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Trademark Appeal Case

著名商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成4年審判第7415号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「POLOMAX」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年10月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、その構成中に米国の服飾メーカーであるポロバイラルフローレン社が同社の商品に使用して世界的に著名な商標「POLO」を有してなるものであるから、このような商標を出願人がその指定商品について使用するときは、恰かも上記会社と何等の関係を有する商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1)本願商標とポロバイラルフローレン社の商標「POLO」(以下「引用商標」という。)を比較すると、本願商標は、「ポロマックス」の称呼を生じ、一方、引用商標は、単に「ポロ」の称呼を生ずるから両商標は明らかに称呼上互いに非類似の商標である。

本願商標は、全体を同書、同大、一連に書してなり、外観上まとまりよく一体的に構成され、特にその商標の各部に軽重の差異を見出すことができないものであり、これから生ずる「ポロマックス」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼しうるものである。従って、本願商標中の「POLO」の文字部分のみが独立して認識されると見るべき特段の事情はなく、「POLO」と「MAX」を分離して称呼、観念しなければならない特段の事情は全くない。従って、本願商標は、単に「ポロ」の称呼を生ずることは有り得ない。

本願商標と引用商標から生ずる観念を比較すると、本願商標は何ら意味を有しない造語商標と認められ、両商標は観念上も互に非類似の商標である。

また、本願商標と引用商標は明らかに外観が相違するから、両商標は称呼、観念、外観のいずれの点においても互いに非類似であり、結局両商標は互いに非類似の商標である。

(2)本願商標のうちの極一部分が他の著名商標と一致するというだけでは、互に類似関係にない本願商標と引用商標をそれぞれ付した商品の間で出所の混同を生ずることは有り得ない。

2つの商標の一方が周知、又は著名商標である場合には、その著名商標の類似範囲が若干拡大するという判例もあるが、本願商標と引用商標の如く全く非類似の商標にまでその類似範囲を拡大解釈することは、妥当な判断ではないと思料する。

明確に区別して看取しうる2つの商標を同一又は類似の商品について使用しても、商標自体が明確に区別して看取しうる限り、その商品の出所が同一であると誤解され、商品の出所の混同を生ずることはあり得ない。

(3)実際に第17類の商品について、「POLO」の文字を商標の一部に有する商標が極めて多数、異なる出願人に対して登録され、現実に取引場裡において、併存して同一または類似の商品について使用されているが、それらの商品の間で出所の混同を生ずることは全くなく、秩序を保って取引が行われている。この事実からも本願商標とポロバイラルフローレン社の商標「POLO」を付した商品との間で、出所の混同を生ずることはあり得ない。

ポロバイラルフローレン社が同社の商品について実際に使用している商標は、「POLO RALPH LAUREN」の文字とポロ競技をする人馬の図形を組み合わせたものであって、需要者はこの商標を見て、ラルフローレン社の商品として認識しており、上記のごとく「POLO」の文字を一部に有する商標が多数、第17類の商品の商標として実際に使用されている現状から判断し、需要者は商標の一部に「POLO」の文字があるからといって、直ちにその商品がラルフローレン社の商品であると、誤認することは有り得ない。

(4)以上述べた如く、本願商標と引用商標を付した商品の間で出所の混同を生ずることは有り得ないがら、本願は商標法第4条第1項第15号には該当せず、登録を受けることができる。

4 当審の判断

(1)「POLO」の周知性について

(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイ マーケッティング 昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界 昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株) 昭和59年発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の[ポロ・パイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社 昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79版」、(株)チャネラー 昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、婦人画報社 昭和55年12月発行[MEN′S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されているのが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして「POLO」の商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は前記のとおりの構成よりなるところ、該構成全体をもって特定の意味合いを表す語として認識し、理解されるものとは認められないものであるばかりでなく、「POLO」及び「MAX」の文字がそれぞれ意味を有する既成語であることから、本願商標はこれら2語よりなる商標とみるのが相当といえる。

そうすると、本願商標をその指定商品である「被服等」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、たとえ外観上は同字体で同大・同間隔の文字を書してなるとしても、前記実情からして、その構成中の「POLO」文字に注目し、前記周知になっているラルフローレンに係る「POLO」標章を想起し、該商品がラルフローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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