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Trademark Appeal Case

称呼と外観の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90624(T2003−90624/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4687844号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4687844号商標(以下「本件商標」という。)は、「CyberShoot」及び「サイバーシュート」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年9月27日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラム」を指定商品として平成15年7月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第26号証を提出している。

(1)本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名な商標「Cyber−Shot」「サイバーショット」と類似するものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(2)申立人の著名な商標「Cyber−Shot」「サイバーショット」の使用に係る商品「デジタルカメラ」と本件商標の指定商品「電子計算機用プログラム」は、本体とそれに対応する周辺機器という関係にある。そして、「Cyber−Shot」「サイバーショット」と本件商標は類似するから、本件商標が「電子計算機用プログラム」に使用された場合、「Cyber−Shot」「サイバーショット」の使用に係るデジタルカメラ用のプログラムであると、商品の品質の誤認を生ずること明かであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(3)本件商標は、登録第4256579号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であって、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成16年3月17日付けで商標権者に対し通知した取消理由は次のとおりである。

申立人の引用商標は、「Cyber−shot」の文字を横書きしてなり、平成8年7月31日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として平成11年4月2日に設定登録されたものである。

そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は「サイバーシュート」の称呼を生じ、引用商標は「サイバーショット」の称呼を生ずるものである。しかして、この「サイバーシュート」の称呼と「サイバーショット」の称呼とは、前半の「サイバー」の音と末尾の「ト」の音を共通にし、中間において「シュー」と「ショッ」の音の差異を有するにすぎず、しかも、相違する「シュー」と「ショッ」の音にしても、いずれも「シ」に「ユ」又は「ヨ」を添えた同質の近似した拗音に、それ自体明瞭に発音されることのない長音又は促音「ツ」を伴っているものであることから、この差異が全体に及ぼす影響はわずかなものであり、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感音調が近似し彼此相紛らわしいものというべきである。

また、本件商標の欧文字部分についてみると、引用商標とは中間部分におけるハイフンの有無、「s」の文字の大小及び後半部分において「o」の文字が一つ多いか少ないかの差異を有するのみで、他の文字を悉く共通にするものであって、視覚上酷似した印象を与えるものであるから、両者は外観上類似するものというべきである。

してみれば、本件商標と引用商標とは称呼及び外観において相紛らわしい類似の商標といわなければならず、また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に包含されるものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対し、商標権者は、次のように意見を述べている。

本件商標は、サイバー(Cyber)とシュート(Shoot)と組み合わせたもので、まったく意味を含まない固有名詞のような商標とは異なるものである。すなわち、英語の形容詞と名詞を組み合わせたものである。形容詞であるサイバー(Cyber)は、日本語では「インターネットの」、または「電脳の」と訳される形容詞で、商標においても、数多く使われている言葉である。

一方、シュート(Shoot)は、日本語では、スポーツ競技であるバスケットボールの「ボールをバスケットに投げ入れる行為」の意味で定着している。この二つの単語を組み合わせて、インターネット上でのシュートと認識され、これと商品におけるメール配信機能を連想させることを意図して、商標登録を行ったものである。

商標登録において、サイバー(Cyber)を形容詞として使用するのは、多くの商標があるので問題はないと判断する。問題は、シュート(Shoot)と引用商標「Cyber Shot」のショット(Shot)が呼称および外観において紛らわしいとの判断であるが、この2つの商標には明確に顧客が受ける商品イメージに差異がある。シュート(Shoot)はバスケットボールの「ボールをバスケットに投げ入れる行為」の意味で日本では定着しており、そのイメージはショット(Shot)という言葉で連想するイメージより、はるかに動作が遅いイメージがある。このため、メール配信のようなイメージとダブらせることができるが、ショット(Shot)という言葉では動作が俊敏すぎるイメージをもたれる。ショット(Shot)という言葉は、日本ではフォトショットと言われるように「カメラのシャッターを押して、写真をとる行為」の意味として定着している。引用商標「Cyber Shot」も、ショット(Shot)によって「カメラ」を連想させる意図がうかがわれる。仮に、引用商標「Cyber Shot」を「Cyber Shoot」にするならば、「カメラ」を連想させることができなくなる。

上記で述べた理由により、「Cyber Shot」と「Cyber Shoot」は、商品の顧客が連想する商品イメージに明確に相違がある。

5 当審の判断

本件商標は、「CyberShoot」及び「サイバーシュート」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、「Cyber−shot」の文字を横書きしてなる引用商標とは、それぞれより生ずる「サイバーシュート」の称呼と「サイバーショット」の称呼において類似の商標というべきものであるばかりでなく、本件商標の欧文字部分と引用商標とは、ハイフンの有無、「s」の文字の大小及び「o」の文字が一つ多いか少ないかの構成上の差異を有するのみで、視覚上酷似した印象を与えるものであるから、両商標は構成上の外観においても類似するものというべきであり、また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に包含されるもものであるから、上記3の取消理由は妥当なものであって、これに対する上記4の商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。

すなわち、本件商標と引用商標は、それぞれの構成中の一部である「シュート(Shoot)」と「ショット(Shot)」の部分を分離ないし抽出して、その部分の呼称および外観において紛らわしいのではなく、両商標の構成全体から生ずる称呼、あるいは構成全体の外観(外形)において相紛らわしいと判断されるものである。

そして、「シュート(Shoot)」と「ショット(Shot)」から受けるイメージ又は意味に差異があるとしても、両商標は、その全体の称呼及び外観において類似するものであり、また、その指定商品においても抵触するものである以上、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ないから、前記認定を相当とするものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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