Trademark Appeal Case
称呼・商品の非類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90028(T2004−90028/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4716661号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヘルメス」の片仮名文字を標準文字とし、平成15年1月16日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成15年10月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由の要旨
(1)商標法第4条第1項第8号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)「HERMES INTERNATIONAL/エルメス・アンテルナショナル」は、フランス国在住のファッション総合メーカーである。同社の名称であり商号商標「HERMES」は、フランス国はもとより世界中において周知・著名である。本件商標「ヘルメス」は、欧文字で表記すると「HERMES」で申立人の名称(略称)そのものである。
しかして、本件商標は申立人の同意を得ないで出願されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
「HERMES」は、申立人の商号商標であり、世界的に著名なブランドである。本件商標の指定商品は「薬剤」であるが、申立人の業務に係る「香水」は芳香剤・芳香成分等の関連があって薬剤の分野と極めて近く、本件商標は申立人の著名商標と類似する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人の商号商標「HERMES」の周知・著名性の度合いに鑑みれば、本件商標は片仮名表記であるとはいえ「HERMES」と同一の語であると理解され、本件商標をその指定商品に使用された場合には、その出所について誤認・混同を惹起する蓋然性が高い。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、または同第15号に違反してなされたものであり、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号について
申立人提出に係る甲第2号証ないし同第10号証によれば、申立人は、フランス国のファッション総合メーカーであり、かつ、同人の略称「HERMES」或いは「エルメス」は、商品「バッグ類、財布等の革製品、ネクタイ」等のファッション関連商品に継続的に使用した結果、遅くとも本件商標の登録出願日(平成15年1月16日)より今日に至るまで、申立人の著名な略称として広く一般に知られていることが認められる。
しかしながら、本件商標は、「ヘルメス」の片仮名文字よりなるものであって、申立人の名称の略称「HERMES」或いは「エルメス」とは、その構成文字において異なるものであるから、本件商標は他人の名称(申立人)の著名な略称よりなるものと認められない。
なお、この点について申立人は、「ヘルメス」を欧文字表記すると「HERMES」である旨主張するが、少なくともわが国において、欧文字「HERMES」を「エルメス」と表記し、また、「エルメス」と称呼されているものであり、それ以外の表記及び称呼されている事実は、申立人提出の甲各号証から見出せない。
したがって、申立人の主張は採用できない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
上記(1)のとおり、申立人が商品「バッグ類、財布等の革製品、ネクタイ」等のファッション関連商品に使用する「HERMES」或いは「エルメス」商標は、取引者、需要者の間に広く認識されていることが認められるにしても、本件商標の指定商品「薬剤」と前記ファッション関連商品とは、生産・販売部門、用途、品質等からみて全く別異のものであって、これらは互いに類似する商品同士とはいえないものである。
なお、この点に関して申立人は、「HERMES」或いは「エルメス」の商標を「薬剤」の分野と極めて近い「香水」について使用し、その結果、周知性を獲得しているから、本件商標を登録すべきでない旨主張する。
しかしながら、申立人提出の甲各号証に徴して、申立人が「HERMES」或いは「エルメス」の商標を商品「香水」に使用して本件商標出願時に周知性を獲得したものとは認められないばかりか、「薬剤」と「香水」とは、その品質、用途、効能等が異なり類似する商品と認められない。
したがって、申立人の主張は、採用の限りでない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人が使用する「HERMES」或いは「エルメス」の商標は、前述のとおり、商品「バッグ類、財布等の革製品、ネクタイ」等のファッション関連商品に使用し、取引者、需要者の間に広く認識されていることは認め得るものである。
しかしながら、本件商標の指定商品「薬剤」とファッション関連商品とは、生産・販売部門、用途、品質等からみて全く別異な商品であること、及び本件商標と申立人の使用する前記各商標とは、その綴り字を異にすること等を併せ考えると、申立人の使用する商標の著名性を鑑みても、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人の前記各商標を連想、想起し、該商品が恰も申立人又は同人と経済的、組織的等何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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