の女王(1819年〜1901年)「ヴィクトリア」を「ビクトリア」と発音される場合もあるように、常に原語に従った正しい発音がされるとも限らず、発音し易い「ビ」(bi)の音に置き換えて発音されることも少なくないことよりすれば、我が国において、「ヴィ」と「ビ」の音は、極めて近似した音として聴取されるものである。

また、他の相違音である「ヨ」と「オ」の音にしても、前者は、硬口蓋と前舌との間を狭めて発する有声の半母音(j)と母音(o)との結合した音節であるのに対し、後者は、母音(o)であって、共に母音を共通にする音質の近似した音といわなければならない。

そうとすれば、「ヴィヨン」と「ビオン」の両称呼は、共に3音という短い音構成であり、そのうち2音が相違するにしても、相違する2音はいずれも前述のとおり近似した音質の音であり、かつ、両者とも造語であることを併せ考えれば、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が極めて近似し、彼此聞き誤るおそれのあるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、電話等口頭による取引が普通に行われている取引社会の実情よるすると、商標より生ずる称呼をもって取引指標とする場合も少なからずあるといえるから、その外観の点について考慮しても、称呼上類似する商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と抵触するものである。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

追って、請求人は、「本願商標と原査定で引用した商標では外観に差異があり、特に被服等の商品については、購買の際に、需要者は、店頭で実際に商品を見るか、カタログ、雑誌等で見てから購入するのが一般的であるから、このような商品の取引の実情からすると、商標の識別は、称呼よりむしろ外観によりなされる要素が大きい。」旨主張する。

しかしながら、本願商標や引用商標のように文字のみから構成されている商標は、被服のような商品に使用される場合であっても、取引者、需要者は、商標をその称呼によって記憶し、称呼をもって取引に資することが少なくないことは経験則に照らして認め得るところであり、かつ、請求人提出の証拠を精査するも、本願商標に係る指定商品が電話等の口頭による取引が行われないという事情も見出すことができないから、商標の類否を判断する要素としてその称呼が極めて重要であるといわなければならない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観に差異があることを考慮しても、前述のとおり、その称呼が互いに相紛らわしいものであるから類似の商標といわざるを得ない。

更に、請求人は、「請求人自身を商標権者として商標登録されている『ヴィヨン』の文字を横書きしてよりなる登録第1720439号商標、『ヴイヨン』の文字を横書きしてよりなる登録第1741816号商標、『VIYON』の文字を横書きしてよりなる登録第2031491号商標及び『VIYON』の文字を横書きしてよりなる登録第2415027号商標と原査定で引用した商標が併存して商標登録された事実をもって、本願商標と各引用商標とは区別されるべきである。」旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、審理終結時に当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別、具体的に判断されるものであり、過去の登録事例をもって本願商標の登録の適否を判断するのは必ずしも合理的とはいえず、結局、請求人の主張は採用の限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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