結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30385(T2003−30385/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4058007号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年3月18日に登録出願され、「SANTA CRUZ」の欧文字を横書きしてなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」を指定商品として、同9年9月19日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘,これに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれかによって使用された事実は存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、上記商品についての登録を取り消すべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)乙第4号証の1ないし乙第6号証の2について
(a)本件商標は、欧文字「SANTA CRUZ」を書してなるものであるが、被請求人が乙第4号証の1ないし乙第6号証の2において使用している商標は「SANTA−CRUZE」である。
本件商標「SANTA CRUZ」は、全体として「サンタクルスという都市、サンタクルス川、人名」という意味を有するのに対し、「SANTA−CRUZE」は、全体として何ら意味を持たない。また、称呼においても、本件商標は「サンタクルス」と称呼するのに対し、「SANTA−CRUZE」は「サンタクルーズ」と称呼するものであり、外観においてもハイフン及び欧文字「E」の有無という差異を有する。
したがって、「SANTA−CRUZE」の使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用には当たらない。
(b)被請求人が乙第4号証の1ないし乙第6号証の2において「SANTA−CRUZE」の商標を使用している「スノーボードケース」は、独特の形状をしたスノーボードを収納するためのものであり、その特殊な形状から汎用性は認められず、スノーボード専用の附属品であると考えられる。そうとすれば、「スノーボード」は、第28類「運動用具」に分類されている(甲第2号証)ものであるから、「スノーボードケース」も第28類「運動用具」に属すると解すべきであり、本件不使用取消審判の請求に係る商品には含まれない。
(イ)乙第7号証ないし乙第9号証について
被請求人が乙第7号証ないし乙第9号証において、「SANTA CRUZ」の商標を使用している「ブーツバッグ」は、スノーボードブーツ又はスキーブーツ専用の附属品であると考えられるので、スノーボードブーツ又はスキーブーツと同一の類似群に帰属するものと解すべきである。このことは、「スキーブーツ用ケース」が第25類「運動用特殊靴」に分類されていることからも明らかである(甲第4号証)。
したがって、「ブーツバッグ」は、第25類「運動用特殊靴」に属すると解すべきであり、本件不使用取消審判の請求に係る商品には含まれない。
被請求人は、当該「ブーツバッグ」をスポーツバッグとしても使用可能である旨主張するが、「ブーツバッグ」は、特殊な形状の汚れたスノーボードブーツ又はスキーブーツを収納するものであることから、汎用性はないと思われる。このことは、ゴルフのシューズケースがスポーツバッグとして使用されないことや、ボーリングのボールケースがスポーツバッグとして使用されないことと同様である。
ある商品が別の用途に転用が可能か否かは主観によるものであり、商品の帰属は、客観的に判断されるべきものであるから、被請求人の主張は、「類似商品・役務審査基準」を無視するものであって妥当ではない。
したがって、当該「ブーツバッグ」も汎用性はなく、スノーボードブーツ又はスキーブーツの専用附属品であると解するのが妥当である。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
商標の使用に係る商品名は、「ブーツバッグ」であり、その形状は、乙第9号証のとおりである。該「ブーツバッグ」は、スキーブーツないしスノーボードブーツを入れるためのものであり、乙第4号証ないし乙第6号証に記載の「スノーボードケース」が販売される際に、セット商品として一緒に販売されていたものである。
また、上記「ブーツバッグ」は、乙第7号証及び乙第8号証のとおり、平成12年8月5日及び平成14年4月13日に、単品においても販売されている。
なお、上記「ブーツバッグ」の用途は、スキーブーツないしスノーボードブーツを入れることに限られず、スポーツバッグとしても使用可能である。
商標の使用時期は、現在使用中である。ただし、流通されるのは、スキー・スノーボードのシーズン中のみである。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘,これに類似する商品」について継続して3年以上日本国内において商標権者である被請求人において使用しているものであるから、本件審判請求は成り立たないものである。
(1)被請求人が提出した乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第4号証の1ないし3は、いずれも売上伝票であり、これらによれば、被請求人は、2001年(平成13年)11月1日に株式会社Kトレーディングに対し、「SB−150 スノーボードケース SANTA−CRUZE」を販売したこと、同年10月21日に株式会社大泉に対し、また、同年12月25日に日本用品株式会社に対し、いずれも「SB−135 スノーボードケース SANTA−CRUZE」を販売したこと。
