sokuhyo

Trademark Appeal Case

「牧場」と「農場」の称呼・観念類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90766(T2003−90766/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4702417号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4702417号商標(以下「本件商標」という。)は、「だいずぼくじょう」及び「大豆牧場」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年11月6日に登録出願され、第29類「食用油脂,豆乳又は大豆粉を加味した乳酸飲料・乳酸菌飲料・発酵乳,きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品を加味した乳製品,その他の乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,大豆,食用たんぱく,きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品又は乳酸菌を主原料とする錠剤状・粉状・液状・ゼリー状の加工食品」を指定商品として、平成15年8月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)商標法第4条第1項第11号に該当する理由

ア)本件商標の指定商品中「豆乳又は大豆粉を加味した乳酸飲料・乳酸菌飲料・発酵乳,きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品を加味した乳製品,その他の乳製品,加工野菜及び加工果実」は、商標登録第4615016号「大豆農場」(以下「引用商標1」という。)の指定商品「豆乳又は大豆成分を配合した乳清飲料,豆乳又は大豆成分を配合した飲料用野菜ジュース」及び商標登録第4615015号「大豆農場の豆乳」(以下「引用商標2」という。)の指定商品「豆乳を配合した乳清飲料,豆乳を配合した飲料用野菜ジュース」と類似する。

本件商標は「ダイズボクジョウ」の称呼を生じ、引用商標1の「大豆農場」からは、「ダイズノウジョウ」の称呼を生ずる。両称呼は、共に7音であり、先頭の3音が同一、語尾2音も同一である。中間の2音が、「ボク」と「ノウ」で相違するが、何れも母音が「O(オ)音十U(ウ)音」である点で共通し、全体として称呼が紛れる。

広辞苑(甲第31号証)によると「牧場」と「農場」は、両者とも家畜を飼養する点において共通し、観念が同一・類似する。

甲16号証および甲17号証が示すように、現実に混同が生じる程、「大豆農場」と「大豆牧場」の両者は類似している。

本件商標を構成する「大豆牧場」と引用商標1の「大豆農場」とは、いずれも漢字4文字であり4文字中3文字が同一であるため、外観上も類似する。

以上のように、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、称呼・観念・外観ともに類似するきわめて類似性が高い商標である。

イ)本件商標の指定商品のうち、上記指定商品及び「きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品又は乳酸菌を主原料とする錠剤状・粉状・液状・ゼリー状の加工食品」を除く指定商品は、商標登録第4235800号、第4225451号、第4482800号、第4235792号、第4339481号、第4482654号、第4235797号、第4499695号、第4187674号、第2571166号、第2618064号、第4187673号及び第4321186号(以下、順に「引用商標3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15」という。)の指定商品と類似関係にあり、引用商標3ないし引用商標15は、いずれも「ソヤファーム」、「ソヤ・ファーム」又は「SOYAFARM」(不二製油及びトーラク等、不二製油グループ会社の大豆関連製品のハウスマークである。)を配してなり、「ソヤファーム」、「ソヤ・ファーム」又は「SOYAFARM」は「大豆農場、大豆農園」の意であるから、本件商標「だいずぼくじょう/大豆牧場」はこれらと観念が同一・類似の紛らわしい商標である。

(2)商標法第4条第1項第10号又は同第15号に該当する理由

「ソヤファーム」又は「SOYAFARM」の文字からなる商標が、不二製油及び不二製油グループのトーラクの大豆関連製品のハウスマークであって高い広知性を有し、長年、大豆関連製品に使用されてきたこと、豆乳飲料である製品「大豆農場の豆乳」が周知であること、日本国民の英語水準にかんがみ「ソヤ」は「大豆」の意であり、「ファーム」は「農場、農園」の意と認識されるのが普通であることに照らすと、「ソヤファーム」は、「大豆農場、大豆農園」の観念で需要者・取引者間に認識されているということができる。そして、「大豆農場、大豆農園」の観念は、「大豆牧場」と紛れる程極めて類似している。

そうであれば、本件商標を使用した商品は、不二製油及び不二製油グループのトーラクが長年使用し信用の化体した上記マークを付した大豆関連製品と混同を生じる蓋然性が高いため、商標法第4条第1項第10号又は第15号に該当する。

特に、本件商標の指定商品中「きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品又は乳酸菌を主原料とする錠剤状・粉状・液状ゼリー状の加工食品」は、いわゆる健康食品であるが、「ソヤファーム」又は「SOYAFARM」は健康食品の分野でも著名・広知のブランドであるため、当該分野において混同を生じる蓋然性が非常に高い。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「だいずぼくじょう」及び「大豆牧場」の文字を二段に横書きしてなる本件商標と「大豆農場」の文字(標準文字)を横書きしてなる引用商標1及び「大豆農場の豆乳」の文字(標準文字)を横書きしてなる引用商標2とは類似の商標であると主張する。

そこで、本件商標と引用商標1及び引用商標2を比較すると、その構成全体及び「大豆」の部分は共通するが「大豆牧場」と「大豆農場」の文字においても、外観においては十分区別し得るものである。また、その称呼である「ダイズボクジョウ」と「ダイズノウジョウ」は、語感語調が明らかに異なって聴取され、紛れ易いものとはいえない。さらに、観念においても、両者は、「牧場」と「農場」の二語が異なる概念の言葉として認識されていることは明らかであり(「牧場」は、家畜を放牧するための設備をした土地。まきば。「農場」は、一定の農地に農舎・農具・家畜・人間労働力などを具えて農業の経営をするところ。(ともに「広辞苑第五版」より))、全体の観念も混同される程の類似性はないものと判断するのが相当である。

そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似するところがないから、非類似の商標といわざるを得ない。

また、引用商標3ないし引用商標15は、「ソヤファーム(ソヤ・ファーム)」又は「SOYAFARM(SoyaFarm)」の文字を構成中に有していると認められるが、これらの文字は、日常普通に使用され、親しまれた特定の熟語的意味合いが生ずるものとして知られている語ということはできないから、一種の造語というべきものであり、本件商標とその観念について比較することができないものである。さらに、その外観及び「ソヤファーム」の称呼においても、本件商標とは顕著に相違すること明かである。

そうすると、本件商標と引用商標3ないし引用商標15とは、その観念において紛らわしいものということはできず、その外観及び称呼においても紛らわしいところは認められないから、非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、引用商標1ないし引用商標15との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものでない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について

「ソヤファーム」又は「SOYAFARM」の文字からなる商標が、申立人及びそのグループ会社の大豆関連製品に長年使用された結果、取引者、需要者の間に周知のものとなっているとしても、これらの商標は、上記と同様の理由により本件商標とは非類似の商標といえるものである。

また、甲第16号証ないし甲第18号証によれば「大豆農場の豆乳」という商標を使用した豆乳が掲載され、この豆乳には「SOYAFARM」の文字からなる商標も一緒に使用されていることが認められるが、その販売数量、使用期間、販売地域などを示す資料はなく、これをもって「大豆農場の豆乳」が周知著名な商標と認めるに足りず、他に商標「大豆農場」の周知著名性を示す資料はない。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、申立人等他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものとすべき特段の理由がないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。