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Trademark Appeal Case

棚田天水米の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−19064(T2002−19064/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「棚田天水米」の漢字を横書きしてなり、第30類「米,米粉,乾燥米,強化米,人造米,米飯の缶詰」を指定商品として、平成13年12月20日登録出願、その後、指定商品については、同14年8月21日付け手続補正書により「米,米粉,乾燥飯,強化米,人造米,米飯の缶詰」と補正したものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『傾斜1/20(20m進んだときに1m上がる傾斜)以上の傾斜にある階段状の水田』を意味する『棚田』の文字と『水源をもたず、天水に頼って作られる米』を意味する『天水米』の文字とを一連に「棚田天水米」と書してなるところ、これよりは、『棚田で天水によりできた米』の意を認識させるにすぎないから、これをその指定商品中『上記に照応する米,上記に照応する米を使用してなる米粉・乾燥飯・強化米・人造米・米飯の缶詰』に使用するときには、単に商品の品質・原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「棚田天水米」の文字を書してなるところ、その構成中、「棚田」は「急な傾斜地を耕して階段状に作った田」を、「天水」は「天から降った水。雨水」を、そして「米」は商品の普通名称を表したものと容易に理解できるものである。

そして、実際に傾斜の急な棚田には、水を汲み上げることが困難なことから、雪解け水や、雨水をためて、それを利用して米を作る方法がしばしば普通に行われている実情にあり、この種の水田を「天水田」と称していることは、「天水田」とは「河川・溜池・泉などのような水源を持たず、もっぱら天水のみに依存する水田」を意味するものと広辞苑第5版に記載されていることからも明らかである。

さらに、天水田でとれた米であると表示することは、その米が天然の水だけを利用して作られた結果、特においしい良質の商品であることを需要者に知らしめる効果があることから、一般の水田でとれた米との差別化を図るために、以下のとおり、宣伝等にその旨を表示しているものが存在する。

1)「新潟産の米の商品紹介」のホームページ(http://www.kenbei.co.jp/syouhinsyoukai/syoukai.htm)中、「天水田新潟産コシヒカリ 5kg」の商品説明において、「肥沃な土壌とともに、米づくりに欠かせないのが『清冽な水』。稲はたくさんの水を吸い上げ、米を育んでいきます。『天水田』とは、棚田の中で特に雪どけ水や雨、湧き水などを貯水して使用している水田、または山間地の沢水を用水としている水田のこと。生活排水・工場排水が一切流れ込まない環境で、清冽な水だけを使っているため、『より安全でおいしいお米』が出来るのです。」の記載がある。

2)「ランドクラブオンラインショップ」のホームページ(http://www.rakuten.co.jp/lamd/5120321/4579881/526466/)中、商品「美穂の里黒川村天水田の米」の商品説明において、「天水田のお米・・山間地の棚田(山の傾斜部分を耕田)の中で特に雪どけ水や雨、湧き水などを貯水して使用している水田または山間地の沢水を用水としている水田です。つまり生活用水、工業用水が一切流れ込まない環境で、清冽な水だけを使った『より安全でおいしいお米』です。」の記載がある。

3)「JANJAN」のホームページ(http://www.janjan.jp/area/0401/040126522/1.php)中、「比叡山の麓、仰木の里山の棚田の水路」の見出しのもと、「水源がなく雨水だけに頼った水田を『天水田』というが、仰木では現在ニュータウンのある御呂戸川の棚田がこれにあたる。・・仰木の棚田で作った米はおいしい。それは、まず、水がきれいなことが一番で・・」の記載がある。」

4)「日本ローカルコメ・モチフーズ」のホームページ(http://www.ne.jp]asahi/aoyagi/kenji/oryza/japan/food/chiba 01.html)中、「天水米 5kg3000円 10kg6000円」の商品説明において、「千葉県鴨川市大山千枚田は、「棚田百選』のなかでも水源を持たない、雨水(天水)だけに頼る千枚田だ。『天水米』というコシヒカリの棚田米を商品化している。・・徳川時代、江戸時代に送られてくる地廻り米の中で、最高級に格付けされていたのが、武州の稲毛米、川越米、そして房州の長狭米だったという。もともと、長狭は米の名産地だったこともあり、この『天水米』の人気も高い。」の記載がある。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体より、「棚田であって、雪解け水や雨水等の天然の水を使用した天水田で作られた米」を意味する語と認識されるにすぎないものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、棚田の天然水を利用して作った米及び該米を原材料とした商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎず、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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