(イ)乙第4号証の4は、物品受領書(発行元控)であり、被請求人は、2002年(平成14年)2月12日にK−BOXに対して、「SB−150 ボードケース」を納品したこと。
(ウ)乙第5号証は、コンピュータによるデータ打出し資料であり、被請求人は、2001年(平成13年)10月15日から2002年(平成14年)12月30日にかけて、井上運動用品株式会社、有限会社アキバスポーツ等に対し、「SB−900L スノーボードケース」、「SB−90AL スノーボードケース」を販売したこと。
(エ)乙第6号証の1及び2は、「商品明細一覧表」と題するコンピュータによるデータ打出し資料であり、被請求人は、2001年(平成13年)9月28日から2002年(平成14年)9月13日にかけて、株式会社ワールド・ワン、井上運動用品株式会社、株式会社マイカル等に対し、「SB−135 スノーボードケース SANTA−CRUZE」、「SB−150 スノーボードケース SANTA−CRUZE」を販売したこと
(オ)乙第7号証及び乙第8号証は、いずれも売上伝票であり、これらによれば、被請求人は、2000年(平成12年)8月5日に有限会社ジェイ・チヨダに対し、2002年(平成14年)4月13日にオールウェイズインターナショナル株式会社に対し、いずれも「SANTA CRUZ ブーツバック」を販売したことの各事実を認めることができる。
(カ)また、乙第9号証は、写真報告書と題する書面であり、「SANTA CRUZ」の商標が表示されている「ブーツバッグ」の写真が貼付されており、該「ブーツバッグ」の見取図が添付されている。
(2)上記において認定した事実によれば、被請求人は、本件審判請求の登録日(平成15年4月23日)前3年以内である2000年(平成12年)8月5日及び2002年(平成14年)4月13日に、「SANTA CRUZ」の商標を使用した「ブーツバック」を販売したことを認めることができる。また、該「ブーツバッグ」をセット商品として一緒に販売したとされている「SANTA−CRUZE」の商標を使用した「スノーボードケース」についても、本件審判の請求の登録日前3年以内に販売したことを認めることができる。
(3)しかしながら、該「ブーツバッグ」は、本件取消請求に係る第18類の指定商品中の「かばん類、袋物及びこれらに類似する商品」の範疇に属する商品とは認められない。
この点について、被請求人は、該「ブーツバッグ」はスキーブーツないしスノーボードブーツを入れるためのものである旨述べている。
ところで、例えば、株式会社同文書院発行「新・田中千代服飾辞典(1998年5月3日第一版新訂第1刷)」によれば、「かばん(鞄)」の説明には、「物を携帯するための袋状または箱形の入れ物で・・・現在、かばんの種類としては、書類などをいれるブリーフ・ケース、通学、通勤に用いられる手さげかばん、肩から下げる箱形のギャジット・バッグ、背中に背おうランドセル、旅行用のトランクやボストン・バッグ、衣装をいれるスーツケース、男子が書類や小物をいれるアタッシュ・ケースなどのほか、特別なものとして車のついた買物用のショッピング・バッグ、自動車の中におくカー・バッグなどがある。」とあり、「ふくろもの(袋物)」の説明には、「和服用のハンドバッグ。全体に小型が多く、若い人には手さげ型、中年には抱え型が多い。」と記載されている。また、東洋経済新報社発行の「商品大辞典(1996年4月15日第13刷)」によれば、「袋物、かばん(pouch & bag)」の説明には、「物を携帯あるいは運搬するための袋状または箱状をした入れ物をいう。一般に袋物はハンドバッグ、札入れなどのような小型の身辺装飾をかねた入れ物をいい、かばんはこれより大型で、容量として実用的に用いられるものをいう。」と説明されている。そして、この見出し語のもとで、「ハンドバッグ」、「書類用かばん」、「旅行用かばん」等とともに「運動具用かばん」も掲げられており、その説明によれば、「各運動種目に用いる用具を入れるかばんで、ラケットケース、バットケース、ボールバッグ、キャディーバッグ(ゴルフのクラブやボールなどを入れる)、シューズバッグなどがあり、いずれも、用具の大きさに適合するようにつくられている。」と記載されている。
このような記載からみれば、被請求人の取扱いに係る「ブーツバッグ」も、広義における「袋物・かばん類(バッグ類)」の範疇に属する商品であることを一概には否定できない。
しかしながら、商品の分類方法は、その分類の目的により、分類の仕方もそれぞれ異なるものであるところ、商標法においては、商品の混同を防止し、商標使用者の業務上の信用と需要者の利益を保護するという商標法の目的に則り、取引市場の実情をも考慮しつつ、国際分類に即して、商品分類が定められている。具体的には、商標法第6条第2項を受けて規定されている政令(商標法施行令第1条)の別表において、商品及び役務の区分が定められており、各区分に属する具体的な商品又は役務は、商標法施行規則第6条別表のとおりである。
該施行規則第6条別表によれば、第28類「九 運動用具」の「(一)野球用具及びソフトボール用具」の項には、グローブやバットとともにバットケースが例示されており、「(四)テニス用具及びバトミントン用具」の項には、硬式ボールやラケットとともにラケットケースが例示されており、「(七)ゴルフ用具」の項には、クラブやティーとともにキャディーバッグが例示されており、「(八)ボウリング用具」の項には、ボウリンググローブやボールとともにボウリングバッグが例示されており、「(九)スキー用具」の項には、スキーやストックとともにスキーケースが例示されており、「(十九)(その他の運動具)」の項には、スノーボードが例示されている。
また、同別表の第25類「六 運動用特殊靴」の項には、「ゴルフ靴、サッカー靴、スキー靴、体操用靴、テニス靴、登山靴、バスケットボール靴」等々が例示されている。
