Trademark Appeal Case
称呼類似と著名商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−8977(T2002−8977/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲の(1)のとおりの構成よりなり、第30類「鳥肉と野菜を主材とした鍋料理に適した味噌」を指定商品として、平成12年11月7日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(a)登録第2620469号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲の(2)のとおりの構成よりなり、平成2年8月31日に登録出願され、第31類「みそ」を指定商品として、平成6年1月31日に設定登録されたものである。
(b)登録第3099271号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲の(3)のとおりの構成よりなり、平成4年7月31日に登録出願され、第30類「鳥肉と野菜を主材とした鍋料理に用いる味噌」を指定商品として、平成7年11月30日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲の(1)のとおり、「とりやさい」の文字と「みそ」の文字を二段に横書きしてなるものである。
これに対して、引用B商標は、別掲の(3)のとおり、「とり野菜」の文字と「みそ」の文字とを二列に縦書きしてなるものである。
そして、本願商標及び引用B商標は、前記したとおり、前者は、「鳥肉と野菜を主材とした鍋料理に適した味噌」を指定商品とするものであり、後者は、「鳥肉と野菜を主材とした鍋料理に用いる味噌」を指定商品とするものであって、両指定商品は、実質的に同一の商品と認められるところ、これら商標をそれぞれの指定商品について使用した場合は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、若しくは極めて弱いものというのが相当である。
(2)ところで、引用B商標は、これをその指定商品について使用された結果、その商標権者の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至った商標、すなわち、使用により識別力が生じた商標として登録されたものである。
そうすると、引用B商標は、その指定商品を表示するものとして著名であるが故に、その需要者に強く印象づけられ、「トリヤサイミソ」の称呼をもって、記憶されるものということができるから、たとえ、本願商標がその指定商品について自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるとしても、前記構成よりなる本願商標を、引用B商標と実質的に同一の指定商品について使用した場合は、需要者をして、上記著名な引用B商標を連想させ、「トリヤサイミソ」の称呼をもって、取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
したがって、本願商標と引用B商標とは、いずれも「トリヤサイミソ」の称呼を同一にする類似の商標であって、その指定商品も同一のものであるから、取引上きわめて相紛らわしく、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(3)請求人(出願人)は、平成13年10月9日付け意見書及び審判請求書において、本願商標は、使用による識別力が生じたものであるから、商標法第3条第2項の要件を具備するものであって、同法第4条第1項第11号には該当しない旨主張し、甲第1号証ないし甲第4号証を提出する。
しかしながら、甲第1号証ないし甲第4号証によれば、請求人の営業に係る「びわこ食品」が、昭和48年より食堂を営みながら「とりやさいみそ」を生産し販売していることは窺い知れるとしても、甲第1号証は、「とりやさいみそ」のパッケージにすぎず、また、甲第2号証ないし甲第4号証は、「高月町商工会」、「ハナマルキ株式会社大阪支店長」あるいは「新日化ポリマー株式会社」の各証明書であって、これらの証明書には、使用に係る商標の態様が何ら示されていない。また、本願商標を使用した商品について、その販売数量、販売高、販売地域など商品の取引の実情を具体的に示す証拠の提出はなく、また、宣伝、広告の期間、回数、内容など宣伝、広告の実情を示す証拠の提出もないから、上記証拠をもって、本願商標がその指定商品について使用された結果、識別力を生じたものと認めることはできない。そして、「とりやさいみそ」の文字を書してなる本願商標は、「トリヤサイミソ」の称呼をもって認識される著名な引用B商標と、取引上相紛らわしい類似の商標であるばかりでなく、両商標の指定商品も同一のものと認められることは、前記認定のとおりである。
さらに、請求人は、本願商標を付した商品と引用A商標及び引用B商標を付した商品とが取引の実際において併存しているが、請求人宛には商品を混同した旨の苦情は一度もなく、また、引用A商標及び引用B商標の商標権者からも同趣旨の苦情がきたことはないから、本願商標と引用A商標及び引用B商標とは、異なるものとして、需要者の間で認識されている旨主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、本願商標と引用B商標は、これらをそれぞれの指定商品について使用した場合は、その流通過程において、需要者が同一の製造業者あるいは販売業者の取扱いに係る商品であろうと認識することは必定といわざるを得ない。したがって、需要者又は引用B商標の商標権者から商品の出所を混同したなどの苦情がなかったとしても、結果として、苦情がなかったという事実を示すに止まり、需要者一般の認識の程度を示すものとみることは困難であるといわざるを得ない。
(4)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。