sokuhyo

Trademark Appeal Case

図形商標の類否と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18853号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)に示した構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服」を指定役務として、平成7年2月1日に登録出願されたものである

2 原査定の理由

原審において、登録異議申立の結果、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1761267号商標(以下「引用商標A」という。)は、別紙(2)に示した構成よりなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和55年9月19日登録出願、同60年4月23日に設定登録されたものである。

同じく、登録第1548639号商標及び同第1487333号商標(これらをまとめて「引用商標B」という。)は、いずれも別紙(3)に示した構成よりなり、前者は、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和52年4月6日登録出願、同57年11月26日に設定登録されたものであり、後者は、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和52年4月6日登録出願、同57年11月27日に設定登録されたものである。

そして、引用各商標は、いずれも現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別紙(1)に示した構成よりなるものであるところ、裏返しにした欧文字の「R」を左に配し、これとやや間隔を開けてその右に欧文字の「R」を配してなるものであって、さらに両「R」間の中程で、2つの「R」を連結するように短い横線を引いてなるものである。

そして、本願商標は、全体として、2つの欧文字の「R」の配置の特異性に極めて強く印象付けられるとみるのが相当である。

(2)引用商標A

引用商標Aは、別紙(2)に示したとおり、図形と数字の「1881」との組み合わせよりなるものであるところ、該図形部分は、赤色の太線を挟んで、裏返しにした欧文字の「R」を左に、欧文字の「R」を右に配してなるものである。

そして、引用商標A中の図形部分は、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるところ、赤色太線を挟んで背中合わせにした2つの欧文字の「R」の配置の特異性に極めて強く印象付けられるとみるのが相当である。

(3)引用商標B

引用商標Bは、別紙(3)に示したとおり、欧文字「C」の中に2つの欧文字「R」を、その縦線を軸に背中合わせにして配したものであり、構成全体がまとまりよく一体的に表されてなるものであるから、これより背中合わせにした2つの欧文字「R」の部分のみが独立して把握、認識されるものとは認めることはできない。

(4)引用各商標の著名性について

▲1▼登録異議申立書に添付された甲第4号証ないし甲第6号証(以下単に「甲第○号証」という。)によれば、引用商標A及びこれに類似する商標が主としてスポーツウェアに(甲第4号証の1〜4、甲第5号証の1及び2)、また、引用商標Bが紳士服、婦人服に(甲第4号証の5及び6)ついて使用されていることは認められるが、甲第4号証の1(1994 spring summer collection)、甲第4号証の6(「1991」の数字が認められる。)、甲第5号証の2(1989年6月号)以外のものは、その発行日、発行所等が不明であり、また、甲第6号証は、どのような商標が世界各国で登録されたのか判然としないものであるから、登録異議申立人(以下単に「申立人」という。)が引用各商標の著名性を立証するために提出した甲各号証は、引用各商標が申立人の業務に係る「紳士服、婦人服、スポーツウェア」等を表示するためのものとして、本願商標の登録出願日前より、取引者、需要者間に広く認識されていた事実を認めるには客観的証拠力に欠けるものである。

▲2▼しかしながら、株式会社研究社(初版第1刷 1990年)発行「英和商品名辞典」(83頁)によれば、「Cerruti 1881」は、「イタリア系フランス人のデザイナーNino(Antonio)Cerrutiがデザインした衣料品(主に紳士服)・服地・ニットウェアなどのブランド,その直営ブティック.1967年より紳士既製服を製造,同年Parisにブティックを開店.1976年より婦人既製服.リゾートウェアのブランドCerruti 1881 Femmeを市場化,1981年より水着・スキーウェア・テニスウェア・ポロシャツ・ブルゾンなどのブランドCerruti 1881 Sportを発売.」なる記載が認められるところである。

そして、引用商標Bは、「CERRUTI 1881」の表示とともに、申立人の業務に係る「紳士服、婦人服」について使用される商標として、例えば、サンケイマーケティング(昭和58年9月28日初版第1刷)発行「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」(155頁)、株式会社講談社(昭和60年6月25日第2刷)発行「FASHION SHOPPING BIBLE’85/流行ブランド図鑑」(136頁)、株式会社世界文化社(昭和60年11月1日)発行「家庭画報編/世界の特選品’86」(164、317頁)、サンケイマーケティング(1986年10月30日初版第1刷)発行「’86〜’87ザ・ブランド(海外ブランド・ライブラリー)」(112頁)等に掲載されていることが認められる。

また、引用商標Aは、「CERRUTI 1881 SPORT」の表示とともに、また、引用商標A中の図形部分は、「CERRUTI 1881 SPORT」の文字中の「RR」の部分を図案化したものとして、例えば、株式会社スキージャーナル(昭和62年8月31日)発行「別冊スキージャーナル[スキーセレクション1988]」(44、45頁)にスキーウェアについて、株式会社学習研究社(昭和61年4月5日)発行「TENNIS BOX ’86SPRING」(140頁)及びベースボール・マガジン社(平成元年4月10日)発行「別冊テニスマガジン春季号/TENNIS catalog」(69頁)にテニスウェアに、さらに、株式会社光文社(1995年5月10日第1版)発行「BAFFY GOLF CATALOG/’95春・夏号」(70〜74頁にかけて)に、プロゴルファーが着用しているゴルフウェアなどに使用されていることが認められる。

▲3▼上記(4)▲2▼の認定事実よりすれば、引用商標Bは、1967年より紳士服について、1976年より婦人服について、「CERRUTI 1881」の表示とともに使用され、1980年頃には、わが国の服飾関連分野の取引者、需要者に請求人の業務に係る商品を表示するためのものとして知られていたものと認められる。

また、1981年より水着・スキーウェア・テニスウェア等のスポーツウェアに「CERRUTI 1881 SPORT」の商標が使用されていたことが認められ、該表示とともに使用された引用商標Aないし引用商標A中の図形部分は、構成態様の特異性も相俟って、1980年代中頃には、わが国の服飾関連分野、スポーツ関連分野の取引者、需要者に申立人の取扱いに係るスポーツウェアを表示するためのものとして知られていたものと認められる。

(5)出所の混同について

本願商標は、前記(1)で認定したとおり、欧文字の「R」を裏返しにしたものと欧文字の「R」を、やや間隔を開けて左右に並べ、その間隔に短い横線を引き2つの「R」を連結するような構成よりなるものであり、また、引用商標A中の図形部分は、前記(2)で認定したとおり、赤色太線を挟んで、欧文字の「R」を裏返しにしたものと欧文字の「R」を左右に並べた構成よりなるものであって、両者は、いずれも2つの欧文字「R」の配置の特異性に極めて強く印象付けられる構成よりなるものである。(本願商標は、見方によっては、2つの「R」と1つの「H」とをモノグラム化したものと見られないこともないが、その場合においても2つの「R」の配置の特異性に極めて強く印象付けられることは疑いないといえる。)

確かに、本願商標と引用商標A中の図形部分とは、これらを並べて対比すれば、2つの欧文字の「R」の間の部分において差異があることは明らかではあるが、上記のとおり、本願商標と引用商標A中の図形部分とは、裏返しにした欧文字の「R」と通常の欧文字の「R」とを左右に並べたといった、簡潔にして、極めて特徴的な構成を基本とするものであり、引用商標Aないしその図形部分の著名度を考慮すれば、一般の需要者が、時と所を異にしてスポーツウェア等の被服に付されたこれらの図形に接した場合、本願商標が付された商品を申立人の取扱いに係る商品と混同するおそれがあるというのが相当である。

したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合は、申立人の取扱いに係る商品との間に、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ないものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。