このような施行規則別表の例示商品からみれば、専ら運動用として使用される用具、あるいは専ら運動に使用される靴は、その附属品的な商品を含めて、第28類の「運動用具」あるいは第25類の「運動用特殊靴」の区分にまとめて分類されているものということができる。
そして、類似商品・役務審査基準においては、第28類の「運動用具」と第25類の「運動用特殊靴」は、いずれも運動に専用されるものであるところから、区分を異にするが、互いに類似する商品とされている(甲第2号証ないし甲第4号証参照)。
一方、本件商標の指定商品は、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」であるところ、同施行規則別表によれば、第18類の「二 かばん類」の項には、「折りかばん、肩掛けかばん、グラッドストン、こうり、書類入れかばん、スーツケース、手提げかばん、トランク、ハンドバッグ、ボストンバッグ、ランドセル、リュクサック」が例示されており、「三 袋物」の項には、「お守り入れ、カード入れ、買物袋(車付きのものを含む。)、がま口(貴金属製のものを除く。)、キーケース、財布(貴金属製のものを除く。)、信玄袋、パス入れ、名刺入れ」が例示されている。
このような施行規則別表の例示商品からみれば、第18類の「かばん類、袋物」は、日常生活において使用されるバッグ類がまとめられているものということができる。
そして、第18類の「かばん類、袋物」と第28類の「運動用具」及び第25類の「運動用特殊靴」とは、日常生活において使用される商品と運動に専用される商品との関係にあるため、類似商品・役務審査基準においては、非類似の商品とされている。
そうとすれば、スキーブーツないしスノーボードブーツは、専ら、スキーあるいはスノーボードをするための独特の形状をした靴であり、第25類の「運動用特殊靴」に属するものである。
しかして、そのスキーブーツないしスノーボードブーツを入れるための「ブーツバック」は、商品大辞典の説明にもあるように、その靴の大きさに適合するようにつくられているものとみるのが通常であるから、スノーボードブーツやスキーブーツの専用附属品とみるのが相当であり、第25類の「運動用特殊靴」あるいは第28類の「運動用具」の附属品的な商品として捉えられるべきものであって、本件取消請求に係る第18類の指定商品中の「かばん類、袋物及びこれらに類似する商品」の範疇には属さないものというべきである。
また、被請求人自身、該「ブーツバッグ」は、スキーブーツないしスノーボードブーツを入れるためのものであって、「スノーボードケース」が販売される際に、セット商品として一緒に販売されていたものであり、流通されるのは、スキー・スノーボードのシーズン中のみであると述べている。
このことは、まさに、該「ブーツバッグ」が第25類の「運動用特殊靴」あるいは第28類の「運動用具」の附属品的な商品として認識・把握されて取引されていたという取引の実情を物語っているものということができる。
この点について、被請求人は、該「ブーツバッグ」は単品においても販売されていたものであり、その用途もスキーブーツないしスノーボードブーツを入れることに限られず、スポーツバッグとしても使用可能である旨主張している。
もとより、不使用取消審判の場において、登録商標の使用されている当該商品の実質に則して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であれば、当該二つの分類に属する商品について、登録商標が使用されているものと扱っても、前記のような商品区分の趣旨に反することにはならない。
しかしながら、該「ブーツバッグ」は、商品としては、それ自体、独立した商品であるから、単品で取引されることも当然に想定されることではあるが、そうであるからといって、上記のとおりに解される該「ブーツバッグ」の商品としての性質が変わるものではない。
また、商品の帰属は、客観的に決定されるべきものであって、取引者の主観的な意図や需要者の主観的な転用の可能性によって、左右されるものではない。
その他、被請求人の提出に係る証拠方法及び主張を総合してみても、該「ブーツバッグ」が第18類の「かばん類、袋物及びこれらに類似する商品」にも属する二面性を有する商品であると認めるに足る証左はない。
なお、被請求人は、乙第4号証の1ないし乙第6号証の2において、「SANTA−CRUZE」の商標を使用した「スノーボードケース」を販売した証拠を提出しているところ、その提出の趣旨は必ずしも明らかではないが、「スノーボードケース」の販売時に、該「ブーツバッグ」をセット商品として一緒に販売したことを主張するためのみの証拠であるならば、該「ブーツバッグ」についての判断は、既に上記に示したとおりである。
また、該「スノーボードケース」自体の販売が本件商標の「かばん類、袋物及びこれらに類似する商品」についての使用に該当する旨をも主張しているのであれば、「スノーボードケース」は、独特の形状をしたスノーボードを収納するためのものであり、その特殊な形状から汎用性は認められず、明らかにスノーボード専用の附属品と認められるものであって、第28類の「運動用具」に属すると解されるものであり、本件取消請求に係る第18類の指定商品中の「かばん類、袋物及びこれらに類似する商品」の範疇に属する商品とは認められない。
(4)まとめ
してみれば、被請求人提出の乙各号証によるも、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘,これに類似する商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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